こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。
新型テネレのモディファイ項目もそれなりに増えてきましたが、今回はちょっと細かい改修をレポートします。
これはパーツリストのクラッチ周辺図ですが、この中で18番で示されているプッシュレバー、これを交換します。
なんでこれを交換するかといいますと、クラッチレバーの引きを軽くするためです。
なんでクラッチレバーの引きを軽くしたいか、といいますと、もちろん渋滞ノロノロ走行時に左手がパンパンになるのを防ぐというのもありますが、
この写真みたいなところに入っていき、Uターンしたくなった時、「アクセルターン」をしやすくしたい というのが主たる目的です。
じゃあお前はアクセルターンできるのかと言われると、まぁできるように頑張ってるとだけ言っておくので察してやってください(しかも勿論車体から降りてやるバージョンです)。
アクセルターン時、クラッチを急激に繋ぎますが、この時はなるべく1本指での操作が望ましいです。
・2本指よりも1本指のほうが急激ににレバーをリリースできる。
が理由です。
しかし、純正のクラッチレバーで1本指は、重くてけっこうしんどい。
➡というわけで、 camel adv の1 finger clutch kit を装着することにしました。
プッシュレバーの取り外し
こちらが純正状態のプッシュレバー周辺。
作業しやすいよう、ヒートガードは外しておきます。
プッシュレバーを外していきますが、ここはこのようなスナップリングで留まってるだけです。
外す前に、シャフト軸にプッシュレバーとおおむね平行なラインを引いておくと、後で調整の際に目安となります。
スナップリングを外すと、
下のワッシャがとれます。
ちなみにこのスナップリングとワッシャは紛失しそうだなぁと思うので、一応予備パーツとしていくつかストックしておこうと思います。
プッシュレバーが引き抜けました。
インナーワイヤーのタイコ部分は爪で抑え込まれているので、爪をおこして引き抜きます。
これでプッシュレバーアッセンブリが外せました。
こちらが外れたクラッチ側で、リターンスプリングと軸本体が確認できます。
ついでにクラッチワイヤーに注油
せっかくなので、クラッチケーブルに注油しておきましょう。
レバーからもインナーワイヤを取り外します。
アウターとインナーの間への注油はやっぱりこれ、ワイヤインジェクター。
いつぞや、どこかのアストロで買ったやつが工具箱に入ってました。
ワイヤインジェクターの使い方は今回は割愛するとして、こんな感じで注油してやると、
反対側から汚れたオイルが滴ってきます。
クラッチケーブルの取り回しがやや鋭角になっていたため、今回はヘプコのハンドルガードにタイラップで固定し、
レバーへの進入角を極力フラットにしました。
この段階では、レバーのアジャストは一番緩めておきます。
ケーブルガイドの取り外し
注油が済んだら、純正のケーブルガイドも外していきます。
まずはアジャストナットを外し、
クラッチケーブルを外します。
あとはフィックスボルト2本を緩めて、ガイドが外れました。
Camel ADV 1 finger clutch kit の取り付け
さて、いよいよ1フィンガークラッチキットを取り付けていきます。
キット内容はこんな感じ。
プッシュレバー、ケーブルガイド 他スモールパーツ。
アームはビレット加工の6061アルミニウム。
他は主にステンレス製。
※YAMAHA純正のクラッシュバーとの互換性がありません。
まずはケーブルガイドを取り付けます。
1フィンガークラッチキットのケーブルガイドは、このようにアウター挿入部が調整可能で、ケーブルの進入角を変えられるようになっているのが大きな特徴です。
フィックスボルトは使いまわしで、装着します。
次にアームを取り付けていきます。
アームの穴にリターンスプリングを咬みこませますが、これは最後ワイヤーを張る直前のほうが作業はしやすいです。
※実は このリターンスプリングは無くても問題ない上に、無い方がさらにレバーの引きが軽くなります。
一応公式インストラクション通りでは流用しますが、実使用上は外してしまってもよいかもしれません。
ただしワイヤーテンションがたるんだり、フリクションが強くなってそれらの総和がクラッチスプリングの復元力を上回ると、
アームが復位しなくなる可能性があるため要注意です。
※オフィシャルでは純正のリターンスプリングを流用することになっていますが、実際はキャメルのアームに空いている穴と位置が合いません。
管理人はキャメルのアームに適合するスプリングを別で製作し、ピッタリと合うように調整しています。
➡【Camel ADV 1 Finger Clutch Arm に適合するトーションスプリングを製作】
さて、ここからがなかなかホイホイとはいきません。
1フィンガークラッチキットのアームには3つのワイヤー固定位置が設けられています。
これのどこを使うかによって、アームを固定するべき位置も少し変わります。
今回はせっかくだから一番軽くなる一番端っこの穴を利用するとしましょう。
すると、純正にくらべアーム長は長くなります。
もしも最初に付けた印のまま、上の写真の位置でアームを固定すると、ケーブルとアームの距離が長くなり、
「常にプッシュレバーが引かれた状態」になってしまいます。
つまり、クラッチレバーを離してもクラッチが繋がらない状態です。
従いまして、セットの際は最初につけた印よりも時計回り方向にアームをずらして装着することになります。
ここにはスプライン構造の溝が切ってあるため、ほんの10°くらい刻みで角度を変えられますが、おそらく個体差もあるので少し調整してはワイヤーを張って、エンジンかけて、クラッチの繋がり具合を確認して~ダメだったらまた角度を変えて~ とやってみるしかないと思います。
ちょうどよい位置でアームの差し込み角が決まったら、あとはレバーとガイドのアジャストボルトで引きの微調整をします。
ちなみに、あまり時計方向にし過ぎると、今度はクラッチをきることができない=レバー握って1速に入れるとエンストする 状態になりますね。
プッシュレバーは、ワッシャーとスナップリングを使って決めた位置で固定します。
スナップリングはキットにも付属していますが、どっちを使ってもいいと思います。
ケーブルガイドのアウター受け部分は、ワイヤー固定位置に準じて向きを調整しておきます。
ケーブルガイドにクラッチケーブルを通し、
ワイヤクレビスをクレビスピンを使って好みの位置に固定し、
タイコを引っ掛けてセットします。
そしたら付属の割りピンをつかって、
クレビスピンが抜けないようにロックします。
実際には、この作業を先にやってから、先ほどのアーム固定角度の調整をするほうがいいでしょう。
ワイヤー引きの微調整が納得いったら、ケーブルガイドのロックナットを締めます。
また、最後にアウター受け部分の角度をワイヤークレビスに向かって真っすぐに、再度調整します。
これで、1フィンガークラッチキットの装着、完了でございます。
しばらく走行するとワイヤーのたるみも出てきますから、サイドプッシュレバーの角度調整を行い、概ね定まった位置で改めて印をつけておきました。
アームには目印の溝を切って青いアクリル塗料を流しています。軸部分の印は消すことができるので、調整後は青印に合わせて印記しなおすのがいいかなと思います。
例の如く、Camel ADV より公式のインストール・インストラクション動画です↓↓↓
まとめ
作業自体はそんなに煩雑ではありませんし部品点数も少ないのですが、
プッシュレバーのセット角度の調整はそれなりにメンドイかもしれません。
肝心の引きの軽さはどうでしょう?
動画にもある通り、1番遠い位置にワイヤーを設定すると、レバーを一定量引くのに必要な力が37%も減るとの事です。
確かに、レバーの引きは実感して分かるほどに軽くなりましたし、左手の人差し指1本でもクラッチを切ることができます。
さぁ後はこれでアクセルターンを習得すれば、
Rough Stuff で行きどまってもサクッと方向転換できるぜぃ👍
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