【State of Qatar episode 9】ドーハを去り、カタール唯一の世界遺産 Zubara Fort アル・ズバラ考古遺跡へ

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

テネレの修理待ちにて長らく滞在したドーハを、ようやく去る時がきました。

AL Zubara Fort へ

さてどこへ行こうか、と考え カタールに唯一存在する世界遺産のズブラー砦へ向かうことにした。

Back to the desert って感じ。
この延々とつづく不毛な地平線にもだいぶ慣れてきた。

カタール半島の北端に位置するアル・ズバラ地区は地政学的に交易の要所として栄えた場所で、半島の先端部分が一種の独立国のように機能していたという。

19世紀初頭 部族間紛争によって都市は破壊され、その後1938年 Sheikh Abdullah bin Jassim al Thani によって建てられたのが Zubara Fort で、現在唯一現存している。破壊されて消滅した他の建造物などは砂の下に埋もれているらしい。
その一部は少し離れた場所で都市遺跡として見ることもできる。

入場料無料
特にチェック事項なしの完全フリーエントリー

城塞はかなりこじんまりしたサイズ感で、2分程度で簡単に回りを1周できるくらいの大きさだった。
周辺は工事中で騒がしかった。おそらくワールドカップ開催に伴う来客増加に備えて、なにかしらの設備を充足させているんだと思う。

入口の重厚な木の扉。
中東の建物は民家も含めて扉に注目すると面白い。

内部はシンプルなスクエアで、見回るのにそんなに時間は必要なかった。

通路の一部には丁寧な展示と説明が設置されている。

たまたま居合わせたオーストリア人の観光客と写真を撮りあった。
もしもカタールへ訪れる方がいたとして、絶対におすすめするかと言われたら、レンタカーと自由な時間があれば行ってもいいけど、制約された時間やバス・タクシーなどを使って行く労力を考えたら、そんなにおすすめはできないかな というのが正直な感想。

カタール出国に向けて南下

カタールのビザはなぜか8週間もらえていて、まだ余裕があるっちゃあるけど、ドーハでお腹いっぱいになったのでこのまま南下していって国境を越えようと思う。

それにしても、これだけ国土の大半を不毛な砂漠に覆われていながら 国民一人当たりのGDPは世界ランキングで8位なんて・・・、いかに燃焼資源を産出するということが強いか思い知らされる。

カタール半島西海岸の街、Dukhan

アル・ズバラから半島の南側へと走りを進める。

100kmと少しで ドゥハーンという街に着いた。
写真は市内から少し離れた海岸沿いの未舗装路。ちょうど夕方になってきたので、夕日が見られるかと思ってやってきた。

ドゥハーンはカタールで最大の油田のひとつであるドゥハーン油田を擁する街で、国営のカタール・エナジーによって特別に管轄されているらしい。
サイトによってはカタール・エナジーからの許可証がないと街に入れないという記述もみかけたけど、普通に検問などもなく市内に入る事はできた。

砂漠の向こうにフレアスタックが見える。川崎の浮島を思い出す。

予期していた通り、カタール半島の西に沈んでいく太陽を見ることができた。

燃えるような夕日と、それを反射してできた海面の緋色のボーダーを、小さな木造船の影が越えていく。

カタール警察にたたき起こされる

夕日が沈むのをぼんやり眺めつつ、完全に暗くなる前にテントの設営を済ませる。

完全に暗くなり、遠くでフレアスタックが燃える音が聞こえるなぁなどと思いながら眠くなってきたところで、車のヘッドライトが近づいてくる気配がする。

酔狂なジモティーが遊びにきたのかな なんて呑気にしていると、サイレン的なのが鳴ってこっちに何か叫んでいる。
うわ、警察だ・・・

時間は既に夜中の12時をまわっていたが、無視するわけにもいかないのでテントの外に出る。
「ここはダメだ」
「まじか、でもこの暗いなか移動するのきついんですけど・・・・」
「ここは政府管轄地域だからダメだ、今すぐ移動してくれ」
「わかりました・・・」

産油国の油田界隈はいわゆる Diwan 管轄エリアみたいな感じで写真撮影だったり野営が禁止されている場所がある。
思いっきり何もない海岸だから大丈夫だと思ったけど、ここはダメだったみたい。
まさかこんなとこにまで見回りがくるとは・・・

こっちとしては他の国を走らせてもらっている身分なので、まさに郷に入っては何とやら、で おとなしくヘッドライトを付けて撤収作業に入る。

深夜1時 カタール半島西海岸 史上最速記録といってもいい猛スピードで撤収をして移動する。

カタール警察の優しいところは、暗い中ずっとヘッドライトで周辺を照らしてくれていた上に、代替えの野営地まで誘導してくれるというところだ。
日本の警察は、海外のバイク乗りが日本で同じ状況だった時、同じことをしてくれるだろうか、人によるか。

Route

約210km.

つづく

Aioon

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