【登録証書の発行】自家用車を国外へ持ち出すことの解釈など

こんにちは、離婚・退職して世界1周を目指す歯科医ライダーの管理人です。

登録証書 と聞いてすぐにピンとくる人は、おそらく自分の車やバイクを国外に持ち出すことを考えた事がある人でしょう。
陸運局の職員さんですら、担当でなければ「何ですかそれは?」というような反応がまず返ってくるので、およそ一般的な書類ではありません。

今回は登録証書の発行にまつわる色々な事を記載しておこうと思います。

登録証書とは

登録証書とは、雑にいってしまえばバイク(車両)のパスポートです。
パスポートの見開きを見ると、
「日本国民である本旅券の所持人を~」という文言が国務大臣の名のもと仰々しく謳われています。
つまりパスポートはその所持人が特定の国家に所属していることを証明し、国外において便宜供与と保護を依頼するに値することを証明しています。
したがって、それに値しないと判断された場合(旅券法13条1項)、パスポートの取得ができません。
例えば常軌を逸したキチガイ野郎を国外に出してしまったら、国外で犯罪を犯し他国に多大な迷惑をかけることになってしまいます。
バイクも同じです。
ブレーキが効かない 灯火類が点かない 排気音直管かよ
のような車両を他国で無差別に走らせてはなりません。そしてこの点に関し国内で❝問題ないよ❞と担保してくれているのが車検です。
従って、登録証書とは国内の車検の効果を海外にまで延長する作用をもつ書類というわけです。

ジュネーブ条約

では、登録証書を発行すればどこへでも自家用車を持ち出すことができるのでしょうか?
残念ながら、そうではありません。
「登録証書の効果を国外へ波及」させることができるのは、ジュネーブ条約加盟国のみです。
➡ジュネーブ条約締約国一覧
ジュネーブ条約というと、一般的には戦時国際法のことを指すようですが、この中には道路交通に関する条約というものが含まれており、
これも雑にいってしまえば「あんたの国の道路を他の国の人もつかえるように努力して国際交通に貢献してね」という事だと思います(たぶん)。
これが国際運転免許証の根拠条約でもあり、つまり国際運転免許証と登録証書はどちらもジュネーブ条約・道路交通に関する条約の縛りを受けることになります。

ではジュネーブ条約締約国以外では絶対に車両の運転をすることはできないのでしょうか?
これに関しては その国あるいは地域次第 という事になります。
例えばモンゴルは締約国ではありませんが、日本を出発した先人や海外のオーバーランダー達は皆普通にモンゴルを運転しています。
つまり、条約とは名ばかり という一面も多分にあり、締約国以外はその都度判断なわけです。
ただ、陸続きの国境を越える場合 こっから先は運転できません なんてことになるわけもなく、ただ恣意的に設定された見えない線を越えるだけなのは 考えれば自然なことでしょう。

自家用車を国外へ持ち出すことの解釈

というわけで、ここまでで ジュネーブ条約のもと発行された登録証書により安全性が担保された自家用車で国外を運転することができる ということがわかりました。
このことを理解すれば、あとは登録証書の発行手続きをすればよいだけなのですが、少し話をこじらせたいと思います。

まず、管理人の場合国外へ持ち出そうとしているのは自動二輪です。自動二輪というのは登録自動車ではありません。
登録自動車ではない とはどういうことかというと、
道路運送車両法第4条に「自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く)は、自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない。」とあるように、法律的な登録車両からバイクは除外されているのです。
これを簡単に確認できる方法としてナンバープレートがあります。

左は管理人のテネレのナンバープレートで、右はとある車のナンバープレートですが、車のほうのナンバープレートは左上のボルトの上に金属製のカバーのようなものがありますね。これを封印といいます。
封印はその車両が検査・登録を受け、その車両の車体番号・車両番号と同一であることを証明していると共に、その車両が登録者の財産としての所有権を確定する役割もあります。バイクや軽自動車のナンバープレートが「車両番号標」であるのに対し、登録自動車のナンバープレートは「自動車登録番号標」であり、両者は同じようにみえて法規上の扱いに大きな違いがあるわけです。
つまり、法律上 軽自動車やバイクはただの検査車であり財産としての所有権登録はされないものなわけです。
大陸製造のワンボックスカーよりも、往年の国産バイクの方が遥かに価値があるわけですが、これはあくまで法律上のハナシです。

これが国外への車両持出しとどう関係するかですが、同じく道路運送車両法の15条の2に「輸出抹消登録」というものがあります。
条文は
登録自動車の所有者は、その自動車を輸出しようとするときは、当該輸出の予定日から国土交通省令で定める期間さかのぼつた日から当該輸出をする時までの間に、輸出抹消仮登録の申請をし、かつ、次項の規定による輸出抹消仮登録証明書の交付を受けなければならない。ただし、その自動車を一時的に輸出した後に本邦に再輸入することが見込まれる場合であつて輸出抹消仮登録を受けさせる必要性に乏しいものとして国土交通省令で定めるものに該当する場合には、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」
となっています。
つまりもしも登録自動車(一般的な4輪など)を国外へ持ち出す場合は、国内の登録を抹消するのが大原則なんですね。
ただ、それだと先のジュネーブ条約と矛盾してしまうため、「再輸入見込み」として登録抹消せずに持出しができる という解釈なのかなと考えています。
これに対しバイクはどうかというと、
同じく道路運送車両法の69条2の3にこうあります。
検査対象軽自動車又は二輪の小型自動車の所有者は、その自動車を輸出しようとするときは、当該輸出の予定日から国土交通省令で定める期間さかのぼつた日から当該輸出をする時までの間に、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣にその旨の届出をし、かつ、次項の規定による輸出予定届出証明書の交付を受けなければならない。ただし、その自動車を一時的に輸出した後に本邦に再輸入することが見込まれる場合であつて当該届出をさせる必要性に乏しいものとして国土交通省令で定めるものに該当する場合には、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」
ほとんど15条の2と一緒ですが、登録抹消の記載は当然ありません。
つまり、国外持出しがバイクなのであれば法律的にも登録抹消や検査証返納は不要ということがわかります。

69条2の3 の条文にある「国土交通省で定めるものに該当する場合には~」とは何なのかについても言及すると、これは道路運送車両法 施行規則40条の8に以下の記載があります。
「法第六十九条の二第三項ただし書の輸出に係る届出をさせる必要性に乏しいものとして国土交通省令で定める自動車は、検査対象軽自動車のうち本邦と外国との間を往来する自動車であつて、次に掲げるものとする。
一 貨物の運送の用に供するもの
二 本邦と外国との間を往来する者の乗用に供するもの」

以上の事をまとめると、
「本邦と外国との間を往来する管理人の乗用に供する」検査対象軽自動車としてのテネレ700を再輸入見込みとして国内登録を維持したまま国外へ輸出する。
という事になります。
また、これが登録証書を発行する前提でもあるわけです。

条文に沿えなかった場合の事に関して

先述の解釈のもとバイクを輸出するとなった際に勘案することがいくつかでてきます。

●国土交通省大臣への申告は本当に必要?
➡条文では再輸入見込みとして登録抹消無しで輸出するとしても、あらかじめその旨を国交省大臣へ届出しろとあります。これは、実際の税関現場において「この車両は登録抹消されてないけど輸出申告を受け付けてOKよ」と担当者が理解するためのものと解釈できますが、
実際に横浜税関に問い合わせたところ、その必要はない との事でした。
4輪を輸出抹消仮登録した場合は輸出抹消仮登録証明書や自動車検査証返納証明書の提出が税関にて求められますが、バイクの場合は先の通り「ただのでかい荷物」としての意味合いが強いようです。ただしこの辺はけっこうファジーで、他の税関では国交省からナンバープレートと車体番号の連絡を受けて現場で照合するとの回答を得たケースもあり、はっきりいって統一感がありません。
管理人はもしも海上混載輸送となった場合横浜港からの輸送になるため、ここは横浜税関相談官の事を信用しようと思います。
確かに、輸送される際は既にクレート(木箱)に梱包されており、ナンバープレートや車体番号の確認は不可能なわけで、それを担保する書類はそれ以前に作成するわけですから横浜税関相談官の言っていることが正しいと思います。

●国外で持ち帰りができなくなった場合
➡「再輸入」を前提として国外へ持ち出すわけですから、もしそれができなかった場合になにかしらのペナルティがあるのか というのが気になるところです。
これに関して陸運局に問い合わせたところ、特段のペナルティはないとのことでした。
このケースにおいては
ナンバープレート(あれば)の返納
車検証の返納
事由書の記載
を帰国後に行い、車両が無い状態で抹消登録が可能です。
あくまで再輸入見込みとなっているのは、法規上でもあらゆる可能性を見越してということでしょうか。

●車検および登録証書の有効期限超過について
➡登録証書の有効期限は1年です。したがって、登録証書を発行する際に提出する車検証の残余期間は1年以上でなければなりませんが、
いずれにせよ国外でこれらの失効日を迎えた場合のペナルティに関しても聞いてみました。
これも同様に特段のペナルティは無い との回答を得ましたが、実際に運輸支局窓口で手続きを行った際の担当者は登録証書の期限が切れてその車両を国外で乗っていた場合何かしらの税金が発生するというような事を言っていましたが、語調からして明確な根拠があるようには思えませんでした。
オフィシャルに問題がない とは言えないけど、実際には問題ない というのが正直なところかと思います。
国内からのペナルティよりも、国外の警察に止められた時のほうがやっかいでしょう。これに関しては あらゆる手段をつかって❝がんばる❞ しかないですね笑
※カルネのペナルティはまた別問題です。

実際の手続き

さて、長々と駄文を書いてきましたが 実際の手続きの流れをみていこうと思います。

①車検の残余期間と所有者を確認

登録証書の発行に必要な書類は

・車検証原本
・パスポート
・自賠責証明書
・登録証書申請書

の4点です。申請書は窓口で記載します。
パスポートに関しては有効期限を確認し、1年をきっていれば延長が可能なので、延長手続きをしておきましょう。
➡【パスポートの有効期限を延長】

車検証で確認すべき項目は失効期限と所有者です。
管理人の場合、失効まではまだ1年以上の残余がありました。もしこれが1年をきっていたら、改めて車検を受けなおし延長しなければなりません。
もし1年以上あったとしても、車検を延長する意義はあるのですが、管理人の場合キャニスターはずしてるわビッグタンク化してるわで、車検を通すためにやらなければならない作業がめんどすぎてもういいや となりました。もし延長したとしても、どうせ国外での国内車検失効はまぬがれないでしょうし。

もうひとつ注意しなければならないのが所有者です。
車両をローンで購入した場合は、車検証の所有者はディーラー名義になります。
(これはローン会社の意向として、所有権留保することで転売を防ぎ、万が一不払いがあった際には担保物件とする書面上の抑制が故みたいです。)
まずはこれを自分名義にします。
※所有者がディーラーのままでも使用承諾書の発行により登録証書の取得は可能です。ただし、所有者が自分ではないという気持ち的なものと、もしも国外で車検証の所有者について聞かれた際(そんなことないと思いますが)、説明が面倒なので 自分名義にしておくのが無難です。

所有権を解除するためには、まずローン会社に連絡し、完済証明書を発行してもらいます。
※河野大臣によるはんこ撤廃運動(?)により実際にはローン中であっても所有権解除はできるみたいですが・・・

次に、

完済証明書
車検証原本

をもって現所有者のディーラーへ提出すると、譲渡証明書を発行してくれます。

②所有権解除手続き

譲渡証明書が手に入ったら、所有権変更のため管轄の運輸支局へ行きます。

所有権変更に必要なのは

・車検証原本
・譲渡証明書
・申請書
・手数料納付書

です。
申請書と手数料納付書は窓口にて記載します。

これにて、車検証の所有者が自分の名義となりました。

③登録証書の発行

・車検証原本
・パスポート
・自賠責証明書
・登録証書申請書

がそろったので、これを同じく運輸支局窓口にて提出し、登録証書を申請します。

登録証書交付申請書はこのような書式で、渡航期間はとりあえず1年としておきます。
また渡航先に記載可能なのは、先述のジュネーブ条約締約国のみです。
(渡航期間にしろ、渡航国にしろ この申請書を厳守することはできませんね。)

登録証書が発行されました。
カルネの申告に必要なのと、現住所をいつまで保持するか不明な状態なので、とりあえずこの時期に発行しましたが、
有効期限は「発行から」1年のため、場合によっては4~5月頃に再交付してもらうかもしれません。
発行手数料は無料です。

まとめ

自家用車を国外へ持ち出すことの法的な解釈から登録証書の意味合い、実際の発行てつづきをみてみました。
いろいろとゴタクを並べましたが、これから自分の車やバイクで海外を走りたい! と考えている方の参考になれば幸いです。

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