【Turkmenistan episode 2】白き大理石の街;首都Ashgabat;アシガバートへ

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

トルクメニスタンに入国し、カラクム砂漠のど真ん中に口を開けるガス・クレーターを訪れました。
このまま、ハイウェイを南下し、首都のアシガバードを目指します。

ここまでのルート

ハイウェイを南下 首都アシガバードを目指す

朝、

もう一度ガス・クレーターに寄って 心残りがないようにしておく。

ハイウェイに戻るまでの道は、また何度かフカフカの砂を越えつつダートを進んでいく。

一体こんな場所に何の用があるのか非常に不思議だけど、トルクメン人が旧ソ製のシングルに乗って砂漠の奥のほうへと消えていった。

通称 “The Gate to Hell” と呼ばれるメインのクレーター以外にも、いくつか同じようなクレーターが存在するようで、ハイウェイ沿いにすぐ行ける場所は寄ってみる。

こっちは”Water Crater” という通り、巨大な穴に水とガスが同時に湧き出していた。これらも地獄の門と同時期に、ソビエトの天然ガス探査ないし掘削などによってできたものらしい。

旧ソ製 UAZ の4×4.

ハイウェイに戻って相変わらずのボコボコ道を南下していく。トルクメニスタンにはいって、ラクダは再びヒトコブにもどった。この辺、バクトリアとヒトコブの棲み分けが面白い。

後半になるに従って、だんだん道の状態はよくなる。Darwaza 付近ではまともに真っ直ぐ走れなかった道も、ほぼ6速120km/h巡行が可能な道に変わる。

首都のAshgabat; アシガバートに入る直前、ガイドの車が横に逸れて工場のような場所に入るから何かと思ったら、どうやら郊外を走って汚れた車は首都に入る前に洗車しなければならないんだと。独裁的な中央政権にありがちな、特定の都市に対する徹底した潔癖政策のようにも思える。ただ、バイクは走行後いきなり水をかけられるとシリンダー周囲の金属が急冷されてよくないので洗浄を断った。

Ashgabadの街

いよいよアシガバート中心部へと入っていく。いままでの茫漠とした砂漠から雰囲気は一変。世界にも稀にみる大理石でつくられた街が姿を現す。

欧州の「美しい」街並みとはまた違った意味で「美しい」、非常に高度に管理化されて 区画化された街が印象的だ。

The White City の異名を持つ由縁は、主にイタリアのカッラーラ産白大理石が大量に使われたこれらの建物で、ほとんど全ての建造物が大理石でつくられている。表レートが崩壊している国とは思えない豪奢ぶりも、やはり独裁国家ならではといったとこか。
この手の情報に関しては概ね「現実よりも悪く」世間に流布されている事が多いというのが今のところの実感で、「中央アジアの北朝鮮」という不名誉な異名もそのうちのひとつかな、なんて思っていたけど、実際トルクメニスタン国内に入るとネットはほとんどイランと同じような状況でサブスクのVPNを購入しないと一般的なSNSをはじめとしたネットワークにはつながらない。特にメディアに関する情報統制はかなり厳しいようだった。
国境なき記者団曰くの「世界最低レベルの報道自由度」というのもあながちオーバーではないのかもしれない。
この白く輝く大理石の建物たちは、そんな独裁中央政権と 首都以外での貧しい暮らしや経済破綻を覆い隠すものだと揶揄される。

Turkmenbashi Ruhy Mosque

まぁとりあえずそんな事は置いといて、この白の都を見て回ってみる。ここは中心からやや北西に位置する巨大な白亜のモスク、Turkmenbashi Ruhy Mosque.

トルクメニスタンの初代大統領 サパルムラト・ニヤゾフ氏の廟としてフランスの企業によって2004年に完成した新しいモスク、内部へ入ってみる。

礼拝室は一度に10,000人以上の収容が可能で、2階部分は女性の礼拝スペースとなっている。

シャンデリアの無い中央天井。

まるでオペラ劇場のように美しい反面、”Turkmenbashi; トルクメンの父” を自称・他称されるニヤゾフ氏への個人崇拝色が強いことから、敬虔なイスラム教徒からは忌避される傾向すらあるという。

それが原因かどうかは知らないけど、管理人が訪れた際も中には誰もいなかった。勿体ないというか、なんだかモスクが可哀そうな気分になった。

モスクのすぐ脇にあるこのドームが、サパルムラト・ニヤゾフ氏の霊廟。内部は写真撮影禁止だった。

Old Nisa

今から2,200年ほどの昔、紀元前現在のトルクメニスタンがある領域から、南西方向のイランまでにかけてを支配したパルティア帝国(アルサケス朝)の古代遺跡がアシガバートの郊外にある。

遺跡の名前は Old Nisa. 諸説あるものの、パルティアの最初期の都ではないかともいわれている。

入口付近、遠くから望むニサの遺跡。王宮というのが一般的な見解のようだけど、一体なんの建造物群なのか定かではないらしい。

内部には沢山ヘビがいるらしいので、注意しながら進む。

紀元前10年の大地震によってほぼ完全に崩壊したというニサの面影は、今となってはセットルメントのみがオリジナルとして見られる。その背後に見える山脈の向こうはイランだ。

遥か昔、この場所で人々が行きかって 談笑して 生活していた姿を思い浮かべてみる。そんな時は、イランで出会った人たちの顔を思い浮かべるのだった。

Ashgabat を飾るモニュメントたち

アシガバートを走っていると、それこそ数えきれないほどのモニュメントや特異な形の建物が目を惹く。

山の斜面に見えるのは TV Tower.

庁舎の集中するエリアは特に大理石の主張が強い。

トルクメニスタンが黄金に輝くGlobe を頂くビルは外務省、

ライターの形をしたビルは石油・天然ガス省、

コブラの首をイメージした形のビルは健康省、

そしてトルクメニスタンならではの馬省(?)なんかもある。

Monument of Neutrality. トルクメニスタンの永世中立を記念して建てられた塔で、頂上に輝く黄金像は、初代大統領のサパルムラト・ニヤゾフ氏。

アラバイの愛称で有名な、セントラル・アジア・シェパードの黄金像。世界一強く、そして主人に忠実な犬種といわれている。トルクメニスタンをはじめとした中央アジアが原産。

中心部にある独立記念公園内の Independence Monument. その周りには、セルジューク朝創始者の Mohammet Togrulbeg ;トゥグリル・ベグや黒羊朝3代君主 Qara Yusuf; カラ・ユースフなどの偉人像が並ぶ。トルクメン人の起源といわれるオグズの古代民間口承 Dede Korkut; デデ・コルクートの中で語手である Korkut Ata; コルクート・アタの像もある。コルクート・アタは実在した人物なのか謎。

塔には双頭ならず5頭の鷲が。セルジューク朝の紋章は双頭の鷲だけど、それと関係があるのか、どういう意味なのか不明。

幾本ものトルクメニスタン国旗が並ぶ、独立公園一景。

トルクメニスタン、ひいてはイスラームのシンボルでもある八芒星は、Rub El Hizb; ルブ・エル・ヒズブ といって、トルクメニスタンの国内いらるところで目にする。

2016年に設置された、馬に乗る2代大統領グルバングル・ベルディムハメドフの金箔像はまるでナポレオンの様相だ。

Akhal Teke

先に「馬省」があることを紹介したように、トルクメニスタンは古来から良質な馬の産地として知られている。国章の中央に馬を配置するほど国家のアイデンティティに関わる動物なのだ。現存する馬の中でも最古種といわれ、イングランドのサラブレッドをはじめとした各種の血統に影響を与えた Akahl Teke; アハルテケだ。フェルガナの汗血馬や、アレクサンドロス大王の愛馬 ブケパロスもこの種だったといわれている。

アシガバート近郊にある厩舎にやってきた。

ここで、現在のトルクメニスタン産アハルテケを見せてもらうことができた。アハルテケ特有の金属光沢を帯びた黄金色の毛並みと、筋骨隆々とした体躯が美しい。耳が長く、アーモンド形の目が特徴らしい。

一般的に茶系統の色で知られるアハルテケにも、色々な毛色がある。

Ertugrul Gazi Mosque

アシガバート市内にある、特にランドマーク的な美しいモスクにやってきた。見るからにオスマン様式だなぁと思ったら、案の定トルコ人建築家によって、オスマン帝国の建国者オスマン1世の父 Ertugrul ; エルトゥールル の名を冠してつくられたモスクだった。

最初の門を入ると、スクエアにメスキータを連想する列柱間のある中庭がある。

白と金が美しいムカルナスで飾られた第2の門をくぐって内部へ。

ミフラーブ。

特に注目したいのが美しいステンドグラス。

まるでモダンアートのようなパイプワークで中央から吊るされた照明と、アーチの縞模様が相まって独特な雰囲気を醸し出していた。

プーシキン像とレーニン像

詩人プーシキンの胸像と、

そのすぐそばにあったレーニン像。

こうなると、タジキスタンでレーニン像をパスしてしまったのが改めて悔やまれる。

ロシアン・バザール

アシガバート市内にロシアン・バザールがあるというのでやってきた。

謎のオブジェの周りに、沢山の店がならぶ。バザールは屋根で覆われていて、半室内といった感じだ。

普通のコーラとかクッキーに、

たぶんMorghab川で捕れたであろう魚。

観葉植物なんかも。

瓜類やトウガラシ。

新鮮なフルーツ。

ちょっと移動すると日用品に変わる。

洗剤やら化粧品やら。

ここは伝統織物が沢山置いてあるエリア。国旗にもカーペットの紋様があしらわれているように、トルクメニスタンにもこの類のお土産が沢山ある。

この靴下ちょっと欲しかったな・・・

この小さい鞄なんかも普通の旅行だったら意味もなく買って帰りたい。

安定のスパイスコーナー。いい加減スパイスの勉強でもしてバザールにならんでるこれらを見て分かるようになってたいところだけど、いまだにチンプンカンプンである。

肉類も豊富に並んでる。

やっぱりMorghab川で捕れた、、、、ナマズ??

つづく

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