【ミステリーランチ gallatin peak 40】Mystery Ranch ギャラティンピーク40 をバイク旅のザックに

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

今回はバックパック、あるいはザック、またの名をリュック、
どの呼び方が正しいのか知りませんが、とにかく背中に背負うでかいバッグに関して、特にバイク旅においてなにがよいのかを考えることにします。

バイクメーカーのリュックとその問題点

モーターサイクル用用品の各メーカーからも多くのバイク用バックパックが販売されていますが、
そのなかでも

Kriega の R30 バックパック が秀逸で、第1候補でした。
モーターサイクル用ラゲッジの専門メーカーが出してるだけあって、バイクの上で背負うことをよく考えられているし、防水性能が高いことからレインカバーをいちいちかける煩わしさもないからです。
ただ、

・容量に若干不足を感じる
・実際の使用を考えると、ロールアップ式はけっこう使いづらい

といったことが気がかりで、決め手に欠けていました。
特に、防水性よりもザックの底にあるものへのアクセスはよく考えたほうがいい問題です。中にいれるものにもよりますが、いちいち上部のものを取り出さないと底のものが取り出せないのは、時にすごく面倒になるからです。

意外と無い、防水ザック→完全防水は諦める

ということで、基本的には「バイク用」ということに拘らず、一般的なアウトドアメーカーや、バックパッカー用のザックにまで視野を広げて色々と探してみたのですが、
「完全防水を謳うバックパックって、意外と少ない」
ことがよく分かります。
AMAZONで「完全防水 リュック」とかで検索すると、沢山出てきますが、

・明らかに品質に疑わしさを禁じ得ないもの
・完全ロールアップのもの
・ビジネスユース色強すぎだろってもの

のどれかといった感じで、ピンとくるものはありません。
アウトドアショップのバックパックコーナーにて、
montbell・deuter・mystery ranch・gregory
といった有名ブランドのザックをみてみても、「完全防水」という仕様に拘ったモデルは皆無といっていいでしょう。
これはやはり、完全防水にすると生地が重くなり、バックパッカーに求める軽量性が損なわれること、そして縫製部分を極力少なくする必要性から、コンパートメントを分けるなどの利便性を犠牲にしなければならないこと、などによるものかと思われます。
かねてから主張している通り、
「全てにおいて望ましい条件を兼ね備えた道具はない」わけですね。
つまり 「軽量で、小分けができて、内容物の取り出しも楽な、完全防水のザック →存在しない」 といっていいでしょう。
この事に納得してから、

防水に拘る→ロールアップは避けられない
利便性を優先する→完全防水は諦める

のいずれかという結論に至りました。
今回は後者、すなわち利便性を優先した結果出てきたひとつの選択肢という趣旨で紹介したいと思っています。

Mystery Ranch Gallatin peak 40

利便性に重きをおいて という意味で現状ザックとして使用しているのが
Mystery Ranch Gallatin peak 40
というザック。
開発コンセプト的にはスキーパトロールや山岳でのスキーガイド向けにつくられたモデルで、スノーギアなどの収納を前提に細部がつくりこまれてます。
バイクとスキーって、

・ゴーグルをつける
・手にグローブをしている
・水に対する考え方
・全方位からの水への対応
・他のギアとの擦れなどへの配慮

といった点で共通点が多いです。
バイク乗りは、スキー用品店とか見てみると意外な発見があるかもしれませんよ。
では、少し細かく見てみましょう。

Gallatin peak 40 詳細

概観はこのような感じで、一見シンプルなつくりに見えます。ミステリーランチの代表的な三角形のジッパーではなく、上蓋式のザックですね。
メインの材質は330デニールのロービックナイロン。ロービックは、コーデュラに比して若干強度が落ちるものの、驚異的な軽量化をすることができる材質のようです。

底の部分はダブルレイヤード・ディファレンシャル・ボトムなる材質。
なんのこっちゃ ですが、おそらく2層構造になっていて引き裂き強度や浸水に非常に強い構造になっているようです。

メインのバックルをはずすと、

更にバックル、そしてショックコードでメインコンパートメントは閉じられています。

メインコンパートメントは40L の容量があるため、かなりのものを入れることができます。
フレームにはグラスファイバーロッドが採用されているので、大きい荷重を支えつつ、体に合わせてしなってくれます。

そんなメイン室の中にも小分け用のポケットがあり、荷物の種類が多いツーリングでは重宝しそうですね。

ちょっとわかりづらいですが、色々荷物を詰め込んだところ。

そしてギャラティンピーク40で最も魅力を感じた機能がこちら、背面アクセスです。
メイン室に詰め込んだ荷物に、背面から一気にアクセスできるのです!

ショルダーベルトを固定しているバックルを緩め、この赤いベルトを上に引きはがします。

すると赤いハンドルが現れました。こいつを一気に下方向に引きさげると、、、

このように、メイン室の内容物がフル露出。

一番底にしまわれていたシュラフも、簡単に取り出すことができます。
本来は山岳での遭難で、いち早く救助用の道具にアクセスできるよう との開発コンセプトだそうです。
まぁ、実際ザックにシュラフを入れることはないんですが、、、

上蓋部分には2つのジッパーがあります。

片方は本来スキー用のゴーグルを入れられるよう、内面が伸縮性の素材でできていて、容量もなかなかあるので、ゴーグルどころか、いろいろなものを詰め込めます。割とすぐに取り出したいものをここに入れておくのがいいでしょう。勿論、オフロード乗りはゴーグルをかけると思うので、ここにゴーグルを収納するのもいいと思います。

もう一方もそれなりに容量があり、やはりすぐに取り出せたらよいものを入れておくのがよいでしょう。こちらには伸縮性はありません。

すぐに取り出せたらよいものといえば、例えばレインカバーであったり、ヘッドライドでしょうか。

更にギャラティンピークにはメイン室の前面にやはり多めの収納が可能なサブ室があります。

あけるとこんな感じで、やはり小分けのポケットが3つあります。

ここには、水ボトルや、ハンドライト、ペグハンマーなど、割とすぐに取り出したいけどそれなりに大きさのあるものを入れておくのがよいかもしれません。あとは、虫よけスプレーとか?ムヒとか?
ここまでが2つのメインコンパートメントです。
あと細かいギミックとして

脇にあるこのショックコード。
これは本来スキーのポールを固定するためのものです。

本来の使い方

ただ、当然スキーのポールなんか持っていきませんので、

いろいろ試してはいますが、いまのところしっくりくる使い道はありません。
三脚を固定するには、ちょっと太さが足りないんだよなぁ・・・

そしてもう一つはザック前面に格納されたこのベルトと、上蓋部分にくくられたこのベルクロ。
これは、本来はスキー板そのものを固定することができる装備です。
そして当然、スキー板なんて持っていくわけがないので、

こんな感じで三脚を固定してみたりしてみますが、、、
こんなんじゃバイクのシートと干渉しちゃうしなぁ なんつって
結局うまい使い道が見つかっていません ┐(´∀`)┌

ちなみにこの斜線で囲った部分は、本来はスキー板が擦れる前提なので、
ヘビーデューティー・カーボナイト840デニール・ナイロン という何かの必殺技みたいな名前の素材でできています。
まぁ要はめっちゃ引き裂き強度の高いタフな素材なんでしょう。

更にもうひとつ、前面のパネル下部には隠し扉が、、、
ここのベルトをひっぺがすと、、、

出た、ヘルメットホルダー。
しかし、これはあくまで山岳用ヘルメットなどのためのものなので、フルフェイスとかは全然無理です。

ヘルメットホルダーはパネル部分に専用の引っ掛けベルトがあり、ここで固定します。

ただ、先述2つのギミックとは違い、こいつはかなり有用。
気温が昼夜で大きく変わるときや、天気が怪しい時など、ここにポケッタブルなインナーダウンやレインウェアをくくっておけば、素早く取り出すことができます。

背負ってるところ

というわけで、ザックの細かいところを見てみたので、実際に背負っているところを見てみます。

いろいろギミックとか見ましたが、結局のところザックとして一番大事なのは、長時間背負っても疲れないかどうかですよね。
店員さんと話してなるほどと思ったのが、
「ザックは背中ではなく、腰で背負うもの」
という考え方です。

なので、ギャラティンピークに限らず、他メーカーの山岳用ザックでしっかりしたものはあまねくウェストベルトがしっかりしています。
そして、これは写真では伝わりませんが、ウェストベルトをしっかりと締めるとザックの重量が腰で支えられているのがよく分かります。
そしてこのバックル、グローブを付けたままでも扱いやすいよう、ミステリーランチがパーツサプライヤに特別につくらせた新開発のバックルなのです。頻繁に脱着する部分にこのような気遣いがあると、地味に効きます。

蛇足ですが、チェストストラップのバックルはホイッスルになっているという・・・
まぁ使わないかなぁ・・・笑

さらに蛇足ながら、CBRで背負うとこんな感じ。

X-fourteen のような後ろに向かってフィンが伸びてる形態だと、40ℓクラスのザックはヘルメットと干渉するので注意が必要です。
特にSSやレプリカだと体勢も前傾が強いため、余計に干渉しやすいです。
➡そこで編み出した画期的な積載法は【キャンツーのオリジナルパッキングの紹介】で。
この「ヘルメットとバイクとリュックの三角関係」に関しては、また別記事で紹介します。

レインカバーは必須

冒頭の方で宣言した通り、ザックの完全防水は諦めたので、別途でレインカバーは必須です。
ミステリーランチから専用のカバーが出ているので、トップのポケットに入れておくとよいでしょう。
レインカバーの色はオレンジとグレーがあります。

レインカバーをかけたところ

ちなみに、念には念をということで、メイン室にはモンベルのライトスタッフバッグ60ℓをいれておき、この中に荷物をいれるというのもありかなと思います。高速などで走っていると、急な雨でも停まってレインカバーをかけるのが難しいこともありますし。
ただ、これだとギャラティンピークの最大の魅力であるバックアクセスが・・・・ ほぼ無意味になりますね。

まとめ

ミステリーランチのギャラティンピーク、どうでしょうか?
そもそも論ですが、バイクにザックを背負って跨ると、シート上の積載スペースがかなり小さくなりますし、その上シート上の積載とザックが干渉して気になることがあります。せいぜい500km程度であれば我慢できるものも、世界ツーリングとなるとそれどころではありません。
バイク世界旅に、このような背負うタイプのザックを持っていくかどうか自体、未だ結論を得ていないわけです。
ただ、ひたすら走るだけならいざ知らず、現地でのフィールドワークやちょっとした観光の事も考えると やはりザックより優れたバッグはありません。
「携行性に優れたシートバッグ」として、シート上の積載に括り付けておくのもよいか、など色々考えています。
とにもかくにも、実際のバイク テネレ700 がこないと、その辺の検証もできません。
テネレが納車されたら、そのへんもレポートしようと思います!

その後、テネレの納車・装備のブラッシュアップを重ねることで
ザックとしての利便性よりも
・完全防水で雨が降ってきてもカバーをかける必要がない
・ザックとダッフルの可変式でショルダーベルトが不要な時はしまうことができる
・ザックそのものに自立性があり積載の荷締めで偏らない
ことの方が大事だろ、という結論に至り

これらを全て満たすMoskoMoto製のドライダッフルにアップデートしています。
➡【MoskoMoto Backcountry Duffle 30  ツーリングシートバッグの再考とアップデート】