こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
タジキスタンとアフガニスタン、ワハーン回廊の国境道路を進み、ランガーという街まで辿り着きました。ここから、Khargursh; カラグシュの峠を越えて、ワハーンを離れ、標高が4,000mに迫る高原地帯へと進んでいきます。
ここまでのルート
Khargursh の峠越え
ランガーを出発し、しばらくは国境沿いの道がつづくけど、道のりはだんだんと更に険しさを増していく。
道の石ころは大きくなって、途中途中 つづら折りの急な上り坂もでてくる。ただまぁ、倒してもゼーニャがいるし、ってな感じで気持ち的にはだいぶ余裕がある。
ゼーニャがけっこう動画も撮ってくれるので、もうこんな機会は一生無いであろう絶景の中を走る姿を、記録することができた。管理人も、ところどころでゼーニャが走る姿を撮ってあげた。時間は食うけど、そうやって遊びながら進んだ方が楽しい。
こんな誰も来ないような道だけど、ごく稀に車とすれ違ったりする。そしてたまにマシントラブルで立ち往生していたりもする。
まじで動かなくなったらどうするんだろう。車検制度が無いか、あってもしっかり機能していない国では、そのまま道脇に放置された車両を目にすることも多い。
マシントラブルのおっちゃんの犬だろうか。
ガレガレとまではいわないけど、なかなかにきつい場所がつづく。ちなみに、写真を撮れている場所は、写真を撮る余裕があった場所である。
ゼーニャは余裕そうだが、、、
そしてついにコケた。ダートの右カーブを曲がり切ったところに急に現れた砂地。トラップかよ。
引き起こしてる姿を楽しそうに撮影するゼーニャ。
バイクを引き起こしてひぃひぃ言ってるところに、イシュカシムでも出会ったスイス人の旅行者が通りかかった。標高が高く、紫外線が強いから といって日焼け止めのクリームをくれたんだが、塗り過ぎた。
まだまだ、険しい道はつづく。パミールの道は、管理人のような特殊な技術がないやつでも大型で走ることはできる。ただ、ひたすらにダートや悪路がつづくので、テクニックよりも気力と体力が大事だと思った。
途中から、ワハーンとの国境を離れ、道路は北へ向かう。パンジ川を見ながら進むのもこれで終わりか、なんだか寂しい気がしたけど、ここからがパミール”高原”の本番だ。
たぶん、野生のフタコブラクダ。以前にも言及した通り、ヒトコブラクダの野生種が絶滅したのに対して、バクトリアラクダは未だに野生種が存続している。コブが1.5みたいなのもいた。
ワハーンとの国境地帯からさらに標高を上げつつ、パンジ川から北に離れると、荒涼とした景色から やや緑の蒸した景色に様相が変わっていく。
カラグシュ峠のチェックポイント。
アフガニスタンのワハーン回廊中部を東西に走る峰々が見える。
道脇には雪が現れ始める。
ゼーニャと管理人の「よし、ここでちょっと遊ぶか」スイッチはけっこう近い。
大の字はわかるけど、
そのポーズなんなの?
ところどころ下の湿地帯に向かって ズボっと抜けるのが怖い、が、なぜかこの高地にて、雪の冷たさが気持ちいい。長時間、極度に集中して走り続けるためか、体中に熱気がこもっているような感覚。
不自然なくらいに赤い色をした石は、鉄分の影響なんだろうか。苔むした大地と、その上に乗る残雪から溶け出した水が、細いせせらぎに乗って下へと降りていく様は、まるで地上と天界の踊り場に辿り着いたような錯覚さえ得る。
道脇に時おり姿を現すマーモットなんかをみつつ、峠を過ぎた後もなおつづくダートを進んでいく。
Ozero Chukur Kul Lake
しばらくすると、右手に湖が見えてきた。パミールといえば、北東部にあるKarakul; カラクル湖が有名だけど、高原中に小さな湖が点在している。個人的には、全容が視界に収まる、こじんまりした湖が好きだ。Ozero Chukur Kul はまさにそんなかんじ。
insta360用の棒をつかって釣り人を演じるゼーニャ。
ゼーニャの持っている高性能な時計で心拍数と酸素飽和度を測定できるようだ。標高は3,900m. 心拍数は94 SpO2:86% まで下がってる。まぁただ、パキスタン北部からずっと高地を行ったり来たりしてるおかげか、高山病の気配は一切ない。
湖でひとしきりはしゃいで、動画や写真を撮って、再スタート。
そしてついにパミール・ハイウェイとの合流地点に到達した!
ダートは確かに楽しいし、ADV感満載だけど、やっぱ舗装路に復帰すると嬉しい。空気圧を上げる↑↑↑
Murghab へ
ここから、また景色は一気に開ける。
馬に乗ってヤクを追う男。
ゼーニャも舗装路にひと安心の様子。しんどかったのはおれだけじゃなかったのか、とちょっと安心した。
まぁ舗装路といっても、相変わらずいきなり巨大な穴やら亀裂があるのは変わらないので、要注意だけど、今までのダートに比べたら天国のように走りやすい。
まさに高原。”世界の屋根”と称される所以が、眼前の景色全てに詰め込まれていた。
そして Murghab;ムルガブに到着。ゼーニャと喜びを分かち合う。
もうまじでガソリンがギリギリだったけど、どうにか間に合った。さすがだぜ25ℓビッグタンク。地図アプリで表示されるガソスタはおよそ営業しておらず、ムルガブで唯一給油可能だったここも、大型のメタルタンクからポリタンクへの量り売りだった。
ガソスタのにぃちゃんと。ムルガブまで来ると、顔つきはタジク人というよりキルギス人のそれが多い。
このガソスタで謎にはしゃぐゼーニャ。顔がアメコミみたいになってる。
キャニスターにも給油。F800 GS は16ℓだからね。
同ガソスタで出会った、オランダからのライダー2人。
この日は彼ら2人が投宿する宿を聞いて、そこに着いていった。後に、アフリカツインもやってきて、計5台のバイクが宿裏に並んだ。
つづく