こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。
走行距離が10,000kmを越え、また 出発予定まで1年前後といった時期になってきたので、
出発直前の消耗部品交換までのことも考え、テネレの前後タイヤ交換を行いました。
テネレ700の純正タイヤは PIRELLI の Scorpion Rally STR 。
以前より、界隈では「ビードが鬼硬くて出先で落とすのは不可能」との声がささやかれていました。
バイク整備初心者の管理人にはハードルが高いため、今回は家の近くにある 風魔+1 店主の協力の下、交換作業を行いました。
風魔+1 様、ありがとうございました!
タイヤの候補
さて、今回タイヤ交換を行う目的は、勿論純粋に消耗したタイヤを交換するというのもあるわけですが、
なにより自分としては 「野外でのパンク修理(チューブ)を練習しておきたい」 というのがあります。
カザフスタンの荒野でいきなり実践ってのもなかなかオツですが、そこまで頭のネジ緩んではいないので、必要工具の選別も兼ねて、やっておきたいというわけです。
ただ、純正タイヤのままだとそもそも練習することすらできないので、ある程度野外で実践練習のできそうなものに交換しておきたい ということです。
というわけで、交換するタイヤの条件としては、
・チューブ仕様で、ビードが落としやすい
・サイズは F:90/90 21 R:150/70 18
といった感じでしょうか。
ただ、「ビードが落としやすい」とはいっても、それはリムの影響も多分に受けるわけなので、結局これは交換後に自分でやってみないと分からない・・・。
それにもしもすごくビードが落とし易かったら、それはパンクした際に自走域が狭いことも意味するわけで、ここにもトレードオフの関係が成り立ちます。
そもそも150/70 サイズのオフロードタイヤでTT仕様て、、、あるの?
その辺から分かってないのだが、、、
ネット上でテネラー勢が交換しているのを見ると、一番人気は MICHELIN の ANAKEE WILD だろうか?
おそらく前後ともTT/TL兼用?
次いで DUNLOP の D908RR 。
HP的には公道はしっちゃだめってなってるけど、みんな普通に履いてるような、違うやつなのかな、わからん。
リアもWT仕様の表記だけど、リアルにチューブ仕様なのか、チューブレススペックだけどチューブと使ってねって意味なのか、わからん。
あとはシンコー の E705 が、安くていいとの評判です。
件のサイズだと、前後ともTL仕様かな・・・?
そして今回最終的に選んだ MOTOZ の Tractionator シリーズ。
SNS上では頻出で、ロングライフ性にも評判があるみたいです。
トラクショネーター・シリーズはON/OFFの割合にていくつかのラインナップがあり、OFF85%にもなると下のようなデザートというモデルになるようです。
MOTOZ Tractionator Adventure
そして最終的に選んだのが、
MOTOZ の Tractionator Adventure です。
ON/OFF : 25% / 75% というかなりオフ寄りのタイヤです。
うぉーーー、かっこいい。
実際には普段ON 98% なんですが、、、、 それは通勤が故、仕方のないことよ、許してくれ。ダート行くよ、絶対。
リアをスコーピオンラリーと比べるとこんな感じで、パターンの配置は似ているように見えて、迫力は圧倒的にブロッキー。
フロントの比較はこんな感じ。
交換作業
交換作業は、リアを店主にやっていただき、それを見て勉強しつつ、フロントをぼくが行いました。
え?リアができなきゃ意味ない?
まぁまぁ、ものごとにはステップってもんが・・・・
まずはバルブからコアを抜いて空気を抜きます。
まずはタイヤレバーだけでチャレンジ、なんてことはせず、いきなりビードブレーカー登場。
ブレーカーで抑えただけではビクとも落ちず、
ブレーカーのレバーを脚で抑えつつ、両手でタイヤレバーを操作してビードを落としていきますが・・・・
幾多のタイヤ交換を行ってきたであろう店主をして「ちょっとやっかいな部類ですね・・・苦笑」と言わしめる硬さ。
少なくとも出先でタイヤレバーだけで落とすのは無理だと思います、とのことでした。
苦戦の後、ようやくビードが落ち、
片側のビードが落ちていきます。
普通であれば一か所落ちるとあとは手とか足でいけるみたいなんですが、スコーピオンラリーはブレーカーで数か所を落とさないと手では落ちていきませんでした。
特別にハンプが高いわけでもなさそうですが・・・
そうしたら、反対側もビードを落としていきます。
反対側もやはり硬いです。
両側のビードが全周にわたって落ちたら、ディスクローター側のビードをリムの外側におこしていきます。
チューブを嚙みづらいため、バルブの位置からやるのがよく、まず最初のタイヤレバーはディスクローターに引っ掛けちゃうと以後の操作がやりやすいです。
(白いプラスチックのようなのはリムプロテクター)
徐々にビードをめくっていきます。
序盤、硬いので、その時は無理せず反対側のビードをビードポケットにしっかり落としながらやると、作業側に余裕がでてめくりやすくなります。
全周めくれました。
そうしたら、チューブを中から引っ張り出します。
純正はピレリのチューブがはいってました。今回はダンロップの国産チューブに交換します。
今回はタイヤを交換するので、このままリムからタイヤを外します。
これもかなり硬いですが、1か所タイヤレバーを使って乗り越えさせたら、プラハンでぶっ叩きながら残りのビードをリム外側へ押し出していきます。
両側ビードをリムの外にめくって、完全にリムをタイヤの中にいれちゃう方法もありますね。
タイヤが外れました。内面の汚れなど、よく拭き取っておきます。
新しいタイヤのビード全周にわたってビードクリームをたっぷり塗っておきます。
最初、片側のビードをリムのなかに入れていきます。
進行方向と左右に注意。
この後の作業を、ディスクローターを上にして行いたいので、先に左側(スプロケ側)のビードを入れるのがいいのかな?
パンク修理ではここからの作業になると思います。
今回写真を撮り損ねましたが、チューブを入れる際は絶対バルブガイドあった方がいいと思います。
まずはバルブガイドでバルブを通し、チューブをしっかりビードポケットの中にいれていきます。
チューブの外周部ではなく、内周部をいれていくのがポイントです。
チューブが入りました。
チューブが入ったら、反対側のビードを入れていく前に少しだけ空気いれて馴染ませると噛み込み防止にもなります。
今回は軽点がないっぽいので、おそらくどの位置でもいいのでは とのことでした。
嵌める時は、バルブの反対側からビードをはめていくのが一般的なような気がします。
最初にビードをめくった時とおなじように、硬いと感じたら、バルブ側のビードを両側しっかりとビードポケットにいれながら作業します。
最後バルブの部分を入れる際は、噛まないようにバルブを押しながらはめこむのがポイントです。
全周はまったら、エアを入れてビードをハンプにのっけます。最初はかなり多めに入れて、車体に取り付けた後に減圧して調整するのがポイントとのこと。
タイヤによって様々だと思いますが、全周に渡ってビード上のラインがリム外周に出ていることで、ビードがしっかり乗ったかどうかを確認します。
おつかれさまでした~。
装着。
この後、ひーひー言いながら管理人がフロントのタイヤを交換しました。
フロントのホイール脱着などに関しては、また別記事で紹介できればと思います。
ちなみに、フロントはビードブレーカーを使わずに簡単にタイヤレバーだけでビード落ちます。
問題はリアですねぇ~・・・。
まとめ
トラクショネーター・アドベンチャー、
かっこいいです。
せっかくかっこいいタイヤ履いたので、積極的にダート行こうと思っています、荷物積んで。
今回はあくまで消耗品交換という事でいつもより詳細に欠ける記事になりましたが、
近いうちにパンク修理を想定したものを作る予定です、リアのビードが落ちれば・・・ですが。
もしこの記事をみて、
「いや、あのタイヤ履かせりゃいいじゃん」とか、
「こういう方法の方がいいんじゃない?」とかあれば、是非こっそり教えてください。
こっそりじゃなくても、コメントで教えてください。
ただ、冒頭でも述べた通り、ビードの硬さと、パンク時にどれくらい粘れるかはトレードオフの関係です。
どっちが大事なのかという話ですが、うまくバランスのとれたタイヤがあるといいな、ということですね。
とはいえ、出発後もどこかでタイヤは交換することになるでしょうし、現段階であんまりタイヤの如何に拘ってもしゃーないといえばしゃーない。
そもそもそんなにパンクなんてするもんじゃねーよと言ってしまえば身も蓋もない。
ですが、色々とあーだこーだ考えて悩んでいじって失敗してを今のうちに繰り返しておくと、いずれ何かの役に立つはずです。
治療も同じですから。
余談ですが、タイヤ交換後の乗り味については、ブロッキーなのに驚くほどONも快調です。
適性空気圧のまま減圧せずとも跳ねる感じもありませんし、ただサイドのブロックパターンが違うせいか、舗装路でのコーナリングで、リアの挙動に慣れずちょっと怖いです・・・笑 まぁまだ皮むきもできていないので、参考になりませんが。
しかしタイヤが変わって一番感じるのは、トルク感の向上でしょうか。
特に1~2速での低速からの加速感が、納車時のそれに蘇った感じです。いかに唯一の接地部品が走行感覚に与える影響が大きいか、改めて実感しました。