【自転車の話】スーパーチャンピオン オスギア変速器アームスプリングキャップの製作

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

過去の作業を振り返る、完全自己満企画です。
自転車の変速器の方式、なんて考えたこともないですよね?
いまでこそママチャリからロードレーサーまで質は違えど構造的には同じような外装変速器が使われていますが、1940年代以前、カンパニョーロがパラレログラム式の変速器を発表するまでは様々なメーカーが試行錯誤の外装変速器を製造していました。
(英国の Sturmey Archer は一途に内装ハブギアをずっとつくりつづけてますが・・・)

Super-Champion Osgear

その中のひとつが
スーパーチャンピオン オスギア
という変速器です。

これがその変速器のセット。
なんじゃこりゃあ という感じですよね。
これが実際に車体につくと、

http://classiccycleus.com/home/1934-caminargent/

こうなります。
分かりやすく図化されたものをみると、

http://www.classiclightweights.co.uk/designs/osgear-hs.html

 

このようになっています。

チェンステーに取り付けられたこの羽のような部品が左右に動くことで、チェーンをスプロケット上に乗せ換えているんですね。

で、そのためのチェンテンションを取っているのがこのアーム。ダウンチューブに装着します。
今では考えられないようなまどろっこしい構造ですね!

キャップがない

で、手元にあったオスギアのセット。
よくよく見てみると、、、

http://classiccycleus.com/home/1934-caminargent/ より改変

この赤丸で囲った部分がない!
これは、アームに装着されたリターンスプリングを覆うためのキャップです。

まぁ実際に今すぐ使うわけでもないし、、、そもそもキャップなくても機能するし、、、
だがしかし、思い立ったら気持ちわるくて作業せずにはいられない。
キャップを製作することにした。

スプリングキャップの製作

ついでといっちゃあなんだが、ブラケットパーツの一部に割れがあったので、

ロウを盛って修復しておく。

銀ロウは非常に扱いやすい。

いい感じに修復されました。食器の金継ぎみたいなかんじですね。
で、必要なキャップの長さを計測して、

パイプ材をカット。今回はアルミにします。

きれいに面とりをして、

スプリングが嵌り込む溝を削っていきます。

手やすりで整えて、

うわ、なんか きたな! でも、この最後のちょっとだけクイッとなってる部分がちょうどよくスプリングにはまっていいんですね。
純正もこんなもんです。

嵌り具合を確認。

そしたら蓋をまた別の無垢材から削り取って、

こいつらをくっつけてキャップ状にします。

ここはエポキシ系の接着剤で済ませちゃう。

まぁ一応これで完成ではあるが、

なんか継ぎ目がダサいので塗装してごまかす。
最初は蓋部分の角を丸く削って純正と同じような指サック形状にしようかと思ったのですが、この角ばったかんじもこれはこれでいいな と。で、そのままにしました。

装着。ん、いい感じ”!

まとめ

ということで、今回もニッチの中のニッチをつつくような内容でしたが、
車でもバイクでも自転車でも、古いものの部品ってだいたい何かが欠損してたり割れてたり。
そんな時に絶望するのではなく、自分でできる範囲で修復や製作ができると、より楽しく道具と付き合うことができます。
そんな考え方の一助になれば、幸いです。

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