【神話の島 隠岐を訪ねる】晩夏のロングツーリング Part.1 ~島根 宍道湖へ

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

9月のシルバーウィークに夏季休暇を重ね、ロングツーリングを敢行しています。
今回は島流しで有名な隠岐諸島を巡りたいと考えていますが、まずは本土からフェリーの出る島根を目指します。

~京都までは高速で

京都の園部ICまでは高速で移動。
今回もあまり詳細なルートは決めていませんが、京都の南丹に行ってみたい場所があったので、そこへ向かいます。

美山かやぶきの里 という観光地ですが、どんな感じなのか一度行ってみたいと思います。
今回行程をmap上で検索しつつ、管理人も初めて知った場所です。
美山への道中 のどかな田舎道を走っているところ。

途中、多治神社に立ち寄りました。
704~707年ごろ、天智天皇の皇子による建立とのこと。

境内に流れる水路と概観。

本殿の金具に、菊の16家紋が。
神社といえば、当然皇室とのかかわりがあるため、不思議ではありませんが、明確に菊紋が確認できるのはそこまで常時ではないようです。
これは、今回のツーリング後編でも多重にわたって紹介したいと思います。

と、そんなこんなで 美山かやぶきの里に到着しました。
ご覧のようにまるで戦前の集落に訪れたかのような風景ですが、かなり観光名所のようで 思ったよりもにぎわっています。
なんとか頑張ればバイクを乗り入れることもできそうでしたが、一応車両進入禁止だったので、徒歩で観光します。

かやぶき屋根も素晴らしいのですが、敷地内できれいに育てられた花たちがその魅力を一層ひきたてているようです。

それとは関係ないツユクサも、きれいきれい。

各かやぶき屋根の前面には家紋が配されていることが多いようですが、
右側の梅は加賀の前田氏のそれに酷似していませんか?

かやぶきの里には知井八幡神社があります。
やはり、700年代、元明天皇の頃 八つの頭をもつ巨鹿の退治の末、建立されたという伝説があるようです。

境内にて、アサギマダラが柱で翅を休めます。

この境内では菊紋は確認できませんでした。

この屋根を維持するのに、どれだけの労力がかかるのか、
戦後100万棟以上あったとされる茅葺の民家は、今では10分の1前後まで減少したと言われます。
少なくとも、少数ローカルな生活様式が安心安全な現代様式に駆逐されつつある今、決してサステナブルとはいえないものかもしれませんが、
茅場の管理~ススキなどのもつ性質など包括的なサイクルは、太古の生活様式にマッチしていたのでしょう。

美山~この日の野営地を目指して

さて、そんな余韻に浸るのもいいのですが、ここから島根までの行程は全く考えていませんでした。
日の傾き加減とgoogle map を照らし合わせ、適当にその場で目的地を決めます。

道中、
【諸車通行止 ❝2輪を除く❞】
ん、行けってこと?

これは28号線沿いの由良川にかかる「上原橋」という吊り橋のようで、
1954年頃の架設みたいです。結局、パニアが入口の柵に引っかかりそうだったので歩いて渡ってみました。

すっかり暗くなり、この日は兵庫県養父の某所にてテントを張らせていただきました。
グッナイ。

養父~宍道湖へ

翌朝、テントを干しつつ、

ギターなどを弾いてのんびりします。

この日は島根を目指します。翌日には七類港からフェリーに乗らなければいけないため、概ね近い場所まで行っておかなくてはなりません。

途中、因幡の白兎伝説に登場する白兎を祭る白兎神社に立ち寄ります。

参道を上ったところの鳥居には 参拝客の投げ積んだ小石が沢山のっています。

拝殿へ。
予想していたより遥に立派な注連縄!

こちらが本殿ですが、

その本殿を支える座石は菊座石とよばれ、よーーく見ると菊紋が彫られているのが分かります。
しかもこれは28花弁。
境内の説明には「建立に際し皇室の関与があったとされるが、詳細は不明。近郷含め全国でも稀」とのこと。

白兎神社の傍らに 白猫とな、、、はて。

しかし、因幡の白兎伝説とは、一体完全なる神話や伝説なのでしょうか?
隠岐から渡ってきたという白兎は本当はなにを指しているのでしょうか?
そしてその白兎を襲ったワニとは?
白兎を救った大国主命とは?
それぞれなにかしらの部族や集合体を例えていると考えれば ただの伝説とはいえないかもしれません。
だとしたら、海を渡って山陰のこの地におり立った人たちとは一体誰なんでしょうか?
そしてその後のクニユズリとは、誰が誰に対して行ったことなんでしょうか?

境内の生き物たち。
こちらはおそらくオオゴキブリの幼体。翅がなく、動きは我々が都会で目にするそれとは似ても似つかない緩慢さ。
ゴキブリと聞くだけで拒否反応を示す事なかれ、いや、管理人も家で見つけたらソッコウで殺しますが、このオオゴキブリは森林性で、朽木などを分解してくれる森の小さな管理者なのです。

ここでもツユクサはたくましく咲き、

ジョロウの張った巣が日光でキラキラと輝きます。

白兎海岸では元気なサーファー達が気持ちよさそうに波を待っています。

さて、白兎海岸から米子方面へと走りを進めます。

途中、風車が気になって農道に入ってみると、

これまた古そうな神社をたまたま発見。
塩津神社 とありましたが、調べても詳細不明です。

が、狛犬は大変古そうで、

拝殿もこじんまりながら立派です。

本殿はこのように伸び、

無名であることが惜しまれる彫刻。

そして境内には沢山のいきものを見つけることもできました。
体色がやや異なるけど、どちらもニホンアマガエル?

ホタルガ

ウラギンシジミ

カマキリの類。勇ましいファイティングポーズだ。
カマキリをみると、まだ暑いのに夏の終わりをおもう、不思議な感覚を覚えます。

こちらは、、、、ショウリョウバッタなのか、オンブバッタなのか、わかりますか?
ぼくは後者だと思うのですが。

都会ではあまり見る事がありませんが、アブラゼミが柱につかまったまま息絶えています。

こちらは、オオヒラタシデムシの幼虫。
これをみて気持ち悪い以外の感情が湧かないひとも多いとは思いますが、かれらシデムシなどの分解者が動物の死体などを土へ還すことで森林の健康が保たれるのです。
里山の森林が健康であることが、都会暮らしのぼくらにとっても大事であることは、もはや説明の必要もないほどに自明でしょう。

宍道湖に到着

米子、松江などを過ぎ、宍道湖周辺道路に到着しました。

諏訪湖や琵琶湖、冨士周辺湖での野営経験から、きっと宍道湖周辺にもいい場所があるに違いないと信じていましたが、実際宍道湖の南側はすぐ交通量の多い9号線となっており、なかなかよい場所をみつけられませんでしたが、なんとか日が沈む前に写真のような場所を確保します。

ちょいちょい自撮りしておく。

テントを張り、ギターを弾いたりして 夕日を待ちます。

昨日買ったリンゴと、

インスタントラーメン+ウィンナー で満足できる自分ありがとう。

ホムセン箱の蓋に珍しい形の来訪者、おそらくキンバネチビトリバというトリバガの一種だろうか。

きたきたー 西日にすべてが染まってく時間。
これから暗くなる前の、わずかな金色タイム。

宍道湖には夕日撮影スポットがもっと東側にあるのですが、ここはここでなかなかよいではないでしょうか。

気候は最高に気持ちよく、虫よけ対策をすれば虫刺されに悩まされることもなく、

だから調子こいてこういうことになり、

中秋の名月とちやほやされる準備をしている月をテントの中から眺めつつ、
それなりに疲れてたせいか、いつのまにか眠りにつくのでした。

➡【神話の島 隠岐を訪ねる】晩夏のロングツーリング Part.2 ~隠岐 中ノ島:海士町へ渡る

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