【テネレ700 魔改造】サファリのビッグタンク化で無補給航続距離を伸ばす

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

今回はテネレいじりの概ね終盤にあたる作業をレポートします。
「ビッグタンク化」
これです。

テネレ700の純正タンクは公表値で16リットル。
燃費はというと、さして良くない。
田舎道で荷物も積んでなければ23km/ℓ~ くらいの数字はでますが、数十キロの荷物を積んだ状態で、街によってはストップ&ゴーの多い条件だと軽く20km/ℓを切り、実測ではおそらく18km/ℓくらいになることもあるかと思います。となるとまぁせいぜい300kmくらいの走行でガス欠を心配しなければならないスペックとみてよいでしょう。

ロングツーリングにおけるガソリンの補給条件に関しては、いろいろな意見があると思います。
ここまでインフラが行き届いた世界で、ガソリンの補給に困ることはほとんどない というのも事実だと思います(一部例外あり)。
ただ、間違いなく正しいのは、
無補給航続距離が長いに越したことはない
ということ。それに際する代償が重量であったり、車検に通らなかったり といった事は置いといて という文脈においてではありますが、
ガス欠を心配せずに走れるというのは、とても大切なことなのです。

Safari Tank Big Tank for T7

そんなニーズは、世界中のT7ユーザーにも一部あるようで、
ビッグタンクメーカーの Safari Tanks からテネレ700のビッグタンクが販売されました。

これがサファリタンクのt7用ビッグタンク。容量は25リットル。
色は最初白・黒・透明の3パターンでしたが、最近青が加わったようです。

ちなみに、ACERBIS からもテネレ700用のビッグタンクがラインナップされていますが、より純正に近い形態で色は黒のみ。
容量は23リットルです。

純正とサファリ・ビッグタンクを比較してみます。

かなりのガンダム感がありますが、

実はサファリ・ビッグタンクの方がだいぶ軽いです。
材質は明記ないのですが、おそらくポリエチレンの一塊成型的な感じでしょうか。

➡Safari より ポリエチレンです との連絡をいただきました。

 

手作り感が半端なく、ラインの鉛筆書きとか残ってます笑 これがオーストラリアン・クラフトマンシップってやつか。
ちゃんと取り付けられるかやや不安になりますが、どうでしょうか。

取り付け

リンク先HPに公式の Installation Instruction がいつの間にかUPされてますが(管理人が取り付けする際は何もなかった)、情報量が少ないので、以下 管理人が取り付けた際の様子を共有しようと思います。
あまりニーズはなさそうですが、日本でテネレ700のビッグタンク化を目論む変質者がいたら、お役に立つかと思います。

タンク側の作業

先に、タンク側の諸々の作業です。

まずはタンクを外します。
タンクの外し方については ➡【テネレ700 スパークプラグ交換】 を参照してください。
タンク後方のマウンティングブラケットは流用します。

なお、タンク内にガソリンが残っている場合は別途移しておきましょう。
後でヒューエルポンプを外すため、これは必須です。

タンク前方側のマウンティングブラケットも流用するので、

タンクから外しておきます。

後方のマウンティングブラケットを

ビッグタンク後方に装着。

前方のマウンティングブラケットも装着します。

次いで、フューエルポンプを移設します。

これが純正タンク裏面観。
白いのがフューエルポンプで、4か所のボルトで固定されています。

純正のリテイナーを外すと、

フューエルポンプが引き抜けます。
フロートが引っかかるので、丁寧に取り外します。

次に、ビッグタンク側のリテイナーを用意します。

これがタンクに同梱のフューエルポンプ・リテイナー。
専用のボルトと一緒についていきます。

このリテイナー、アルミの削りだしのようですが、やはり手作り感がまじ半端ない!
全部で6か所のボルトオン部があるのですが、タンク側の雌ネジ穴とピッタリ一致する部分が1か所しかありませんでした。
なのでピッタリ合う位置を印つけておきます。

フューエルホースが接続されるカプラ部分がタンク後方を向くように位置付けて、ビッグタンクにフューエルポンプを挿入します。

そうしたら、先ほどの位置決め通り、専用のリテイナーを使ってフューエルポンプを固定します。

これでビッグタンク側は準備OKです。

車体側作業

次に、タンクを外した車体側の作業です。

これは本当に必要だったかよくわからないのですが、
ビッグタンク装着前に試適をしたところ、ウィンカーカプラ固定用のこの突起が邪魔でつっかえてしまうため、

この突起部分をすべて削り落とし

フラットにしました。

➡これに関し、Sarari より回答をいただきました。
Safari Tanks response:
It should not be necessary to remove the ‘protrusion for fixing the blinker’ when you install the tank if the installer follows our instruction.


Install the Safari tank onto the motorcycle by angling the tank from the righthand side of the motorcycle and raising the back of the tank to allow it to fit pass the posts on the plastic fairing tower.

削り落とさなくてもよかったようですが、まぁドンマイドンマイ 後の祭りやね。

また、ウィンカーカプラは、後でサイドパネルと接続しますが、ビッグタンクが装着されるとだいぶラインが変わるため、個別にフリーにしておきます。

あとは車体前方サイド部分に、ビッグタンクのサイドががっつり装着されることになるので、この辺の配線を一度フリーにして、
誤って巻き込んだりしないように注意する必要があると思います。

車体側の準備はこんなもんでしょうか。

タンク取り付け

そしたら、いよいよタンクを車体に取り付けていきます。

フューエルポンプカプラを接続し、

フューエルホースをしっかりとロックします。
※キャニスターへつづくブローホースはビッグタンクの場合考慮されていません。
タンクキャップから直接ブローホースが伸びるため、必要であればこれをキャニスター上流側のホースと接続してください。
管理人はキャニスターおよびロールオーバーバルブは全て除去し、インジェクターへつづくホースは封鎖しています。

慎重にタンクを所定の位置に設定していきます。
この際に、サイドの突出した部分が配線系を巻き込まないよう気を付けます。

前方のマウンティングブラケットが、しっかりと嵌っている事を確認し、

後方のマウンティングブラケットを固定します。
これで、タンクの取り付け自体は完了です。

あとはパネル類を戻しますが、この指さしている場所はボルト無しになります。

また、サイドパネルの一部が引っかかるため、削合して干渉しないようにします。

ここも、ボルトは無しです(クリップだったかな)。

メインのサイドパネルのここもクリップは無しです。

最後にウィンカーカプラを裏側で再接続し、フロントフォークなどに干渉しないようタイラップでパネル内面に固定します。

無事、ビッグタンクが装着されました。

ビッグタンク外観

ビッグタンクが装着されたテネレを眺めてみます。

たくましくなりましたね。
スーパーテネレと間違われそうな雰囲気です。
Neo-Super Tenere 700 とでも命名しましょう。

 

ななめ後方から。

後上方から。

タンク上方から。
左右への張り出しはけっこう強いです。
もちろん、ハンドル幅を逸脱するようなことはありません。

+アルファの処置

燃料フィルタ

これはビッグタンク化と直接関係ありませんが、海外、特にアフリカで質の悪いガソリンを給油するときの事を見越して

Guglatech 製のフィルタを常備します。

ググラテックからは多くのフィルタがラインナップされていますので、各々のタンクに適合するものをチョイスして、給油口に常設するか、
すぐに取り出せる場所に入れておくかするのがよいでしょう。

ロック式タンクキャップ

ビッグタンクの大きな問題として、このフューエルキャップがあります。
純正キャップのように施錠できないため、海外のキチガイ野郎が中に水をいれようとすればできちゃうような構造です。

そこで、Acerbis からのロックタンクキャップ。

これは施錠するとキャップが空転する仕組みで、しかもベントウェイも確保されているため、施錠と大気ブローを一石二鳥にこなしてくれる便利アイテムなのです。

タンクの鍵をメインキーとは別に管理しなければならないのは確かに億劫ですが、まぁこれは仕方ない。
実際にはこの上にタンクバッグが置かれるので、セキュリティ的には純正状態と変わりなく といっていいと思います。

まとめ

正直準備を始めたころは旅の相棒のビッグタンク化なんてするつもりは毛頭なかったのですが、
実際テネレでロングツーリングをするうちに、こりゃ航続距離ちょっと考えもんだぞ・・・と思い始めました。

予備のGAS BAG を持ち歩けば、確かに航続距離は伸びますが、それを加味してもビッグタンク化の恩恵はかなり大きいと感じています。
ガスバッグの容量は約10リットル強ですが、トップケース内への収納を考えて、また熱によるバッグの膨張を考慮するとせいぜい携行できるのは5~6リットルくらいかなと考えています。
そうするとガソリンの総容量は [ビッグタンク25ℓ + ガスバッグ6リットル]。
海外での走行条件は都市部を除いてストップ&ゴーは少ないでしょうから、20km/ℓ程度の燃費(荷物も考慮して)にはなるとして、
単純計算 約620km程度の無補給航続距離を確保できるということになります。
ちょっと無理をしてガスバッグを満タンにすれば、さらに5ℓ分増しで、720km・・・・!!

本当にそんなに走れるかはやや疑問ですし、ほとんどの道ではその間に何か所もガソリンスタンドがあることでしょう。
ただ、東ロシアの一部地域やオーストラリアでは800kmを超す無補給区間があるのも事実です。
不要であればガスバッグは丸めておけばいいし、なによりこのサファリ・ビッグタンクは純正よりだいぶ軽いのです。
ビッグタンク化で車体重量が著しく重くなってしまうのであれば考え物ですが、むしろ軽量化できて容量も増やせるのであれば、やっておいて損はないでしょう。

以上、テネレ700のビッグタンク化でした。

関連記事
【Giant Loop Gas Bag で予備のガソリンを常備】
【Camel ADV スキッドプレートの装着】