【Sultanate of Oman episode9】Muscat マスカットでの日々~その2 陽気な2人との出会い

こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。

首都マスカットに滞在中、またも現地の人々に多くの手を差し伸べてもらいました。
たまたま出会った陽気な彼らとの日々を振り返ります。

Nakhal Fort へ行ってみるも

マスカットから南西に約120kmほど行ったところに、ナハルという街がある。
ナハルはマスカットなどの沿岸部から、ヤアーリバ朝期に首都であったニズワの街へ通じる交易ルートの要所で、そのためかここにあるナハル砦は巨大なFortとなったのかもしれない。

ただ、この砦の正確な築造年は不明で、9世紀に最も古い修復の記録があることから、1500年近くの歴史があるともいわれている。
となると、それはヤアーリバ朝などよりもはるかに昔の話になる。
Google の情報にて臨時休業なのはわかったのだけど、まぁ一応外見だけでも見ておきたいなと思い来たのだった。

オマーン帝国の最盛期を築いた Sayyid Said (いわゆるサイード大王)によって、19世紀半ばに最外壁とメインゲートがつくられ、前カーブース国王(以前の記事でグランドモスクの名前の由来となっている国王)の頃 1990年代にはいってから現在の形に修繕が完了したとのこと。

案の定、メインテナンス作業中で 入場はできなかった。
こういった修繕作業などはオマーン観光省の管轄でおこなわれている。

作業中の男性。

注油探しの果てに出会ったMohanmmedとAmmar

ナハルからまた120km走りマスカットへもどる。

マスカット滞在中にやっておきたいことはいくつかあったのだけど、その内ひとつがチェンオイルの購入と注油だった。
日本から持っていくればよかったんだけど、いろいろと荷物の制限が強く、「ま、向こうで買えばいいや」と思っていたのだった。
しかし思った以上にチェンの乾燥が速い ような気がする。
日本が誇るDID製のチェンは、そう簡単にへたらないだろうけど、この先長いからなるべく大事に使いたいもんだ。

マスカット内を走り周り、それらしき店を巡ってみるが、どこも注油だけというのはできない。

Google で地元のバイク屋を調べても休業中だったり、全然違う店だったりで たかがチェンの注油に思ったより難儀し、まぁ別に今じゃなくてもいいか、と腰を下ろしてボケーっとしていると、

2人のオマーン人が声をかけてきた。
👍ポーズがMohammed で 眼鏡の彼が Ammar

後にMohammed がいうには、
まるで君はホームレスのように道に座り込んで途方に暮れている様子だったから声をかけたんだよ!
とのこと。
まぁたしかに途方には暮れていた。

2人のすすめで彼らのオフィスに招いてもらい涼むことにした。
Travel Story という旅行会社で、オフィスはとてもキレイ。
色々はなしつつ、結果 2人と一緒に夕食へ行き、後日チェンオイル探しも手伝ってくれることになった。

バイクは宿において、Ammar の運転でレストランへ向かう。
どうやら「とっても伝統的な」レストランだという・・・
2人はなんというか、ナイスコンビで、
Mohammed は超陽気なナイスガイ、Ammar は冷静なツッコミ役 といった感じ。
Mohammed がどれくらい陽気かというと、教えた「コンニチハ」という日本語で15分くらいずっと鼻歌を歌ってるくらいだ。

到着して驚いた、これは まるでFortじゃない!
ROZNA というこのレストランは、オマーンの伝統的なスタイルをオマージュしてつくられたらしい。
ひとりだったら絶対知らないし来ないよね・・・

内装もまるでアミューズメント施設かと思うように細部まで凝ってる。

2階の廊下、

2階から店の全貌。

トイレの洗面台部分には、井戸とファラジが再現されていた。

Shuwa と呼ばれるオマーンの伝統料理、バナナの葉に肉を包んで地面の下で長時間蒸したものを頼んでくれた。
肉が柔らかくほぐれ、とてもおいしい。
完全にご馳走だったが、こういう場合「君はゲストだ お金のことはなにも気にするな」といって憚らない。

夕飯を食べた後、またAmmarの運転でこんなところにも連れてきてもらった。
国民の多くがイスラム教徒である以上 飲酒や夜遊びには厳しい国であるものの、一部こういったスペースは点在するようだ。

酒を飲んだかって?
それはまぁ あれだ。

Al Koud 地区のバイク屋へ

翌日、再び2人と合流し、昼を一緒に食べた後バイクのチェンオイル探しへGO.

最初は、ここはどうか?なんて自転車屋に来る。

日本でもおなじみのFINISH LINE があった笑
しかし、バイクのチェンは特殊なので、自転車用だとあまり意味がない。

かといって一般的な高負荷対応の工業油やグリースもダメだというのを、伝えるのが難しい。
バイクのチェンは、基本的にバイクチェン用オイルにしたほうがいい。
内部のシーラーへの影響と、高負荷適用、そして粘度のバランスなどをとった専用品だからだ。

そして最終的に少し離れた Al Koud という地区にある2輪店にやってきた。

お、これは期待できる、と店内を探すと

あった!
MOTUL のチェンオイル。この際細かい仕様なんかはどうでもいい。

店の裏手にバイクをもっていくと、

ナイジェリア出身のメカニック、Ulu が注油をやってくれた。
注油だけだから自分でやれよって話なんだけど、Uluがやるよというので、やってもらった。

Ulu は勿論バイク乗りだから、テネレをすごく気に入ってくれた様子。
彼もいつか、バイクで旅をするのが夢だという。

件のバイク屋の店前にあったトライク。
NQY200ZH というらしい。こんなので旅するのも面白そうね。

Mohammed と Ammar と、マスカットの街をめぐる

その後も、Uluのバイク屋に一時バイクを預け、またMohammed と Ammar 2人の車で色々と案内してもらってしまった。

ここは Almouj というエリア。
” Very Expensive Area ” ということで、沢山のコーヒーショップやハイブランド、そしてヨーロッパ系ないしアメリカ人の邸宅などが並ぶ。
銀座と青山を足して2で割ったようなエリアだろうか。

Almouj エリアの海沿いは、まるで横浜のように綺麗に沿岸が整備されていた。
停泊している沢山のボートや小型船舶は、界隈に住む人たちの個人所有物だそうな。

Almouj のモスク。
まるで近代美術館のようにモダンなつくりが特徴。

内装もとてもモダンで、この極端にシンプルなミフラーブに向かいお祈りをする年配の男性の姿が、妙に印象的だった。

Almouj を去る頃にはすでに日が暮れてきている。
そんな暮れなずむ街の光と影の中、沢山のフードバンが集結しているエリアがあった。

どのバンもそれぞれ特徴があって絵になる。
多くの場合、ラクダやヤギの肉を串にさして売っている。
ヤギかぁ、と思ったけど 普通にうまい。

ん~~いい!
Ry Cooder のファーストアルバムみたいな写真が撮れた。

次に寄ってくれたのが、オマーンの伝統的なスイーツ Halwa: ハロワの専門店。
日本のお菓子に例えるのであれば、見た目はヨウカン。
味は・・・ 何にも似ていない、今まで味わったことの無い味。
Normal , Honey , Walnut , Special と味のバリエーションも沢山ある。試食コーナーで一通り全部試食してみたが、うん 違いがよくわからん。

どっちかというと気になったのが、このハロワを作る専用の鍋と、ハロワを保存する木の入れ物。
壺の方はオマーン人女性が身に着けるアクセサリーなどをモチーフにしていて、木製ケースはアラビックポットやハンジャルなどの形をあしらったものなどがあった。

このかわいらしいセットなんて、日本で売ったら売れそう。
全て、Made in Oman.

最後に、オマーンの夜景が一望できるスポットへ連れて行ってくれた。
舗装路から、暗い中バイクではとても行けない悪路を入った場所にあるので、ひとりでは行けなかった。

残念なことにというか、アホなことに、この時カメラを携行し忘れてしまい 仕方なくスマホのカメラで撮影した。

2人とは2日間だけだったけど、なんだか長く一緒にいるような感覚になってしまった。
本当に世話になりました👍💖🔥

おまけ

オマーンのガソスタは今のところ
Shell
Al Maha
Oman Oil
Hormuz 
の4種類。
いずれも、ディーゼル/91/95 の分け方だけど、たまに95はなかったりする。

ほとんど見かけない Hormuz のスタンドでは 98 RON もあった。

おまけ2

街をあるいていると水たばこの専門店がけっこう沢山ある。
すさまじい品ぞろえで、窓越しに見るだけでも楽しい。

つづく

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