【マイ・寝袋】イスカ Air 450X の実力は?

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

キャンプ・野営時の就寝ギアシリーズ第3弾。
今回は寝袋ちゃんです、
寝袋はそれだけで「野宿」「キャンプ」を代弁するといっても過言ではないくらいの重要アイテム。
世界バイク旅に持参したものか思案中の寝袋、イスカのAir 450X を紹介します。

世界バイク旅と寝袋

「世界をバイクで旅する」
ことを前提とした時のギアの選定基準は

✔全天候型
✔オールシーズンで使える

といった”汎用性”が重要になってきます。
本来道具というのは、
「使用目的を絞った方が高性能になる」
という法則をもっています(完全に自論ですが、たぶん間違ってない)。
つまり、寝袋ひとつとっても、

夏→軽量コンパクトで汗を吸っても洗いやすい化学繊維のもの。
厳冬→ある程度重量や嵩があっても、温かく保温性の高いもの。

といった具合に適材適所があのは、想像に難くないでしょう。
では、それぞれのシーズンや気候などに応じてギアをいくつも持って行けるかといえば、積載に限りのあるバイクでは当然無理!
なので、特異的なスペックはある程度目をつぶり、
「世界のどこでも、どんなコンディションでも」
という汎用性が優先されるわけです。

ISUKA Air450X はどうか

そんな条件の中、手持ちの寝袋は

ISUKA Air 450X 

という寝袋。
イスカはナンガと並び日本が誇る寝袋の専門メーカー。
品質には信頼がおけると、思ってます。

そんなイスカのシュラフにも、多くのラインナップがありますが、
個人的には
「シュラフは断然ダウンにすべき!」
と断言しておきます。
確かにメンテ性は化学繊維に比して劣り、高価になってしまいますが、
実使用時の暖かさが段違いです。
基本テントの中で使用するので、使い方に気を遣えば、やはり暖かさが優先順位としては高いでしょう。

イスカのホームページには、
「寝袋の選び方」というページがあり、自身の使用目的にあった寝袋を視覚的に選ぶことができます。
Air 450X は赤丸で囲ったところに位置しています。
イスカの中でも、

✔ダウン仕様で
✔最も応用範囲の広い

モデルということで、なかなか汎用性の高さがうかがえるポジションに位置していますね。
もっと暖かいモデルの方がいいんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、-30℃対応モデルとかになると、その分重量や大きさもでてしまう上に、暑い時の使用ではお荷物感が半端なくなってしまうことを恐れ、あくまでコットやシュラフカバーなどとの併用を踏まえた上で、ある意味中途半端なスペックのものがいいとも思えるのです。

エア 450X 詳細

では、スペックをみてみましょう。

・生地材質:ナイロン100%(表・裏共に)
・対応最低気温:-6℃
・重量:約840g
・羽毛量: 450g
・羽毛の割合:ダウン/フェザー=90/10
・ダウンフィルパワー:800FP
・サイズ:肩幅 78cm × 長さ 208cm
・収納サイズ:φ16cm × 32cm
・カラー:ロイヤルブルー のみ
・中国製 Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)
・¥38,000 + tax

と、こんな感じでしょうか。
フィーチャーポイントを実際の写真で見ていきましょう。

サイズ感

ダウンシュラフの大きな魅力として、圧縮により小さくパッキングできる点が挙げられます。

φ16cm × 36cm のサイズ感はこんな感じ。
バイクツーリングでは、あまり問題にはなりませんね。

収納袋が意外と大事

シュラフの性能ばかりに目がいきがちですが、収納袋も意外と大事です。
何度も何度も出し入れするので、やわな袋だとけっこう裂けてしまったりします。専用の収納袋が使い物にならなくなると、ダウンシュラフをコンパクトにするのは至難!以前モンベルのバローバック(?だったっけ)では、見事にスタッフバッグが裂けました。

おそらくイスカのシュラフ製品全てに共通だとは思うのですが、

収納袋はこのように非常に引き裂き強度の高い処理がされています。
これなら頻繁な出し入れで破れてしまったりなどの心配が少なくて👍

ダウンが高品質

イスカ エア450Xに使用されているダウンは
「800FP(フィルパワー)のホワイトグースダウン」
フィルパワーとは、
「単位重量あたりのダウンがどれくらいの体積になるか」
の指標で、この数が大きければ大きいほど、大きく膨らみ、内部に多量の空気を内包できることの証です。
800FPは一般的にみて非常に高い数値といえます。
また、図らずも人間によって羽毛を搾取される鳥の種類によってもその性能に違いがあります。
グースダウン と ダックダウン が代表的なものかと思いますが、
グース=ガチョウ は ダック=アヒルより大型で、より上質で大きなダウンが採れるといいます。
あとは、よくハンガリー産がいいとか聞きますが、産地は不明です。
つまり、
800FP ホワイトグースダウンは、非常に高品質のダウンといってよいでしょう。

3D構造とディファレンシャルカット

これはシュラフを頭側から撮った写真ですが、見た感じどうでしょう?
なんだか丸みを帯びているように見えませんか?
これは、シュラフの外側と内側を別々のサイズで裁断する「ディファレンシャルカット」により断面がかまぼこのようになるよう作られているためです。
また、ダウンの充填量を部位ごとに変えることで、限られたダウンを最大限活用し、保温性と軽量性の両立が図られています。
これにより得られた3D構造により、無駄なスペースが無くなり保温性の低下を防ぎつつも、狭くなりすぎず、動きを妨げないようになっているわけです。

ゆったりとした足元

このような先すぼみ形状の寝袋をマミー型といいますが、マミー型寝袋は往々にしてすぼまった足元が窮屈に感じるもの。

勿論、エア450Xもマミー型なので、
めっちゃ広々寝返り自在! なんてことはありませんが、

先の3D構造のひとつとして、「足元は逆台形型&足先に向けてわずかに傾斜」
するようになっているため、窮屈さを感じづらい工夫がされています。
また、冷えを感じやすいこの部分には、重点的にダウンが充填されています。

ドラフトチューブで寒さシャットアウト

保温性を上げるために大事な事のひとつが
「冷気を中に入れないこと」
です。まぁ当たり前ですが、
寝袋でも、ジャケットでも、まず冷気が侵入するのはジッパーなどの部分。
エア450Xでは、ダウンがたくさん充填された「ドラフトチューブ」がジッパーの内側に配置されており、これによって極力冷気の侵入を防いでいます。

ショルダーウォーマーで熱を閉じ込める

そしてもうひとつ、保温性を上げるために大事なことが、
「内部の熱を外に逃がさないこと」
です。
いや、だから当たり前だろ、それが保温だろって。
寝袋で一番熱を逃がしてしまうのが、
頭の出る開放部分。
エア450Xではこの開放部分にショルダーウォーマーが配置され、熱の流出を防いでくれます。


ジッパー上部に外側と内側ダブルでマジックテープが設置されています。

更に、ドローコードも外側と内側、ダブルで設置されているため、

ドローコードコードなし。

内側のドローコードを絞った状態。

更に外側のドローコードも絞った状態。
と、肩~顔周りを覆うことができるわけです。
これによりショルダーウォーマーを効果的に首元にまわしこむことができるわけです。

噛み込み防止 YKK製コイルジッパー

寝袋では当たり前かもしれませんが、ジッパーは外側、内側両方から開け閉めできるようになっており、

ジッパーの表裏には両サイドに太めの糸を内蔵したジャムストッパーが配置されています。この部分の噛みこみ、かなりイライラします。

超撥水生地「ナイロン66」

エア450Xの生地はナイロン100%ですが、
使用されているのは高い引き裂き強度と耐久性を持つ
CORDURA ナイロン66 です。

さらに超撥水加工が施されることで、
テント内での結露や思わず雨との接触などから内部のダウンを守ります。


ダウンそのものに浸水してしまうと、先ほどのフィルパワーは著しく減少し、保温性能がガタ落ちします。
したがって、寝袋に限らずダウンを包むアウターシェルの素材は非常に大事なんですね。

実際の使用

少しだけ、管理人が入っている様子をお届けします。

横から。
写真では
Helinox のコットワンコンバーチブル
Isukaのピークライトマットレス
nemo のフィッロピロー
を併用しています。

足元がゆったりめなのはよく伝わりますね。
マミー型の寝袋は窮屈そうに見えますが、慣れると全然窮屈さは感じません。
普段から家の中で布団の代わりに寝袋を使っているひともいるくらいです。

そんなに寒くないときは中に入らず、このように掛布団的に使えばOK。

はい。

首元のドローコードを絞ることで、極力外気との接触面積を減らすことができます。

不満点

イスカのAir 450X。
その特徴をまとめてみましたが、逆に不満点をいくつか述べておきたいと思います。
✔おそらく、単体では世界ツーリングには力不足?
➡大抵のシュラフは「最低使用気温」で使うと寒いです。
-6℃対応とありますが、マットと寝袋だけで使用した場合氷点下レベルになると底冷えで寒いです。あくまでコットやシュラフカバーと併用することで汎用性を広げます。が、やはりダウンの封入量的には不足感を禁じ得ません。
✔中国製かよ。
➡イスカ=日本製と信じて疑わなかったのに、タグみたら発覚しました。
まぁ、今ドキ中国製を気にしてもしょーがないわけですし、だから品質がどうのというものでもありませんが、なんとなくねぇ( ;∀;)こちゃナンガに浮気か・・・・
✔ジッパー普通に噛むわ!
➡ジャムストッパーによりまず噛みこむことはない、とありますが、んなことはありません。噛み込みづらいとは思いますが、気を付けないと普通に噛み込みます。
✔ドローコードやマジックテープをとらえづらい
➡色々着こんでモコってる状態でシュラフ内にはいって、首回りを締めようとドローコードを探すも、慣れない内はコードを捉えづらい。捉えても、それが外側なのか内側なのか、わかりづらい。
でもまぁこれは寝袋の構造上仕方ないのかな…

まとめ

寝袋は、野宿での睡眠の質を左右する非常に重要なギアです。
今回紹介したイスカのAir450X どうでしょうか?

特に厳冬期や極寒地での使用を考えると、明らかにスペックに不足を感じますが、
先の汎用性の高さという意味では優れていると思います。
手持ちにあったイスカの Air 450X 、果たしてこいつを持っていくかは未だ?ですが、対抗馬としてはもっと高性能な、例えば800g以上の封入量があるモデルを持ち、夏や暑い地域ではインナーだけで過ごす という選択肢もありかなと考えています。