【Republic of Tajikistan episode 7】パミールの旅を終えて 緑の家へ帰還

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

アクバイタル峠から、ナイトランを敢行して一気にホログまで戻った翌日、やや寝坊して帰路を進みます。

カライクムへ ナイトラン再び

この道は、来るときに通った道なので、なんとなくどんな路面状況になるかは走っていてわかる。ホログ→カライクムであれば、前半は村々を通過する穴だらけの舗装路+ダート から、後半はほぼダートになる。

昨日かなりのペースで走ったせいか、どうやらゼーニャのフロントがパンクしていたようだ。空気圧を測ると0.7まで落ちていたので急いで修理を敢行する。

ゼーニャのF800 は、ここまでブレーキパッドの脱落や、シールドの脱落、そしてパンクに、この後キャリアボルトも1本脱落する。それだけにパミールを走る振動はひどい。4輪の旅人たちも、サスペンションをやられてロシアからパーツの輸入待ちをしている人も何人かいた。

しかして、我がテネレはノートラブル。いや、実はノートラブルではないんだけど、少なくとも道中に応急処置しなければならないような事態は起きなかった。

昨日の夜雨が降った影響か、アフガニスタンとの間を流れるパンジ川は往路の静寂さを失い、まるで荒れた海のように轟轟と流れている。

雲の流れが速い。晴れ間と曇天が信じられないようなスパンで入れ替わる。

道端に咲くのはオオルリソウのなかまだろうか、アルカロイディーな雰囲気がまた美しい。

サッカーをするアフガンの子供たち。

寝坊+パンク修理により、「今日もナイトラン確定だね」と笑い合う管理人とゼーニャ。もう完全に恐怖心と不安心が麻痺してる気がするけど、危機管理能力が低下してるわけじゃない。

美しいアフガニスタンの田畑と、そこで作業をする女性達。

アプリコット売りの少年たち。いつもはスルーするけど、この時はかれらの売り文句にひっかかってみた。

10ソモニ(=130円くらい)で袋一杯くれたので、食切れず後ろに縛る。

途中は件の工事区間もさることながら、大きな落石の撤去作業なんかもあったけど、バイクは待つことなく通してくれた。

あぁそういやこんなとこ通ったかも、みたいな気分で進んでいくけど、なぜか思ったより道を悪く感じない。慣れってのは怖いもんだ。

修理したにも関わらず、空気圧の低下が止まらない。30~50km走るごとに空気を入れながら進んでいく。管理人持参の空気入れが大活躍した。

復路は、道が西を向くと西日がパンジ川に反射してきれいだった。

ただ、そんな夕暮れ時はすぐにいなくなって、気づいたら夜の山道になる。予想通り今日もナイトランだ。

もしもドライビングランプを付けてなかったらと思うとぞっとする。「必要かなぁ?」と思いつつ施しておいた車体モディファイが、ことごとく役に立つのは嬉しいけど、正直やっぱり夜はあんまり走るべきじゃないね。

川の向こうにアフガニスタンの集落がある場所では、ポツポツと、その家々から光が漏れてのが見える。真っ暗な山道を、ドライビングランプの光だけを頼りにして慎重に進み、カライクムの街の光が見えた時は また強い安堵感に包まれた。

ドゥシャンベ  緑の家に帰還

さて、真っ暗の中なんとかカライクムの街に辿り着いた翌日は、ついにこのパミールの旅を終える時だ。
来た時は南のルートだったので、復路は北ルートを、と当初は考えていたけど、ゼーニャのフロントタイヤの空気圧問題があるので、舗装状態のよい南側を、再度通って帰ることにした。
それに、今となっては ワハーン後半~パミール高原の絶景を十分に堪能した後なので 特に心残りもなかった。

あれだけのダートを走った後だと、「状態の良い舗装路」ってのがいかにありがたいか身に染みる。普通に6速にはいること、100km/h以上で巡行できること が全て良き舗装路の恩恵であると思い知らされる。

相変わらず、空気を補填しながら進む。

Kulob; クリャーブの街までやってきた。ここは、タジキスタンのラフモン大統領の生誕地で、写真はこの都市の2,700年の歴史を記念して建てられたモニュメント。

またも、普段はスルーする路上のメロン売りに引っかかって、

メロン休憩。メロン売りの少年たちと、元締め(?)のじっちゃん。一時は中国の税関で没収されそうになったHelleのナイフ、返ってきて本当によかった。

そして出発後すぐに通った Nurek;ヌレークダムを改めて眺めつつ、

ドゥシャンベのグリーン・ハウスに戻ってきた! 無事帰還の喜びをゼーニャと分かち合う。
こうしてブログにすると、わずか5記事。だけど実際の感覚としては、長い冒険から帰ってきたような気分だ。ただでさえ冒険であるソロのバイク世界旅の中においても、飛びぬけてADV感が強い8日間だった。いや、ADV感とかいっちゃだめだな、これは もはや海外のオーバーランダーにさえ誇れる True Adventure だった、そう胸を張って言える。

パミール後のテネレ

力強く タフにパミールを走りきてくれたテネレ。

どこもかしこも固まった泥や砂ぼこりで覆われて、パミールの過酷さを物語っている。
こいつと会話ができるなら、本当におつかれさまと言ってやりたい。

ゼーニャとは、本当にいい友達になれた。いつかカムチャッカの彼の家を訪ねて、一緒にカムチャッカのバカでかいヒグマを見に行きたい。パミールが終わったのは正直ほっとした部分もあるけど、彼とこうやって助け合いながら走るのももう終わってしまったのかと思うと、寂しい気持ちだ。まぁでも旅というのは目まぐるしい出会いと別れの連続、まさに人生の縮図だ。流れる時間が、全てを日に日に疎くする中で、次なる出会いと風景がその残光の上にまた積もっていくだけのことである。

つづく

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