【Republic of Iraq episode3】古都バグダッドを行き交う喧騒とスマイル

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

中東の古都、バグダッドは人口800万人近くを擁する大都市。交通渋滞も、いままでのどの都市よりもひどく、すさまじい喧騒が常に飛び交っていた。
そんなバグダッドの2023年1月現在の様子を、また雑にただ羅列していこうと思います。

イランビザ取得

とある日、在バグダッド イラン大使館にやってきた(木の後ろに見えている建物)。グリーンゾーンのすぐ近くにある。
次に入国する大国イランのビザをゲットするためだ。

かつてイラン・イラク戦争で争った両国だけど、終戦後の1990年より国交回復している。現在のイラク政府はシーア派を中心として(サッダーム政権時は支配層がスンニ派だった)いることもあってか、両国の関係は緊張しつつも安定しているのかもしれない。
親イランのシーア派組織がイラク含む各国各地で活動を展開する中、「イランからアラブを守る防波堤」という大義が、今でもイラクの肩にぶら下がっているのかどうかはわからないけど、とりあえずバグダッド市内にはイラン大使館があり、ちゃんと機能していてくれた。

大使館周囲は7~8mはあろうかというコンクリートの壁で囲まれていて、どこから入ればいいのか分からない。

と、ちょうどそこに警察官が通りかかったので、入口を聞くと 連れて行ってくれた。

入口はこのコンクリートの壁のわずかな隙間にあって、そこには鉄格子と警察犬が待ち構えていた。
入口で財布以外、スマホ含む全ての携行品が一度没収となり ボディチェック、パスポートのチェックなどの後に入場を許可される。
警察犬は爆弾検知の訓練を受けたシェパードだった。

スマホもなくなったので内部の写真は一切とれなかったけど、外から見えた大きなビルではなく、その後ろの小さな建物内にビザ用のカウンターを見つける。

実は、イランのビザ申請は既に前もって済ませてある。Overlanding Iran で知り合ったエージェントにpaypalで、確か€120 を支払い事前に上のようなバウチャーを発行してもらっていた。これをホテルのプリンターを借りて印刷し、大使館へ持っていくことになっていたのだ。

カウンターでプリントしたドキュメントを渡し、33,000 IQD = 約2,500円の手数料を追加で支払うと、ほんの5分程度で紙媒体のvisaが手渡された。

これがそれ。思ったよりも簡単に手続きが終わって一安心だ。
イランビザはeVisa申請のHPもあり→【Iranian eVisa apply】、個人でも取得は可能だと思うけど 現在イラン国内の状況を鑑みるにイラン在住のエージェントを介した方がスムーズになると思う。特に空路ではなく、陸路でイラクからの越境になるため その事情を踏まえた上で連絡をとれる現地人がいたほうがいい。

バグダッドの夜

広いバグダッドのほんの一部しか見て回ることはできないけど、とりあえずチグリス川東岸近くの繁華な場所を巡ってみる。

サウジ以南のGCC諸国では、外国人労働者以外の現地男性はほとんどソーブ(あるいはディスターシャ、キャンドゥーラ)という民族衣装を普段着として着ていたけど、ヨルダン以降は逆にほとんどの人は西洋風の(フツーの)恰好だ。でもやっぱり正式なお祝いの場などでは件の衣装を纏うこともあるみたい。

食事ができると思って入ると、いやうちはジュースだけだよ なんてこともよくある。

これは、ホンモノかな? いい雰囲気の工務店。

バグダッドを東西に分けるチグリス川には、沢山の橋がかかってそれらを架ける。

とある夜、Iraqi Bikers が集合しているというので、合流しに行ってみたら、とんでもない数のバイクが集結していた。

 

ここは Adhamiya とよばれる一画で、そのチグリス川河畔には これがイラクか、 と思ってしまうくらいにラグジュアリーな空間が広がっていた。

 

露天のケバブ屋と通りがかりのにいちゃん。

イラクも酒に対する制限はかなり弱い。街には酒屋が沢山ある。

酒屋のことを現地では Haram shop; ハラムショップ と呼んだりする。ハラムとは、つまりイスラムにおける罪のことだ。

 

また別の区画。ここにはスーツ系の紳士服屋が集中してる。

ちょっと道を間違えると、それだけで場合によっちゃあ何十分も時間を無駄にしてしまう。

デーツ専門店とバグダッドの歯医者。

八百屋に、ん、スパイダーマン?

 

道路は常にクラクションで満ちている。デカいポテチみたいなのが袋詰めにされて売られてる。

DIAMOND MALL という近代的なショッピングモールも発見した。

歩道側には露店が並んで、両サイドにものが溢れている。

ゴールド・スークな一画も。

ピザ窯のような焼き窯で薄く広げたパンを焼く男と、とうもろこしのぶら下がった屋台の男。

今度は女性用ドレス(?)専門店もあった。シリア、ヨルダンでは女性も西洋的なフツーの服装が多かったけど、イラクにきてまたアバヤに身を包むか、ヒジャブで髪を覆う女性が多い。

ポートレートを頼まれるのはいいんだけど、後から写真を送ってくれと頼まれるのが最近めんどくなってきた。バグダッド市内の交差点では警察官が人力で交通整理を行ってる姿をよく目にする。

 

 

バグダッドにはそこらじゅうに沢山の像がある。とくにRoundaboutの交差点には中央になにかしらの像が建っていることが多い。これは空飛ぶ絨毯の像。
銅像のモデルは千夜一夜物語のワンシーンだったり、イラク国内で有名な詩人なんかにまつわるものが多い。

この中東の古都をバイクで走りまわるのは間違いなく素晴らしい経験だったけど、・・・辟易するくらいに運転マナーは悪いし、なにより渋滞がひどすぎる。
逆走上等・無灯火当然・信号なんて関係なし 追い越し車線で停車して 2車線道路に4台並ぶ これがデフォルト イラクの道路。
お、なんか語呂よくまとまった。

Baghdad旧市街とMutanabbiの古本道路

またとある日、バグダッド旧市街的な場所に向かってみた。

道路の両側には列柱で支えられた古い建物がずっと奥までつづいている。

旧市街で働く男たち。

オスマン帝国時代の建物だろうか、ちょっと年代がわからないけど、焼け色のレンガとバルコニー、そして壁面の彫刻が目を惹く。

旧市街は多くの人で賑わう。台車を押してる商人も多く、そのまま台車が店舗にもなっている。

押し寄せるトゥクトゥク勢と人力車。その波をうまく退けながら走るしかない。思いやりなんて見せてたら、一生進まない。

一際気になったアーチの奥に広がる世界。

売られてるものは現代のものも含めて様々だけど、

その雰囲気で、まるで中世のアラビア世界に迷い込んだような場所だ。

なんだか何に使うのかよく分からない道具が天井から沢山釣り下がっている様子と、

そんな店が所せましと並んだ風景は、まさに大好物な景観だった。

ストーブとか買いてー。

生け簀で跳ねるデカいフナ?

そんな旧市街をやや北上していくと、

コリドーに囲まれた商店街と、そこからつづく Mutanabbi Street へと向かう。

ここはバグダッドでも有名な本屋街だ。道路に出された台に、あっちもこっちも本が並ぶ。

日本語を発見した、、、太宰治に芥川龍之介、なるほど日本の作家別アラビア語訳か、、、ん?毛利小五郎?

2007年には自動車による爆弾テロによって大きく損傷したというこの通りも、

今ではすっかり平穏な活気を取り戻しているように見えた。

たぶん中華製 125ccたち。

日本だと神保町って感じだろうか。

その場でフルーツをミキサーにかけてジュースにしてくれる。

城壁のようにつづく小路と露天本屋のおじいちゃん。
「エジプト人が書き レバノン人が出版し イラク人が読む」なんて言葉があるみたいだけど、確かにこの通りだけ見るとイラク人はさぞ読書好きなんだと、お思えてしまう。

似顔絵屋。

今までにないビビッドオレンジの コナーファ。

通りの一番奥には、アッバース朝時代の詩人 Mutanabbi の像がある。

チグリス川をゆく遊覧船の駅と、キシュラミュージアムの時計塔が見える。

旧市街を抜け、適当に走っていると、驚いたことにバグダッドにもカトリックの教会があるようだ。

St.Joseph Latin Cathedral.

こんなかんじの像は、市内に無数にある。80年代バアス党によって押し進められた公共事業の一環でつくられた作品のひとつだろうか。

でかい道路脇にサラっと現れる人力舎商店。沢山の果物が売られている。
イラクの国土中央部~南部はいわゆる「肥沃な三日月地帯」で有名なメソポタミア平原が広がる。そんな豊富な農作地で採れた果物なのかもしれない。

チグリス川の川岸の一部は、公園のようになっていた。

きれいに整備されてる、って感じではなかったけど、人類最古の文明を生んだ大河に沿って散歩するのもいいもんだ。

バグダッドを縦断するチグリス川の一景。

チグリス・ポートレート。

てなわけで、なんとなくゆるふわバグダッド写真集でした。

つづく

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