【Western Mountaineering Lynx ウェスタンマウンテニアリング リンクス】これが寝袋の王者だ

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

テント泊を快適にするために、最も重要だといっても過言ではないシュラフ。
今までは惰性で【ISUKA Air450X】を使ってきましたが、力不足感が否めませんでした。
イスカの公表スペック上では最低適応気温-6℃となっていますが、実際には0℃程度でもけっこう寒いです。
日本のシュラフメーカーの適応温度は、欧州や米国メーカーのそれと比べ、どう考えても「最低適応気温」の表示が甘いといってよいと思います。
これはNANGAにも当てはまると、誰かが言っていたような言っていないような。
勿論、適応気温域といっても、テントやマットがどのようなスペックなのか、どんな格好でシュラフの中に入るのか、コットは併用するのか、といった要素も非常に大きいため、そもそも一概にあてになるものではありませんが。

いずれにせよ、装備再考・一新においてテントやコット、マットと共にシュラフを新調したので、記事にしておこうと思います。

WesternMountaineering の意義

ウェスタンマウンテニアリングは、未だアメリカ生産に拘るダウンシュラフ・ダウンジャケットのメーカー。
他メーカーの同温度帯シュラフと比べると、明らかに値段が突き出ているため、なかなかレビューや実使用の様子はみることがないでしょう。

ウェスタンマウンテニアリングの存在は、実は中学生で初めて野宿にチャレンジしようとした時から知っていました。
世の中にはこんなヤベー寝袋もあるのかと、およそ自分とは関係ない世界だと思いつつ、500円貯金の一部でモンベルの廉価シュラフを買ったのを覚えています。
あれから20年弱、まさかじぶんがそのヤベー寝袋を手に入れ、ましてそれを使って世界旅に行こうとするなんてことは、
13歳の管理人少年の脳裏には米粒ほどもなかったに違いありません。

日本には、ナンガとイスカという優れたシュラフメーカーがあります。
そして、どことなく装備を決める際に、「日本製」のものをもっていったら現地のライダーやキャンプサイトで出会った人とも話がはずむんじゃないか、などと考えたりもしています。
にもかかわらず、なぜその2大日本寝袋メーカーを差し置いてウェスタンマウンテニアリングを選んだかというと、
圧倒的な性能差を見出さないわけにはいかなかったから と言うしかないでしょう。

キャンプや野営において、特に注意すべきは「寒さ」に違いありません。
初夏の暖かな日でさえ、夜は装備をミスると寒くて眠れないどころか低体温症になることすらあるようです。
まして 冬期や寒冷地での野営を考えると、シュラフの耐寒性能とその持続性はあらゆる装備の中でも極めて重要だといえます。
先の適応温度表示も然りですが、セールスなどを抜きにして「本当の意味で命を守ってくれるギア」として安心と信頼をおけるもの、という観点で寝袋を評価した時、もっとも上位にくるのがウェスタンマウンテニアリングだったということです。

WesternMountaineering Lynx GWS

さて、そんなわけでウェスタンマウンテニアリングには上位より、
バイソン
プーマ
リンクス
アンテロープ
と4つの4シーズン対応モデルがラインナップされています。

バイソンはウェスタンマウンテニアリングの中でも最上位になり、-40℃まで対応となっています。
ダウン重量は1190gと、それだけで1kgを越えます。

プーマは適応温度-32℃。

リンクスは-23℃まで。

アンテロープは-15℃まで対応。

基本的には封入ダウン量と、それによるロフトの違いによってモデル分けされてるのだと思いますが、
ネット上から分かる違いはそれくらいです・・・・
実際には細かな違いがあるかもしれませんね(´∀`*)
ぼくの場合は、走行予定の場所や、荷物の兼ね合いから、リンクスに決定しました。

WesternMountaineering Lynx Gore Wind / 6’model

スペックとディテールは以下の様です。

・850以上のフィルパワーダウン
・ヨーロッパ産ホワイトグースダウン
・生地:1.7oz Gore Wind Stopper
・ロフト:22cm
・使用温度限界:-23℃
・ダウン重量:905g
・スタッフバッグ収納サイズ:φ23×46cm
・YKKロッキングファスナー
・Made in USA

A:ディファレンシャルフード
立体裁断のフード。
B:フルダウンカラー
首部分にハイロフトでダウンが封入されたマフラー。
C:オーバーサイズドドラフトチューブ
ジッパー内面にハイロフトでダウンが封入されたドラフトチューブで寒気侵入をブロック。
D:ディファレンシャルカット
生地の外側と内側で異なったサイズのものが縫製された立体設計。
E:Vブロックサイドバッフル
ダウンの偏りを防止する形状のバッフル構造。

実際の使用

右サイド足元斜め上方より。

左サイド頭側斜めわずかに上方より。

更にちょっと寄って仰角少なめより。

水平よりわずか上方より左サイド足元寄り。

左サイド斜め上方より。

右サイド水平わずか上方頭側より。

と、色んな角度から見てわかる通り、この圧倒的なロフトが伝わるでしょうか?
包み込まれる感は、イスカなどの同程度モデルの比ではありません。
凄まじい抱擁感と暖かさ。これは本当に感動しました。
正直なところ、マスターピース的な扱いを受けて相場が高額なのに実際使ってみると
「えっ? そんな?」
となってしまう製品ってけっこうあると思いますが、
これは本当に期待を裏切らない寝袋でした。

割と素直なマミー形状なので、足元がめちゃめちゃゆったりという感じではありません。

 

ゴアウィンドストッパ―による防風・撥水・透湿性。
冬のテント内は確実に結露するので、このスペックが地味に効きます。

 

首~頭周囲はしっかり絞りこめるようになっており、首まわりにはハイロフトのダウンがマフラーのように巻き付きます。

ジッパー裏にはさらにぶ厚くダウンが封入されたドラフトチューブ。

「噛み込みづらい」という触れ込みなのに全然噛み込んでくるジッパーとは違い、本当に噛み込みづらい。

ヒルバーグのテント同様、縫製担当者のサインがありました。

勿論、イスカのシュラフカバーとの併用も可能です。
でも、必要ないのかなぁ わからない。でも夏はシュラフカバーのみの使用とかもあるので、持っては行きますが、
併用の効果に関しては要研究ですね。

もう暖かくないわけがないというこの感じ。
今のところ実経験に基づく最低温度は-7℃ですが、寒さは❝全く❞感じませんでした。
更に低温が楽しみです。

収納は?

さて、ロフトがすごいの暖かいだの、それはいいけどこんな爆ダウンシュラフ、積載スペース大丈夫なの?
と思われてるかと思います。
では、ウェスタンマウンテニアリング・リンクスの収納をみてみましょう。
シュラフを収納袋に入れた状態がこちら。

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はい、でかいです。サンタクロースかよってくらいのサイズ感です。
いやいや、こんなんバイクに積めるかよ、と思うでしょう。
積めません。
これは、ダウン製品によくある「収納にはこれ使ってね」というなんとも心あたたまる付属品なのです。
ダウンはコンプレッションにより小さくできますが、ずっと圧縮したままだと復元力が低下し、ひいてはロフト量・保温力に性能低下をきたしてしまうからです。
どうでもいいけど、デザイン、、、80年代の映画でアメリカの田舎のお婆ちゃんが家でロッキングチェアゆらゆらしながら編んでるような・・・まぁいいや。

携行用のスタッフバッグに収納すると、、、

ほ、こんなもんです。いかに多くの空気を含んで膨れ上がっているか、ということですね。
ちなみに、収納袋に入れるのは、まさに風船を小さい袋の中にしまうような感覚です。
いままで使ってきたダウンシュラフは、適当にぎゅっぎゅと袋の中に詰め込めましたが、こいつは少し力を抜こうものならすぐに空気を吸って膨らむので、しまうのはなかなか大変です。こんなに違うものか、と愕然とするほどの含気パワーです。

このサイズでもまぁバイクであればそこまで邪魔にはなりませんが、

こいつを使うともっと小さくできます。
アウトドアリサーチのウルトラライトコンプレッションサック確か35ℓ?

スタッフバッグに入れたシュラフをコンプレッションサックにいれて4本のベルトで圧縮します。

すると、こんなにコンパクトになりました。
これなら普通のシュラフとそう大差ないサイズですね👍

その後リンクス・シュラフの収納を再考しました
➡【シュラフの収納再考 ISUKA Ultra-light compression bag】

まとめ

いくらいいぞいいぞと記事に綴っても、あの包み込まれる安心感と 外気温に比した圧倒的な暖かさは伝えることが難しい….
一般的にハイグレードとされるシュラフの更に倍くらいの金額にはなりますが、
その価値があるかどうかは、あなたの旅次第かもしれません。

ヒルバーグ・テントとの組み合わせとなると、
おいおいお前は南極探検にでも行くのか と言われそうですが、
どこでも、どんな時も、どんな場所でも持って行けて、長く使えるポータブル家&寝床 と思えば安いもんじゃないでしょうか?

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