【Republic of Turkey episode 29】フリギア渓谷を走る 古代の遺構と奇岩を巡る旅

どうもこんつくは、グレートエスケープ中の管理人です。

フリギア人の遺構巡りを開始し、早速古代の霊廟の前で野営をした翌朝 また新たな発見を求めて走りだします。

ここまでのルート

Gerdekkaya Anıtı; ゲルデッカヤ霊廟

朝、テントを出ると 昨日の夜は暗くて良く見えなかった霊廟の全貌が見える。

調べた限り、このゲルデッカヤ霊廟はフリギア人のものではなく ヘレニズム期の紀元前3世紀~1世紀頃につくられたものとのこと。
三角形の破風と、立派な2本の柱が特徴的で 1991年にエスケシェヒル博物館による修復が終了して公開されたらしい。

霊廟というからには、誰かのお墓なわけで、柱の奥には墓室につづく入口が2つ開いている。けれど、これが誰のための霊廟なのかは未だに明らかになっていない。やっぱ個人的にはこういうスポットが大好きだなぁ。Over Tourism からはかけ離れていて でも迫力があって。
まさに Hidden Gem ってのはこういうやつだなぁと思う。

無料で番犬をしてくれた犬。犬は性格によって脅威にも頼もしい相棒にもなる。こういうおとなしい子は本当に頼もしい。
ちなみに、いまんところ2年半世界をバイクで旅して 「羊飼いの犬が最も危険」というのが世界中のライダーの総意であることが確認されている。

Yapıldak; ヤプルダック渓谷

Çukurca; チュクルジャ村を去って、また南エスケシェヒルの田舎道をのんびりと走って行く。

そいで、Yapıldak; ヤプルダック という村にやってきた。
自分で書いてて言うのもなんだけど、「ヤプルダック村にやってきた」とかホントRPGゲームのセリフかよ と思う。

相変わらず、赤瓦のやれた石づくりの家の間をトラクターがドコドコ進んでいく長閑な村風景。

そんなやれた家家の写真を撮っていたら、中から出て来たおばちゃんが 「ちょっとそのままそこで待ってなさい!!」的な、たぶんそんなような事を言った的な、感じで家の中に戻って行ったので待っていると、山盛り野菜とパンとチャイの載ったお盆を持ってきてくれるでありませんか。しかも大好きなトマトとキュウリ。朝食を食べないで出発した野営明けのこれは、本当に身にも心にも沁みる。

そのままそのやれた家の軒下にあるベンチでありがたくいただいていると、どこからともなくやってきた御老公が向かいにちょこんと座る。

無言で管理人が野菜をムシャクシャ食べてるのを眺めていたと思ったら、すっと立ち去り、

今度は沢山のトマトを杖に引っさげて戻って来た。そしてそのトマトをまたひとつもらうのであった。

この なんてことは無い、一連の出来事が、ヤプルダックという小さな小さな村を記憶の深いところに留めているのである。
それはどんな有名観光地のマジェスティックな体験よりも、遥かに強い色で残るのが バイク旅の予測不能ないいところなのだ。

さて、ヤプルダックの集落から少し外れて、

田園地帯を突っ切り、

小さな川を渡った先に、

巨大な岩山が聳えたっている。

その岩山の一画に目を凝らすと、岩盤をくり抜いた洞窟状のファサードが見える。
これが Yapildak Asar Kale; ヤプルダック・アサル城だ。
岩山の東側に見えるこの岩窟墓はフリギア人によるものと考えられていて、おそらく紀元前7世紀前後につくられたとされているけど、やっぱり詳細は不明。拡大してみると、三角形の破風の下には「王の柱」とよばれる矢印型のレリーフがあって、その両脇に動物の姿が彫られている。管理人的には架空の生き物のように見えるけど、研究者の間では馬と牡牛というのが一般的な見解らしい。

Göynüş Valley; ギョイヌス渓谷

ヤプルダック村を去って、更に南へと進む。

しばらくはsuper dusty なダートを進んで、

D665から、Göynüş Valley; ギョイヌス渓谷へとやってきた。

早速インパクト抜群の巨大な奇岩が出迎えてくれたので、とりあえず上って周りをぐるっとまわってみる。

Köhnüş Kale; ケーヌッシュ城と呼ばれる要塞には、いくつも洞穴が開いている。

周りを見渡すと、凝灰岩でできた岩には同じような洞穴がいくつもみられる。そんな中、この写真の中央に見える岩窟墓は Aslantaş;アスランタッシュ とよばれ、その名の通り、大きな2頭のライオンのレリーフがみられる。紀元前8世紀初期につくられたとされる。

ギョイヌス渓谷で出会った現地ライダー。
Svartpilen、前からいいなぁと思ってたけど やっぱこじんまりしてて街乗りには最高そうだなぁ。

Maltaş Monument; マルタッシュ・モニュメント

発掘前は全体が土の中に埋まってたというレリーフは、ミダス王のモニュメントに似た 三角形の破風と四角形の幾何学文様が組み合わさったファサードを象っている。紀元前6世紀前半ごろ。

Frig Vadisi Tabiat Parkı; フリギア渓谷自然公園を走り回る

ギョイヌス渓谷から、北西方向へとのびる道を走っていく。

トルコはそこかしこに湧き水があって、水補給には困らない。

ここらへんの道は、交通量も少なくて メインの道路脇には良い感じのオフロードが沢山枝分かれしている。

カエンダケのような形をした奇岩があったり、

巨大なメスライオンが寝ているような岩や、詳細不明の遺構があって、

少し岩の上にのぼって辺りを見渡すと、独特の風景が広がる最高に楽しい道だった。

寄り道しまくりながら少しずつ進んでいくけど、

脇道が楽し過ぎて、脇道がメインになる。
ここは野営場所によさそうだな、と思って 第一候補として座標をマーク。

この迫力….. Tenere × Frygian Rock.

ここは Demirli の村だったかな。モスクのミナレット頂上がガラス張りになっている。

更にBayramalilerという村を通り過ぎて、どんどん道を上っていくと、

小高い丘の頂上にFrig Vadisi Tabiat Parkı と書かれたゲートをくぐる。

道の東側には丘の頂上に奇岩群が要塞のように建ち並んで、道の西側にはフリギア渓谷の広がる景色に日が沈みつつある。

このままこの道を進んでどこかで野営地を探すが、あるいはさっき座標をマークした場所に戻るか、悩んだけど 結局さっきの最高な場所に戻ることにした。

夏は世界がオレンジ色に輝くゴールデンタイムが長い。

ポイントに戻って、巨大な岩壁の脇にテントを設営。

やっぱりここに戻ってきてよかった。
近くの湧き水から水パックに貯水して、簡単な夕飯を食べた後 満点の星の下就寝。今日も長くて濃い一日だった。

つづく

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