こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
アカバから入国したヨルダンも、南から北へ貫くように各地を巡って、次は北でヨルダンと国境を接するシリアに入国します。
シリア入国に関して
外務省の海外安全ホームページでは、シリア全土に最大レベル4「退避勧告」が発令されている。
ISISの掃討に伴うアサド政権管轄面積の増大によって以前に比べれば非常に安定している状態とはいえ、未だ内戦がつづいていることに変わりのないシリアに入国するのはかなり悩ましい判断といえる。
この地図は、ヨルダン越境後に出会ったドイツ人旅行者から得た最新のシリア全土勢力図。
首都ダマスカスを含むオレンジ色の部分はアサド政権、すなわちシリア政権の勢力下で「極めて安全」との事だった。
Overlanding The Middle East の掲示板にて海外旅行者の経験談などを見ても、シリアに関しては数が少なく、そもそもシリアを迂回するルートが多い中、現地のエージェント Sana の連絡先を見つけることができた。
早速連絡を取り、バイクでのヨルダンからの越境が可能かなど 色々と相談をした上で、シリア入国へと踏み切った。
※シリアへのバイクでの入国は個人では不可。現地 Ministry of tourism より認可のあるガイドの伴走(escort)が必須。
※在ヨルダンシリア大使館などでVISAの申請をしてもほぼ100%ビザは発行されない。
※シリア国内はチェックポイントが多数点在しているため、特殊な許可証がないと普通に走行するのもままならない。
ここまでのルート
シリアへ越境
ヨルダンとシリアの国境はmap上で2か所確認できるけど、安全なのは東側なのでそちらへ向かう。
Sana と国境で待ち合わせとなるので、まだ暗い内に Mohammad邸を出発する。
Mohammad は爆睡していて起きなかったから、悪いけど鍵は開けたままになっちゃった。
ヨルダン北部、シリアとの国境に近づいていく。
さて、本来は国境緩衝地帯などの写真を沢山載せたいところなんだが、さすがにヨルダンーシリア国境は必殺コンデジ隠し撮りすらする気にならなかったため写真は撮ることができなかった。
唯一、ヨルダンの出国を終え、シリア側でアライバル・ビザや強制保険が発行されるのを待っている間、職員が出してくれたマテ。
金属製のストローで少しずつ飲む。
シリア国境と聞くと、なんだか殺伐としたイメージをする方も多いかもしれないけど、職員は皆フレンドリーで、マシンガンを持ったまま “Welcome to Syria” と笑顔で話しかけてくれる。
Border Information
Border Point : Nassib Border Crossing (Syria)
DEPARTURE
Carnet stamped
Departure fee : 10 JOD → person
25 JOD → motorcycle
No covid
ENTRY
No carnet
No covid
Arrival visa : USD 30 → Single entry for 15 days
IDP/Registration Certification confirmed
Vehicle insurance : USD 40 3 months
Vehicle customs fee(?) : included in the insurance fee(?)
ヨルダンの出国手数料も含め、全て現金。
シリアの諸費用にはUSドルが使用できる。ちなみにアライバル・ビザの費用はスタッフにより上下が激しいみたいで、今回たまたま Nassib 国境は Sanaの叔父さんが担当者だったこともあり、30ドルと割安で済んだ。
かなり立派な保険カードが発行された。今までは全部紙っぺら1枚だったんだけど。
他、よく分からない色々な書類が発行された。とりあえずシリア国内走行中はこれらを全部ジャケットの胸ポケットに入れておいて、チェックポイントですぐに取り出せるようにしておく。
ついにシリア国内を走る
というわけで、無事越境を終え、ついにシリア国内を自分のバイクで走るに至った。
まぁ景色的には特に何かが大きく変わるわけでもないけれど、長らく内戦によって到底走ることはできないと思っていた国を今走っているんだという実感が湧き上がってくる。
今回シリア内での同行を担当してくれたガイドのSana.
美しいシリア人女性。
首都ダマスカスへ
そもそもなんでそんなに大変な思いをしてまでシリアに入国したかったというと、ダマスカスに訪れたかったからだ。
「ダマスカス」と聞くとナイフ好きの人とかはダマスカス鋼を思い浮かべるかもしれないけど、歴史が好きな人は世界で最も古い都市のひとつであることをご存知だと思う。
ヨルダンの首都アンマンからわずか200km程度の距離にありながら、せっかくここまで来てスルーするのはあまりに口惜しい。
別に歴史家でもなんでもないけど、世界史が好きな一個人として ダマスカスは憧れの地だったのだ。
ダマスカス市内の喧騒はなかなか凄まじいものがあった。ガイドの車に必死で付いていきながら わずかな隙間にぶっこんでくる現地のドライバー達をかわすには 多少ラフな運転をするしかない。
オールド・ダマスカスの一画に到着。ダマスカス滞在は、ガイドの指定したホテルに滞在することになった。
自分で選ぶことができるのかどうか、分からないけど バイクの駐車スペースの事とか周囲の治安を考慮して選んでくれていると願って、ここは平従いすることにしよう。
おまけ
シリアの紙幣 1 SYP(シリアン・ポンド)= 約0.05円 現地では”lira; リラ” と呼ばれていた。国境で足りなかった10ドル分を、シリアン・ポンドでもらったのだった。
アサド大統領の顔が印刷されたものと、そうでない古い紙幣が混ざっている。
つづく