こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。
過去の作業を振り返る、完全自己満企画です。
今回は Campagnolo GranSport カンパニョーロ グランスポルトのリアディレイラーのパーツを製作しようというものです。
Campagnolo GranSport RD
今回作業する部品は、リアディレイラーといって自転車の後ろ側の変速を担当する部品。
カンパニョーロのグランスポルトは、古い自転車を趣味としている人の間では最も有名なリアディレイラーといっても過言ではないでしょう。
50年代頭に発表された”オリジナル”グランスポルトと、その後の2期型、3期型と大きく分類されますが、実際にはプーリーの形状やピポットスプリングの厚みなど、かなり多くの変遷があるのが事実です。
初期型は通称「御神体」とか呼ばれ、マニア垂涎のパーツとされ、レア度も価格もずば抜けてます。
たまに日本の雑誌で2期型以降のものが初期型として紹介されていることがありますが、間違いです。
2期型・3期型 違い
主旨とは離れますが、ちょっと2期型や3期型のことについてふれておこうと思います。
この写真は3つのグランスポルトを並べてますが、どれも同じに見えますよね笑?しかし、
←2つが2期型で、1番→が3期型なんです。
2期型と3期型の最も大きな違いは、シフトケーブルのアウターアジャスターの有無。2期型には写真のようにアウターアジャスターがあり、3期型にはありません。ツールでいえば、2期型はフェデリコ・バハモンテス時代、3期型はジャック・アンクティル時代といえるでしょう。
では2期型は全く同じか?というとそうではなく、上から見ると分かりませんが、、、
横からみると、このようにピポットスプリングの入っている筒部分の厚みが全然違うのです。
一般的には チェンテンションの弱さを改善するために後期のほうが厚くつくられたと言われており、従って←が2期型の後期型、→が2期型の初期型 といえるわけです。
リターンスプリング固定ボルトがバカに
写真の矢印のボルトがバカになってしまっているのがあったので、それを製作しちゃいましょう という作業です。
リアディレイラーは、ワイヤーを引く力で動き、ワイヤーが戻された時、本体内のリターンスプリングの力で復位する というのが一般的な構造です。
グランスポルトは「パラレログラム式トップーノーマル」という構造で、ワイヤーが引かれたときロー側に動き、リターンスプリングは常にトップ側に力をかけるようになっています。
完全にネジ山がだめになってしまっていました。
ということで、これと極力同じ形のネジをつくろう、という作業なわけです。
ボルト製作
材料は加工しやすさや、本体を傷つけなそうな という理由で真鍮に。
ちょうど6角形の角材があったのでそいつを適当な長さに切断します。
ヘッドの6角になっている部分を残して、円柱状に削っていく。
例の如く超絶手作業・・・(;´д`)
旋盤あったら一瞬なんだろうなぁ・・・
すぐに熱もって手じゃ持ってられないんで、バイスで挟んだりして、
段差をつけていきます。
リアディレイラー本体にフィックスされる部分にはダイスでネジを切っていきます。緊張の一瞬笑
まぁ、こんなもんでしょう・・・
マイクロモーターがあれば、もうちょいきれいにできたのにねぇ。
そんなに精度の求められる部分でも力がかかる部分でもないので、いいでしょう。
本体側の雌ネジもJISのピッチに切り直しておかないと、入りません。
50年近く前のイタリアの工業製品は、イタリアンという規格なので、ネジのピッチが微妙に違います。
完成
うん、まぁ一分の隙間も無く とはいかないですが、十分機能します。
真鍮なので色が目立ちますが、これはこれで、
「ここは自作したよー」
ってのがいつでも思い出せていいんじゃないでしょうか?
まとめ
というわけで、グランスポルトのリターンスプリング固定ボルトの製作、参考になるでしょうか?
なるわけねーって?
まぁそうですよね。
古い自転車趣味、狭い世界ですが、カンパのリアディレイラーのリターンスプリング固定ボルトがバカになってて困ってるそこのあなた!
是非参考にしてみてください!
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