【Republic of Iraq episode 16】イラク最後の街、バスラでの日々

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

イラク南部の広大な湿地帯を小舟で巡りつつ、そのまま南東へと進み、イラク再南東部の街 Basrah;バスラを目指します。

ここまでのルート

チグリスとユーフラテスの合流点と”アダムの木”

チバイッシュの村を去って、南東方向へ進んでいく。相変わらず埃っぽい道だ。

小休憩で停まった村。

ガチョウは食用なのかな。

チバイッシュからバスラへ向かう道の途中には、あの有名なチグリス川とユーフラテス川が合流するポイントがある。
まぁなんてことはないんだろうけど、せっかくだから寄ってみたいもんだ。

そしてここがその合流点。向かって左側から来るのがチグリス川、右側から来るのがユーフラテス川。合流した川はシャットル・アラブ川としてペルシャ湾に向かう。

ここまで来たぞ感。

そしてその近くには “ADAM’S TREE” と銘うたれた古木がある。旧約聖書の楽園追放で、アダムとイブの2人が食べたという知恵の実が生っていた木だ。
勿論実際にそう考えられているというより、何かしらの記念の意味合いでここに保存されているらしかった。

Basrah 着

バスラの街が近づいてきた。

路肩にたまに現れる住居は殺風景だ。大型幹線道路の中央帯にはダーイッシュとの戦闘で殉職した兵士の写真が飾られている。

Basrah Bikers の Adnan氏が迎えに来てくれた。バスラの街では普通にホテルに泊まることになった。大都市になればなるほど、居候ってのも難しくなるのかもしれない。

Captain Ali の隠れ家

バスラに滞在している間は、不規則に色んな場所を訪問した。

ここは Basrah Bikers のリーダー Ali氏のバイクを置いている小さな工場。

店中が工具やバイク関連の置物で溢れていて、いい雰囲気だった。

ピストンやプラグ、チェンなどの廃材をつかってスタッフがつくったという作品が並ぶ。

今ではあまり見ることのないサッダームのメダル。

案の定イラク・バイカーズのステッカーだらけになったテネレのスクリーン。

バスラ旧市街

とある日、Ali に連れてきてもらったのがバスラの旧市街。

一帯には歴史的な建造物が多く保存されていて、旧市街というよりは歴史地区を形成している。

とはいえ、あまり保存状態が良くないようで、印象としては歴史地区というよりただの廃墟に見えてしまう。周辺のゴミもひどい。

そんな中にも、修復が進んで美しい状態に戻りつつある建物もある。

19世紀後半、シャットル・アラブ川の下流域は Emirates of Muhammara; ムハンマラ首長国といって、現イランの一属州だった。その首長であった Khazal bin Jabir al Kaabi の家だった場所らしい。

ここはまた別館の室内。ミュージアムとして整理・公開されていた。

美しい中庭。

ゴミが全て撤去されて、全ての建物に修復が施されたら、さぞ美しい町並みになるだろうなぁ。

サウジアラビアのジェッダで見た Rawashin;ラワシン を思い出す特徴的なバルコニー ➡【ジェッダ 歴史地区を訪ねる】
ここでは Shanasheel; シャナシール と呼ばれる。

とにかく川が汚い。

修復作業が進む建物のひとつに入れてもらえた。

きっとまた30年後くらいに来たら、見違えるほどに美しい建物が立ち並ぶ、そう かつて「中東のヴェニス」と呼ばれた頃の景観を取り戻しているかもしれない。

それは楽しみだ。

Imam Ali Mosque

曇天続くバスラだけど、いろいろと見て回る。ここは Imam Ali Mosque.

最初につくられたのは 635年頃と、やはりイスラーム史上もっとも古いモスクのひとつ。
火事や洪水などで、オリジナルやその後の再建物も失われ、今ではこの特徴的な基底部分をもつモスクが建っている。

敷地内には、おそらくアッバース朝のころに再建された建物の残骸と思しき部分が保存されていた。

バスラのスーク

バスラ市内は広く、小ぎれいで近代的なエリアから 異臭ただよう不穏なエリアまで様々だ。その中にはスークも無数に存在している。

とある日にやってきた、とあるスークの様子。

デーツ製品はまだまだどこにいっても主力。

カラフルなフルーツたち。今のところの経験上、そんなにおいしいことはない。

シャットル・アラブ川で採れる魚。フナだよな、たぶん。

屋台で焼かれるハンバーグ的なのと、少し大型の魚。

この肉は水牛のらしい。

市場感がすごいぞ。

パンはうまそう。

その場でにんじんをミキサにかけて出てきたジュース。

にんじんの味がしなかった、けどにんじんじゃなかったのかな、わずかに土のにおいがするものの、味はけっこういけた。

商店街も市場も消えて、全てが巨大コングロマリットに吸収されていく世界と比べると 何が失われて、何が貧しさなのかが分かったような気分になる。

Basrah Corniche

とある日、Basrah Bikers のメンバーのひとりの職場にやってきた。記念に、ということでワイヤレスイヤホンもらっちゃった。
メタボンさんとかゆーしとのオンライン会話で使えるから、ちょうどイヤホンを買おうかと思っていたのでありがたい。

ちょっと怪し気な屋台。

ロシア製と中国製のナイフなんかが沢山置かれていた。

バスラの白バイ。キーホルダーかっこいいなぁ。

色んな店に連れて行ってもらった。

Hassan 氏と夜走った時の一枚。軍服のスタッフとゲートがものものしい。

シャットル・アラブ川沿いにひろがるバスラの街は、川沿いの一部がきれいなコルニッシュとして整備されている。
特に Italian Bridge の周辺は出店や地元の客でかなり賑わっていた。

ライトアップされる噴水と周遊舟から眺めるItalian Bridge.

周囲には色んなタイプの屋台が軒を連ねている。

Hssan撮, 図らずも頭に翼が生えた。

バグダッドに比べれば交通量が少なく走りやすかったけど、場所によっては謎のオフロードとなって、やっぱり夜に走るのはかなりエキサイティングだ。

てなわけで、イラクで最後の街となるバスラでの有象無象雑記でした~。

つづく

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