【旅のダウンジャケット】Rab pulsar jacket はパッカブルでライディングにも

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

日本列島も本格的な冬を迎えつつあるので、タイムリーにダウンジャケットの記事を書こうと思います。
以前より長期旅の服飾は非常に悩ましいという話をしていますが、電熱ウェアに頼らない以上防寒・保温の上で最も信頼できるのはやはりダウンジャケットです。
これだけ技術が進歩し、化繊のインサレーションにも素晴らしい素材がある中、それでもなお天然のダウンが保温・耐寒性において優れているのは 水鳥が恒温動物であるにも関わらずこの寒空の下涼しい顔で水面を泳ぐことから納得できます。

長期ツーリングにおけるダウンジャケットへの要求条件

ダウンジャケットといっても、市場には夥しい種類の商品があります。
それぞれにフィーチャーポイントがあり、仕様特性に応じた適した用途もあるでしょう。

季節や天候を大きく跨ぐバイク旅において管理人なりのダウンジャケットが具備すべき条件は以下のようになっています。

①不要な際に小さく軽量にパックできること
:寒い時以外は着ることもないため、極力小さく、そして軽くパッキングし、あまり荷物としてかさばらないのが理想的です。
②ライディングジャケットの下に、あくまでインサレーションの延長として着ること
:メインのライディングジャケットは基本的に夏~冬を問わず常に身に着ける完全防水のアウターシェル的な位置づけになります。特にバイクではプロテクターを内装できる専用のものを着ることになるでしょう。温度調節はこのライディングジャケットの下に何を着るかで区別するため、ダウンジャケットはあくまでインサレーションの1層で、あまり生地の分厚いものは適しません。
③水分に対する耐性がある程度あること
:通常のダウン製品は水分に対しシビアな管理が必要になります。羽毛自体が長時間水分にさらされてしまうと、ロフトが低下し、含気力が著しく損なわれてしまうからです。
④フード付きであり、フードを留めることができること
:ライディングのことだけを考えるとフードは邪魔なのですが、テントサイトでの活動や、バイクを降りてからの防寒を考えるとフードは絶対あったほうがいいです。欲をいえば、ライディング中にばさつかないよう留めておけるような仕様だとなお良いです。

Rab Pulsar Jacket

そんなわけで、このような条件を満たすダウンジャケットとして管理人が愛用するのが、

Rab Pulsar Jacket です。
上の条件に照らし合わせつつ、みていこうと思います。

見た目は割とオーソドックスなボックスフォームのダウンジャケットで、部分的に Stitch Through 構造となっています。

フロントジッパー。
ジッパーは全て、止水仕様ではありません。

袖はエラスティックで、ベルクロやドローコードはなし。

 

サイドポケット。

左胸内側にはインナーポケットもあります。

フード内にはショックコードが内蔵されているので、これらを絞って顔に密着させることができます。

フードはけっこう大きめで、ダウンもかなりしっかり封入されています。

フードトップにはベルクロがあり、

被蓋量を調整可能。

そして大事なのが、このベルクロをつかって、タグループを通しフードを固定できること。

これでライディングの時フードが邪魔になりません。

テクノロジー

アウターを構成するのは10DのPertex Quantum リップストップナイロン。

  

Pertex Quantum は極細の糸を超高密度に織り込むことで、軽量でありながら高い引き裂き強度を持ったナイロン素材です。
ゴアテックスのような微多孔性ではなく、繊維の間を水分子が通り抜けることで毛細管現象のような蒸散作用があり、それによって高い耐風性がありながら透湿性も兼ね備えているというのです。糸が非常に細いため、ダウンプルーフの効果もあります。

インナーも同様に、10Dのリップストップナイロン材の生地で、スペック的にはAtmos fabric と記載されています。

Atmos メンブレンもおそらく似たような素材なんだと思いますが、Pertex との明確な違いはよくわかりません。
親水性で、水分が分子レベルで繊維間を通過する というような特性があるらしいです。

パルサージャケットはなんといっても質感が最高に気持ちいいです。10Dの薄い生地のおかげもあると思いますが、ずっと触っていたいようなそんな感じです。

肝心のダウンですが、800FP のヨーロッパ・ホワイトグースダウンが使用されており、封入量は230g となっています。
質・量ともにアウターダウンとして十分通用するレベルです。

パルサージャケットが過酷な環境でも信頼できる重要な要素として、ダウンがNIKWAX処理されている点があります。
NIKWAXといえば、ダウン製品専用の洗濯洗剤などで有名ですが、このように商品段階でダウンがワックス処理されているんですね。

先述の通り羽毛そのものが水分を含んでしまうと、ダウンはもはや本来のスペックを全く発揮しません。
NIKWAX処理のダウンは、水分を含まず、雨などにさらされてもよりはやく乾き、本来のロフトを失わないという神スペックを持っているのです。

NIKWAX のすごさはこの動画で伝わるかと思います。
基本的にはライディングジャケットに守られる位置で着ますが、大雨の中の走行などでは予想だにしない場所からの浸水が起きえます。
またテント内での結露に接触したり、体からの発汗・蒸散による水分にもさらされるので、NIKWAX処理ダウンは非常に頼もしいわけです。

寒い野外で活動をする時、ダウンジャケットにより温かさを維持できたり、ダウンシュラフで快適に眠ることができる度に この羽毛を提供してくれた水鳥に感謝の気持ちが沸き上がってきます。
R・D・S認証は、そのダウンが動物倫理的に適切なプロセスで採取されたものであるかを認証するマークです。
本当に実際のところはわかりませんが(こういった「認証」系の機関やシステムには必ず利権構造がつきまとう) 、消費者としてはこういった商品を選ぶのもひとつの行動選択として大切かもしれません。

実際の着用

実際に着ている様子です。

ベルクロで留めたフードはちょうどマフラーのように首の後ろにおそまります。

 

バイクを降りた後、フードをかぶっていると非常に温かいです。

収納

専用の収納袋にいれたところ。

ダウンの魅力は、圧縮によって非常にコンパクトになる点です。
このくらいなので、フロントパニアなどにちょろっと入れておけますね。

まとめ

さて、以上のように Rab Pulsar Jacket は、

・小さくパッキングでき軽量で、
・生地が薄いためライディングジャケットの下にインナーダウンとして着ることができ、
・NIKWAX処理により耐水性も高く、
・フードはライディング時にピンチ可能

と完全に要求項目を満たしています。
残念ながら既にメーカー廃盤となっていますが、今後バイクに乗るときの❝ちょっと強めのインナーダウン❞を検討している方がいたら、参考にしてみてください👍

似たようなスペックの Rab Electron Pro Jacket ↓↓↓
アマゾンだと高いので、アウトドアショップなどで探すのをおすすめしますが・・・

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