こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。
キャンプの際はその晩の家となるテント。
テントって、拡大解釈すれば「ポータブル家」ってことですね。
今までずっと使っていた【モンベル クロノスドーム2型】ですが、
・雨の中設営するとインナーテントが濡れる
・極寒時テント内の温度が低い
・色が鮮やかで目立つ
・前室のスペース不足感がある
などといった不満がありました。
バイク世界旅を決意するより以前からずっと使っていた道具をそのまま装備にしているもののひとつでしたが、
大幅な装備の見直しと共にテントも新調することとしました。
Hilleberg を知っているか
昨今のキャンプブーム/アウトドアブームにおいて、様々なアウトドアギアブランドがより一般的になりつつある感があります。
「GO OUT」や「BE-PAL」、「PEAKS」といった コンビニでも買えるような雑誌にも かなりコアなアウトドアギアが紹介されていますよね。
そんな中、今回紹介するヒルバーグという名前も、ちらほら目にする機会があります。
おそらく、テントを何にしようかそれなりに悩んで色々調べた経験があるひとなら、一度はたどり着き、そしてその値段に腰を抜かしたことがあるのではないでしょうか?
ヒルバーグは、簡単に言うと「テントの最高峰」「テントの王者」「最強のテント」と表現できます。
メーカーはスウェーデン、工場はエストニアにあり、ひとつひとつが全行程を通して一人の職人の手作業で作られ、
・信頼性
・適応性
・快適さ
・軽さ
・耐久性
・使いやすさ
の6つの信条を元に、それら全てに妥協せず、徹底的に拘りぬいてつくられたテントなのです。
金額はさておき、とにかく過酷な環境でこれら6つの項目をクリアしたいというちょっと普通の社会人にはそぐわない価値観をお持ちの方であれば、
ヒルバーグを選べば間違いない、後悔はない、といえるわけです。
ヒルバーグをたたえる記事は沢山ありますので、今回はぼくが世界旅用に新調した「ヒルバーグ スタイカ」をみていきたいと思います。
ちなみにこのテント、ほぼ未使用品を某アウトドアギアコレクター(?)から格安で譲り受けました。
Hilleberg Staika
ヒルバーグには「カラーレーベルシステム」というものがあります。
現在HP上では上のような全4色+シェルターレーベル というラインナップになっていますが、
この中で、「BLACK LABEL」は以下のような特徴となっています。
つまり、最強たるテントメーカー ヒルバーグの中でも、更に最強のモデルがブラックレーベルということです。
そんなブラックレーベルの中で2人用程度の広さがあり、よりシンプルなモデルが、
スタイカです。
ヒルバーグ正規代理店のA&FのHP上で公表されているスペックとヒルバーグHPでのスペックをまとめると以下の様です。
・フロア広さ:3.2㎡
・前室広さ:2×0.9㎡
・アウターテント生地:40デニール ハイテナシティ・リップストップナイロン
・アウターテント処理:両面100%3層シリコン加工+耐UV加工
・アウターテント重量:55g/㎡
・アウターテント引裂き強度:最低18kg
・アウターテント耐水圧:5500mm/54kPa
・インナーテント生地:40デニール リップストップナイロン
・インナーテント処理:耐久性撥水加工(DWR)
・インナーテント重量:43g/㎡
・フロアー生地:100デニール ナイロン
・フロアー処理:ポリウレタン3層コート
・フロアー重量:110g/㎡
・フロアー耐水圧:20,000mm/196kPa
・最小重量:3.4kg(アウター/インナーテントとポールのみ)
・総重量:4㎏
・収納サイズ:φ23×52cm
・素材:Kerlon 1800
・付属品:アルミポール(φ10mm×387cm)×3本
Y字アルミペグ×16本
スタッフバッグ
ポールバッグ
ペグバッグ
スペアポールセクション
リペアスリーブ
・カラー:レッド サンド グリーン
では、実際の設営をみていきます。
Hilleberg Staika 設営
以前に紹介したモンベルのクロノスドーム2と比べると、収納サイズはこんな感じです。
確かに、やや嵩張ってますが、多くのテントがスタッフバッグにギチギチに入っているのに対し、ヒルバーグのテントは非常にゆったりと入っています。なので、実際の収納では見かけより圧迫できるのです。
ポールバッグが別であるため、ぼくはテント本体とポールを別々に収納しています。
まずはテント本体を広げます。なお、これは既にフットプリント(いわゆるグランドシート)を接続した状態で、フットプリントは接続したまま収納しています。
スタイカの上方投影面観は、
このような六角形となっています。
従って、この六角形の対角線に まずポールを通していきます。
径10mmの極太のポール。
これらが3本クロスすることでテントに強靭な耐久性を与えます。
ポールを挿入していく際には、対角が分かりやすいよう白・赤・青でマークされたスリーブ同士を繋いでいきます。
テントを広げ、ポール3本を挿入した状態。
アウターテントにあるフックをポールにひっかけていきます。
強いていえば、このフックの数がなかなか多いので、この行程だけがやや面倒です。
これでほぼ設営完了。
テント本体を広げて、ポールを通し、フックを引っ掛けるだけ。
非常にシンプル!フライを張る という行程が無いのがポイントです。
最後に上蓋をセットして、自立の設営は完了です。
必要に応じてペグダウンと、ガイラインを張ります。
もし全てのガイラインを張るとすると、6隅とあわせて12本のペグが必要になります。
➡【ogawa 鍛造ペグ】 【MSR 軽量なステークハンマー】
これはこれですごくかっこいいんです。
6隅のペグダウン&ガイラインを張った状態。
奇を衒わないオーソドックスなスタイルと、サンドカラーが圧倒的に良い雰囲気です。
Hilleberg Staika 各部
まずはなんといっても、このスタイル。
最もフィーチャーしたいのは、ヒルバーグ創業時からの理念である
「フライとインナーテントが一体化されていること」です。
フライとインナーが接続されたまま設営・撤収ができるため、従来のように
設営→フライ→ペグダウン という行程のうちフライに関わる部分は全て排除されます。
しかも、これにより雨の中設営したとしてもインナーテントを濡らすこと無く設営ができます。
※勿論フライとインナーは分離可能ですが、したことはありません。
テントのメイン生地 ❝Kerlon1800❞ は通常のテントに用いられるナイロン生地の6倍以上の引き裂き強度をもつため、
藪や茂みの中でも安心して設営できます。
一般的なPUコーティングではなく、生地そのものにシリコンを浸み込ませた3層のシリコン処理でツルツルとした独特の感触です。
設営の部分でも言及した極太のポールは
DAC社のFeatherlight NSLポールというもの。
ポールの弱点である接続部分などの構造も通常より強度を高める工夫がされています。
前室には十分な広さがあり、
しかも2つあります。
ぼくの場合、このように入口として使う反対側にトップケースやヘルメット、ブーツなどをしまいこみ、
入り口側にはチェアや、設営時の夜につかったバーナーやコッヘルなどをそのまましまいこんでいます。
クマ対策的にはどうでしょうねぇ。
背が高めなヘリノックスのチェアツーホームがすっぽりしまえるので、前室の広さが伝わると思います。
室内はソロでつかうには十分すぎるほどに広いです。
ただ、以前にも触れたとおり、バイクに積載している荷物の多くをテント内に持ち込むには余剰なスペースが必須です。
長方形の居住スペースの半分にコット・マット・シュラフで寝床を確保し、
余った部分にこのように荷物を持ち込んでおきます。
そうすると、このような配置となります。
トップケース内に食糧をいれておけば、左手側の前室にアクセスしてシュラフにくるまりながら何かつまみ食いできますし、
右手側にザックなど荷物があるのでPCを取り出して作業したりすることもでき、非常に快適な空間ができあがります。
インナーテントはこんな色なので、室内からの眺めはこんな感じになります。
インナーテント内面のポケットは2か所。
ベンチレーションは天井部分まで大きく設定されており、
夏でも良好な通気性を確保できるようになっています。
まぁでもアウターを繋いだままだと夏は暑いでしょう。
テント内には多数のループがあるためランタンをぶら下げたあり、場合によっては何かを干すのに使ったりすることもできそうです。
➡使っているのは【おすすめのLEDランラン ルーメナーⅡ】
他にも沢山の拘りやフィーチャーポイントが詰まったテントですが、
あとは是非ご自身の目で、、、
Hilleberg Staika 撤収
設営が簡単なら撤収も簡単。
まずは設営と逆手順でポールを取り除き、六角形のテント本体が広がった状態にします。
2隅を折りたたみ長方形にしたら、
それを半分にして細長い長方形に、
それをさらに折りたたんでいって、
あとは適当にスタッフバッグに入れるだけ。
他のテントがかなりタイトに丸めないとなかなか入らないのに対し、
ヒルバーグの収納は非常にルーズなので、簡単に収納することができます。
まとめ
ヒルバーグのブラックレーベル2人用テント スタイカ。
この高価なギアを導入することのメリットは
・数々の冒険家やアルピニストなど、プロフェッショナルの現場で培われたテントテクノロジーを得られる。
・圧倒的な強度・耐久性・信頼性で、世界中のあらゆる場所・あらゆる気候にこの1張で対応できる。
・アウターフライ/インナーテント一体により、雨の中でもインナーを濡らさずに設営・撤収が可能。
・今回選んだサンドカラーは茂みや森の中でも目立たない。
といったことが考えられます。
確かに高価ですが、ここまで徹底したクオリティの管理と生産体制を天秤にかけた相対評価で、見合った価値を見出せるかはその人次第といえると思います。定価でいえば、スタイカの1/6程度の金額でも十分に機能してくれるものは世の中に大量にありますし、それらが粗悪品かといえば決してそんなことはないでしょう(中には粗悪品もあります)。それでも、「何があるか分からない」バイク世界旅で いわば保険をかけるようなニュアンスも含みつつ、「これなら何があっても大丈夫」と思える安心感と、毎回使う度にテンションをあげてくれる「道具感」が 堪らないテントであることは間違いありません。
紙幣価値がますます希薄になる今日この頃、現金なんて持っていてもしゃーない世の中で、
さして興味もない優良株に投資するのもいいかもしれませんが、
家がなくても身を守ってくれるもの:すなわち価値あるものに投資してみるなんてのはいかがでしょうか?
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