【CBR400RR リアブレーキの分解・清掃】リアマスター&キャリパーをオーバーホール

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

テネレ700の納車に伴い、置き場所がなくなったCBR400RR 通称ヨンダボ。
仕方なく実家のわずかなスペースに置かせてもらうこととなりました。
ただ、91年式のキャブレター車は、やはり定期的に乗らないと機嫌を損ねます

テネレ納車前、以前よりお世話になっているバイク屋さんに
”他のバイクの事考えてると、古いバイクは調子悪くなるよ”
と言われていた通り、
早速ヨンダボが”スね”ちゃったので、そのリカバリーの様子を残しておきます。

※ブレーキ関係は命にかかわります。少しでも自分の作業に自信がなかったり、責任をもてない場合はプロに任せましょう。

リアホイールがロック!

どんな感じでスねたかといいますと、

・リアブレーキを踏んだらリアホイールがロックしてしまい、ブレーキがかかりっぱなしの状態に。
・ブリードボルトでフルードを少し抜くとリアのロックは解除
 →しかし、ふたたびリアブレーキを踏むと、再びロック。
・なのでまたブレードを抜いて・・・・とやっていると、今度はリアマスターがスカスカ状態に。

といった感じです。
原因として考えられたのは、

1.キャリパーピストンのシール類の劣化で、ピストンが戻らなくなった。
2.フルードの劣化で流路のどこかが詰まってしまった。
3.リアマスター内部で根本的な問題がおきている。

こんなところでしょうか?
精通している方であれば、最初から原因部位を特定できるのかもしれませんが、ちょっとよくわからなかったので、
リアブレーキキャリパーとリアマスターをもろもろオーバーホールすることにしました。

キャリパーとリアマスターの取り外し

まずはこのリアマスター→ホース→キャリパーを取り外していきます。

まずはフルードリザーバータンク内の古いフルードを吸い取ります。
キャップやダイヤフラム類はきれいにしておきます。
フルードは他の部品に付着しないよう養生しましょう。

思ったより中にゴミが貯まってたりはしていませんね。

ホースがリアフェンダーに固定されているので外しーの、

キャリパー側とマスター側のバンジョーボルトを外します。
ここのシーリングワッシャは後で新品に交換します。

外れたホース。

キャリパーを外す時は、サイレンサーも外しちゃった方が作業しやすそうなので、
サイレンサーを外します。

リアブレーキキャリパーは2本のぶっといマウントボルトで固定されているので、こいつらを緩めます。
また、パッドを固定しているパッドピンもこの段階でちょっと緩めておくとよいです。

なかなかのトルクで締まってますので、必ずクローズドの工具をつかいましょう。

キャリパーが外れました。こいつは家に持ち帰って分解清掃します。
しかし、ピストンはそこまで汚れてないですね。

次にリアマスターを外していきます。

まずはリザーバーホースを抜いて、

マウントのボルトを外します。

割りピンを抜くのは面倒なので

ここのロックナットを緩め、

マスターごとくるくる回せば外せます。

リアマスターが外れました。
そうしたら、ここからは各キャリパーとリアマスターをオーバーホールしていきます。

キャリパーとリアマスターの分解

パッドピンを完全に抜いていきます。
キャップになっている-頭のイモネジと、その下に六角のピン本体があります。

 

抜けました。
パッドは・・・まだまだ使えそう?ですが、この際なので交換し、これはこれでとっておくことに。

次に、ピストンツールをつかってキャリパーピストンを引き抜きます。
片押しシングルなので、非常に簡便です。

思ったより綺麗ですが、ピストンシールとの干渉部分にわずかな腐食があるため、新品に交換します。
一応磨いて保管しておきましょう。

ピストンシールとダストシールもきれいなもんです。
どうやらこいつらのせいではない様子。

パッドプレートも、可及的に磨いて綺麗にします。

キャリパー本体も、この際手の届く限り綺麗にしておきます。

ブリードボルトはなんかきちゃないのでワイヤーブラシで磨きます。

キャリパー分解・清掃後。
どうみてもこれが原因ではなさそう・・・
ということはやはりマスターか、、、

まずはリザーバーホースのジョイント部分を外します。

ここのOリングは新品交換です。

実はこの部分に余分な圧を分散させるためリリーフポートという超小さい孔があいています。
SNSで知り合ったベテランライダーの方に教えていただきました_(._.)_
フルードの劣化でここが詰まることも多いようで、当ブログで頻出する歯科用ファイルを用いてツンツンしておきます。
が、特に詰まっているような感じではありませんでした。

いよいよ一番あやしいリアマスターの内部に手をのばします。
ブーツをひっぺがすと、

お、あやしい、あやしすぎる。

内部のスナップリングを外すと、

プッシュロッドきたな!こりゃあいかん!
どうやら原因はこいつで間違いなさそう。
で、プッシュロッドが出ればマスター内のピストンが出てくるはずなのに・・・

ん?
全く何も出てこない。もう一個スナップリングがあったか?そんなはずないし、

思い切って長めのネジを介しプラハンで何度かぶっ叩くと、

抜けた!
原因判明。リアマスター内のピストンの固着でした。しかしプラハンでぶっ叩かないと抜けないくらい固着するもんなんですね・・・
こわやこわや。

マスターシリンダー内面。
後日、こいつはバイク屋さんで内面に磨きをかけてもらいました。

リアマスター分解・清掃後。

キャリパーとリアマスターの組み上げ

では、各部消耗部品を交換しつつ、分解したキャリパーとリアマスターを組みます。

今回取り寄せた消耗品達。
30年前のバイクの部品が未だにこうやって手に入るのは、本当にありがたい。
(当然ながら出ない部品もありますが😨)
袋の部品番号が写るように撮っているので、参考にしてください。

マウントボルト部分のラバーブーツ。
新品をかませてスリーブを挿入します。なお、以下各所組付けにはシリコングリースを添加しながらやってます。

ピストンも新品に。
綺麗だぁ・・・

ピストンシールとダストシールも新品に。

新品のピストンを挿入します。

ブリーダーボルトをセット。

パッドプレートを装着。
キャリパーはこれで準備OKです。
次にマスターを組みます。

ピストンアッセンブリはこれでワンセット。
固着していたやつと比べると、綺麗・・・

バイク屋さんで研磨してもらったシリンダー内面。
綺麗・・・

こんなような順番でシリンダー内に挿入し、

プッシュロッドを押し込んで、

スナップリングを装着し、

ラバーブーツを被せます。

リザーバーホースジョイント部分のOリングは新品に交換し、

ジョイントを装着。

リアマスター完了。

車体への取り付け

オーバーホールの完了したキャリパー・マスターおよび周辺部品を改めて車体へ組付けていきます。

まずはキャリパーから。
前方のマウントボルトのラバーブーツも新品に付け替えます。

パッドは、なんとなくカッコいいからというしょうもない理由でデイトナの赤パッド。
そもそもパッドの違いが分かるほどのライダーではない故笑

荒目のサンドペーパーで面取りしておきます。

キャリパーにパッドピンで取り付けます。ん、かっけぇ(*´Д`)

マウントボルト2本でキャリパーを固定。
こういうとこは規定トルク測ったほうがいいでしょう。

次にリアマスターを戻します。
マスター本体をくるくる回し、適性な部分でロックナットで固定します。

この辺はサービスマニュアルを見ながらがいいと思います。
ピポッド部から下のマウントボルト中央までが80mmになるように。

したらばマウントボルト2本で固定して、

リザーバーホースを戻します。

そしたら、ブレーキホースを繋いでいきます。

ブレーキホースのバンジョーボルトには新品のシーリングワッシャをそれぞれ2枚ずつかませます。

キャリパとマスターがホースで繋がりました。

フェンダーに固定し、

これでパーツのブレーキの取り付けは終了です。

フルードの充填

最後に、フルードを流路に満たしていきます。

HONDAのDOT4 ブレーキフルード。

キャリパーのブリードボルトにワンウェイバルブホースを装着して適当なボトルをセットしておきます。

リザーバータンクにフルードを満たし、

ブレーキペダルでフルードを送っていき、

ある程度ペダルに抵抗がでてきたら、エア抜き操作をしていきます。
しかし、

こんな気泡は勿論アウトだけど、

こんな針の先みたいな気泡はどうなの?
きりがないので、ある程度で終了とします。

ブリードボルトをしっかり締め、リザーバータンクのダイヤフラムとキャップを取り付けて、

完了~~おつかれさまでした。

ついでにサイレンサーの接合部分も綺麗にしときます。

サイレンサーとカウル・シート類を元に戻し、終了です。

まとめ

ヨンダボのリアマスターオーバーホール、なかなかボリューミーでしたが、作業自体はシンプルで気分もすっきりです。
リアロックの症状も直り、ブレーキも快調に効きます。
ネオクラシック車で同じような症状にお困りの方がいれば、参考になれば幸いです。

しかし、赤パッドかっこいいなぁ フロントも交換したくなるなぁ。

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