【Sultanate of Oman episode8】Muscat マスカットでの日々~その1 とりあえずブラつく編

こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。

オマーンの首都マスカットには8日間滞在しました。
その日々を振り返っていこうと思います。

オールドマスカット界隈 Mutrah:マトラとお昼休みのスーク

オールドマスカットというエリアがどういう定義なのかはよくわからないけど、大きな「マスカット行政区」の中で古くから存在するマトラ地区を中心とした市街は、上のような城壁を境に明確に区別されているような印象を受けた。

アラブ人初の帝国といわれるウマイヤ朝が生じるよりも更に昔より、マスカットはアラビア半島交易の要港として栄えてきた。

香辛料貿易に目をつけたポルトガルによってマスカットが制圧されたのが1500年代初頭。
それまでは前記事で訪れたソハールがインド洋に面したアラビア半島沿岸都市としては最も繁栄していたらしい。
ポルトガルの征服によってマスカット周辺の沿岸部が整備されることが、マスカットの近代発展化の足掛かりになったのかもしれない。

ヤアーリバ朝はポルトガルから沿岸都市奪還を掲げる勢力を源にしていて、首都はマスカットではなく、ブーサイード朝の治世になってからマスカットに遷都されている。それによってマスカットは更に発展を遂げ、帝国の分裂やイギリスの干渉など様々な時代のうねりを経て現在ではオマーンの首都であり最大の都市となった。

そんな古の記憶を留める一帯が “Old Muscat” と呼ばれるエリアなんだと思う。マスカット行政区内では東側に位置する。
インド洋を眺める海沿いにはMutrah: マトラと呼ばれる地区があり、海沿いのコルニッシュとスークがみどころになっている。

大型のディーゼル船と木造船など。

マトラ地区のモスク。

マトラの公衆電話。

海沿いのオジロゲリ。

スーク入口付近。
この時はちょうど午後3時くらい。だいたい13時~16時半くらいまでは多くの店が休憩で閉まってしまうので、

まるで薄暗いシャッター商店街のような様相。

そんな中店を開けていた彼が、熱心にいろいろ説明してくれた。

これがかの有名なFrankincense: 乳香だ。
ある種の木の樹液が固まったもので、東方三博士の贈り物の中のひとつであり、シルクロード貿易においてもアラビア海交易においても重要な品だった。

ひとつ食ってみろというので食ってみたけど、味なしパサパサガムという感じでまずい。
アラブ地域では乳香をガムがわりに噛む習慣があるらしいけど、多くはこのように焚いて香としたり、香水の原料になったりしている。

スークの天井部分はこんなような木組みでアーケードとなっているので、暑い日中でも見て回って苦がない。
が、さすがに違う時間帯に出直そう。

 

オールドマスカットのエリアには国立博物館と、国税局・その奥に財務省・そして国王がマスカット滞在中にステイするアラム宮殿などが一か所に集まっている。他のほとんどの省庁はマスカット行政区の西側に集中しているのだけど、財務省だけはここなんだと。

アラム宮殿。

宮殿への歩道脇の回廊。

1972年の建造で、近代イスラム建築のマスターピースとも。
国王が滞在している時は国旗が掲げられるらしいので、この時は不在だったのかな。

アラム宮殿奥には政府関係機関が並ぶ。
この奥の路地で、野良犬10頭くらいに追いかけられた。

幸いか不幸か、マスカットに着いてからはずっとどんよりした曇り。
デジタルカメラはどんな高性能機であってもダイナミックレンジが狭いのが弱点で、曇っていると白い被写体は背景に溶け込んでコントラストが出ない。
いかに肉眼が優れた結像機能をもっているか身に染みる瞬間。

アラム宮殿のちょうど裏側にまわると、そこには Al Mirani Fort がある。

巨大な岩盤の上に立つこのフォートと、

そこから東側に見ることのできる Al Jalali Fort はいずれもポルトガル占領以前からマスカットに存在する砦という。

また西側にも Fort らしきがあったけど、地図上ではなんだか?
マスカットにはこの他にも Mutrah Fort など、沢山のFortを確認できるけど、いずれも一般観光客の入場はできない(たぶん)。

アラム宮殿の裏側と、

真っ赤な高射砲&政府関係機関。

オールドマスカットにある Mathaib Gate.

曇りの日ダイナミックレンジ問題で、写真が全体的に白飛びしてしまうのだけど、これが観光本などには出ない市街地の実際。
正直なところ、スペインのミハスのような街をイメージしていたので それとは大きく異なる印象ではあった。

比較的綺麗に整備されたところから、そうではないところまで、区画によって雰囲気が違うものの、全体的に白で統一された街並みとなっていた。

銀行集中エリアで中央銀行を

マトラ地区よりやや南、やはりマスカット行政区の中で古い地区のひとつであるRUWIという区域の界隈に、銀行が集中したエリアがある。

せっかくなので(何のせっかく なのか自分でもわからんけど)、オマーンの中央銀行と写真を撮った。

立派な正面門。

日本でいえば日銀だね。
ここで、OMRが刷られている  んだろうか?

Bank Melli Iran がどんな銀行なのかは全く存じませんが、

門構えの意匠がまさにイラニックだった。

RUWI 地区の中心に立つ時計台。

スーク・アゲイン

とある別の日、マトラ・スークに出直した。

スーク入口の壁画(?)
ダウ船が行きかう港と、そこにそびえる岩崖の上のフォート、そして太陽に荷揚げを行う人々が描かれている。

この前とはうってかわって大変な賑わいだった。

アーケードはあちこちで路地化して入り組んでおり、なおかつ放射状に広がっている。

現代もののお土産からガチの骨董品、
香水・香料・ランプ・シルク・・・

なんだかよくわからない物が90%を占める店・・・

assa : アッサ オマーン人男性が身に着ける杖。

アーケードの通路が集まる部分の天井部分。きれいな木組みでできている。

アーケードを完全に抜けると、そこは広場のようなスペースになっていた。

そこにも沢山の店が立ち並ぶけど、こっちはどちらかというと地元の電気屋さん、金物屋さんといった感じであまり観光客相手というかんじではない。

地元の生活感や、

スーク周辺の渋滞っぷりなど。

広場でデーツを売る人。

スーク内にも、「地元のおもちゃ屋さん」的なお店が沢山あり、昔の日本の商店街にあったおもちゃ屋を思い出した。

ドバイのスークがほぼほぼ観光客向け感が漂うのに対して、マトラ・スークは地元にも根差した商店街気質も感じることができる場所なのであった。

夜のマトラ

マトラ・コルニッシュ周辺は 暗くなるとまたいい雰囲気になる。

未だ停泊する大型船やライトアップされる海沿いの店店、

そして沢山の人が行きかい、家族ずれも多い。
Mutrah Fort もきれいにライトアップされた。

魚眼海側、

魚眼陸側。

おまけ

マスカットでのやや長め滞在を利用して、クシタニのエクスプローラージーンズを洗濯した。
なにを隠そう、購入後 これが初めての洗濯である。

おまけ2

ちょい長滞在の時は、地元のスーパーマーケット(こっちでは Hyper Market という名前のことが多い)でシリアルと牛乳を買って朝食にしている。
このシリアルは、某〇ニーザタ〇ガーをパクッて子供にしたようなパッケージで、まぁ味もだいたい似たようなもんだった。

つづく

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