【バイクの話】エンジンブレーキとは何か ブリッピングは空ぶかしじゃない!

こんにちは、離婚・退職して世界1周を目指す歯科医ライダーの管理人です。

「エンジンブレーキ」という言葉は、普段車に乗っている人であれば耳にしたことがあるでしょう。
田舎の峠道などに行けば、下りに
「これより長い下り坂 エンジンブレーキ」
なんて看板 見たことないでしょうか?

https://minkara.carview.co.jp/userid/1850765/blog/35146430/ より

オートマの車に乗っているとエンジンブレーキを能動的に利用したり、感じることはあまりないので、多くの人がなんのこっちゃと思っているかと思います。

エンジン内への空気の流れ

エンジンブレーキを理解するためには、そもそものエンジンの構造を理解する必要がありますが、ここでは話を簡単にするため、エンジンの中に流入する空気の流れに単純化します。
皆さんが車に乗ってアクセルを右足で踏み込んだ時、あるいはバイクでアクセルを右手で回すとき、エンジンでは何がおきているでしょうか。
バイクでも、車でも、ガソリンエンジンはガソリンと空気の混合気(霧状のガソリンと空気が混ざったもの)をエンジンの中に送り込むことでそのサイクルが成り立っています。
アクセル とはまさにこの最初の段階を増加させる作業だと思ってください。
つまり、アクセルを回すと(踏み込むと)沢山の空気とガソリンがエンジンに供給され、それによってバイクが(車が)加速するということです。

上の図はエンジンのピストン・シリンダー・スロットルバルブの関係を超絶簡略化したものです。本当は、スロットルバルブは空気が流入するもっと上流の経路にありますが、話を単純にするためにこうしています。
流れとしては

ピストンが左側に進む
→シリンダーの中が負圧になる
→スロットルバルブの隙間から空気が流入する

といった感じです。
この時、アクセルを回す(踏み込む)ことで、スロットルバルブが大きく開き、沢山の空気が流入できるようになるということです。

 

沢山の空気が流入する
→沢山のガソリンを噴霧化し
→沢山の混合気がエンジン内に供給され
→大きな爆発力となり
→ピストンは激しく押され
→回転数が上がる
→加速する

ということです。

エンジンブレーキその①

この流れを踏まえて、エンジンブレーキを考えてみましょう。
エンジンブレーキには個人的に2つの種類があると解釈しています。
ひとつめは

アクセル OFF によるエンジンブレーキ

です。

いま、上の図のようにアクセルを回して(踏み込んで)いて。スロットルバルブが大きく開いている状態だとします。この時、沢山の空気(→からの混合気)がエンジンに供給され、エンジンはある回転数で回っているとします。
ここから、アクセルを元の位置に戻します(アクセル OFF)。

すると、スロットルバルブが閉じたことにより今までのように多量の空気がエンジン内に入っていけなくなります。

すると、ピストンは今まで通りに左へ行こうとするのに、右側では空気の供給が絶たれたことによりシリンダー内が負圧になります。
つまり、ピストンは左側に行って駆動系を回したいのに、シリンダー内の負圧がそれを逆側(右側)に引っ張って邪魔をするわけです。
これがアクセル OFF によるエンジンブレーキです。
いきなりアクセルを離した時、車がグッグッと減速するのは、これが正体というわけです。

エンジンブレーキその②

もうひとつのエンジンブレーキは

シフトダウンによるエンジンブレーキ

です。
これを理解するためには、各ギアにおいて適性なエンジンの回転数があるということを理解する必要があります。
【1次減速比と2次減速比の話】
↑この記事では、エンジンの回転数が後輪に伝わるまでの間に減速されていく過程を説明しました。
そして
【エンジンの回転数から仮想速度を計算する】
↑この記事では、エンジンの回転数と後輪の回転数、そして速度に関して触れました。
この2つの記事を踏まえて、
今、CBR400RRが6速 6,000rpm(1分間で6000回転) で走行しているとします。
この時、後輪の回転数は

6000rpm ÷ 2.1171次減速 ÷ 1.3186速での減速 ÷ 2.62次減速 = 約827 回転

となります。(各減速比は車体により決まっています↑の記事参照)
この時、ミッションを5速に落としたとしましょう。
当然、後輪の回転数はいきなり落ちないので、
「後輪が827回転で回るためには5速でエンジンは何回転する必要があるか?」
と逆算します。

rpm ÷ 2.1171次減速 ÷ 1.4345速での減速 ÷ 2.62次減速 = 約827 回転

より □=約6,527rpm となります。

そう、つまりエンジンの回転数が足りなくなるわけです。

後輪「こっちは827回転で回ってんだよ!!6500まで上げろや!!」
エンジン「いやいや いままで6000回転で回してたのにいきなりは無理だよ!!」

この両者の意見の相違が「シフトダウンによるエンジンブレーキ」の正体です。とはいえ、これも最終的にはシリンダー内に強力な負圧が生じることでピストンが思うように動けなくなるという意味で、エンジンブレーキその①と起きてる現象は同じです。

ブリッピング

みなさんが町を歩いていて、あるいは彼氏彼女とデートしていて、交差点などの近くにいる時、

「ブォーン、ブォーーン、ブォーーーーン!!!」

とけたたましいエンジン音を響かせるバイクに出会ったことはありますか?
マニュアルの車やバイクに乗ったことがない人は

「なんだようるせーな❕」 「目立ちたいんか💢」

と思うことでしょう。
でも違うんです。
交差点で曲がる前や信号で停車する時は、特にMT(マニュアル)のバイクの場合シフトダウンしながら減速していきます。
この時、各シフトダウンでは上述のエンジンブレーキ②のような現象が起きるわけです。
エンジンブレーキは、車やバイクにとっては大きな負担となるため、この負担をなくすために
「回転数あわせ」
をしてあげる必要があります。つまり、先ほどの例でいえば、
6,527 - 6,000 = 527回転分だけエンジンの回転数を上げてやれば、後輪のお望みに沿えるわけです。
シフトダウンをすると同時にアクセルをほんの少しだけ煽り、エンジンの回転数を上げることで、シフトダウンの際のエンジンブレーキの衝撃を和らげるわけです。
これを ブリッピングシフトダウンとかいったりします。バイク乗りはこのような作業を日常的に行っているわけですね😊

なので、バイクが町で

「ブォーン、ブォーーン、ブォーーーーン!!」

といってたら、
「あー シフトダウンで回転数あわせてんだな」
と優しい目でみてやってください。

まとめ

さて、これで「エンジンブレーキ」のことが少し身近になったのではないでしょうか?
くれぐれも
「エンジンブレーキってどこに付いてるの??」
なんて恥ずかしいことを言わないように、
そして、ブリッピングしているマニュアル車を冷たい視線で見る友人がいたら、
それは違うんだよ と擁護してあげられるようにしよう!

↓参考動画 CBR400RRでのシフトアップ、ダウン
6速から5速→4速 そして4速から3速→2速 と
フォーーン フォーーーーン!!
といっているのがブリッピングです。

 

関連記事:【1次減速比・2次減速比とは?】
     【エンジンの回転数から仮想速度を計算しよう】