【Kyrgyz Republic episode 9】たまらないリモート感 Song-Kul 湖 へ

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

首都ビシュケクを去り、キルギスの北東部方向へと進んでいきます。しばらく滞在すると、出発するときはかなり鬱々とした気分になることがありますが、不思議なことに 走り出すとすぐに気持ちが前を向き始めます。

ここまでのルート

Burana Tower

ビシュケクから東への道は、思ったよりもつまらない道で、周りには農地や住宅地・小さな村が点々とする。

道中にランドマーク、Burana Tower なる塔があるので、立ち寄ってみた。

ここは10世紀以前、ソグド人の築いた Balasagun;バラサガン という都市があった場所で、940年頃、カラハン朝によって征服されてその首都になった。英Wikiと、現地にあった説明用のプレートで内容が少し食い違うものの、たぶん塔自体はカラハン朝の征服後、11世紀にかけてつくられたんだと思う。

カラハン朝は、Uzgen; ウズゲンの記事でも触れたとおり最初期にイスラーム化したテュルク系の王朝で、なるほど確かにウズゲン・ミナレットと様子が酷似している。

塔の高さは当初45mあったらしく、15世紀の大地震で上半分が崩壊、現在は修復を経て約25mとなっている。このストーリーもウズゲン・ミナレットと同じような感じだ。

サイト内に保存されているユルト。よく見る簡易的な白いユルトと違い、美しい刺繍が全体に施されていて、入口の木の扉も立派だ。

丘に登って全体を見渡すと、塔のやや北側には無数の石像が立っているのが見えるので、下りて近づいてみる。

日本人がこれを見たら、きっと誰もがお地蔵さんを連想するに違いないなぁと思ったけど、どれも9-10世紀頃のモニュメントで、ここチュイ渓谷にはこういった石碑が多数点在している。これらは、他の場所からここに持ってこられたのか、元々ここにあったのか、不明。説明ボードには、特に墓標という記載はなかったけど、英Wikiの記載と、他のグループのガイドさんが話しているのを盗み聞きしたところによると、やっぱり墓標の類らしい。

同じく、10-12世紀ないし17-20世紀の石製工具。

14-20世紀(幅ひろいな・・・)、ブラナ周辺で発見された碑文。文字はアラビア文字。

石碑の上に器用にしゃがむローカル・ボーイ。観光客の撮影ターゲットになっていた。

Song Kul 湖へ

北東部の巨大な湖 Issyk Kul へ向かう前に、やや南へ逸れて Song Kul という湖を目指そうと思う。

特にキルギスは、欧米のサイクリストによく出会う。

途中までは素晴らしい舗装路だけど、

途中からダート路へと入っていく。

途中、通った小さな村。

ローカルな家々と、なぜか2連のキルギスらしいモスク。

ダート路はどんどん標高を上げていく。

幸い道はフラットで、やばい川渡りとかゴロゴロの大石とかはなくて走りはすい。

ただ、細い道が断崖の脇につづいていく様は、ほとんどデスロードじゃねぇか と思える。

概ね標高が上がりきったところで、ゲートがあった。Sary-Cheluk んときと同様時間制限ありか?と思ったけど、幸いただのセルフサービス・ゲートだった。

ゲートを越えてしばらく走ると、湖を含む広大な平原へ出る。標高は3,000m強。気温は15℃くらいだっただろうか。

向こうから馬に乗ってやってきたおっさんとそれを追いかける犬が、道を横断して去っていった。冬は-20℃を下回るこの場所で、逞しく生きる人人。いや、冬は移動するのかな。

Song Kul の周りをぐるっと1周するように「地図上は」道路があったので、とりあえず湖の南側の道から走ってみる。ところどころコルゲーションがひどくて、速くは走れない。

湖の南側は、北側に比べて顕著に天気が悪くて雨も降って来た。ちょうど雲の境目が見えたので、北側に逃げるように走る。

かなりリモートな場所だ。ほとんど人とも車とも出会わない。いつも誰かが出入りしているビシュケクのゲストハウスから来たからか、なんだか急に孤独な気持ちが強くなる。とっくに孤独には慣れてると思ってたけど、なぜだろう 今までで一番といっていいくらいに強い孤独感に襲われた。

途中からしばしば道という道はなくなって、ほとんど轍だけが頼りの草原の中を進む。乾燥してくれてたからよかったけど、これが大雨の後とかで湿地みたいになってたらまじで終わってた。

時たまその轍も枝分かれしてどっちに進めばいいのか分からなくなる。スマホのGPSとコンパスで、およそ見当をつけた方に進んで、道を間違えないように気をつける。

湖の北西側に到達するにつれて、周遊道と湖面が近づいて、この広大な湖が見えて来る。キルギスの中では Issyk Kul に次いで2番目に大きな湖なのだ。

こんなリモートな場所にも、観光客用のユルト・キャンプが点在している。人の姿を見て、妙に安心してしまう自分にがっかりしながら今日の野営地を探す。

ほとんど3/4周くらい周って、湖のほぼほぼ北側にいい場所を発見。こんなん野営地だらけじゃねーかと思うかもしれないけど、周辺はウシとか馬の糞だらけで、あと土地が妙に凹凸としている場所もあって、意外とベスコンな場所を見つけるのに難儀した。

湖の西側に太陽が沈んでいく。時々、遊牧の男が馬に乗って通り過ぎていく。

タンクからちゅうちゅうガソリンを吸い出して、夕飯をつくる。

湖の東側は、湖岸をシルエットにして 空が赤橙に焼けていくのだった。

つづく

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