【世界ツーリングの相棒は?】排気量は?・オン/オフ/デュアルパーパス? 車重やタンク容量….?

こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。

世界をバイクで駆け巡る
となったときに、最も重要な決定事項のひとつとして

旅の相棒にどのバイクを選ぶか

という問題がありますね。
どれくらいになるのか明確には分からないけど、かなりの長期ツーリングになるわけで、相性が悪いと相当辛い事になりかねない・・・(まぁ慣れるだろうけど)。
ということで、旅の相棒バイク 現時点での候補と、それにまつわるあれやこれやを書いておこうと思います。

世界ツーリングのバイクに求められること

はっきり言ってしまえば、
「どんなバイクでもやろうと思えばできる」 とは思います。
国内の世界ツーリングコミュニティの間では有名な「バイクの松尾」さんは、ホンダのワルキューレで世界140か国を駆けている・・・!たぶん荷物いれたら400kgオーバー?とても旅向きのバイクではない、、、

バイクの松尾さん ホンダ・ワルキューレ  https://blog.goo.ne.jp/smile8404-2586/e/4ca1ecd1c8a199761f7ab5157e198f75 より

ガソリンで走り、それなりに荷物が積めれば、そりゃ走れはするでしょう。ただし、国境を越えて、様々なコンディションの道を走るという事を考えると、やはりいくつかのスペックを考慮したほうが賢明なのかなとかまともな事を言ったりします。

そういった文脈では、世界ツーリングのバイクに要求される事としては、自分なりに以下のようなことがクリアされたらいいのでは? と考えています。

①燃費が良い
燃費がよければ少ないガソリンで沢山走ることができます。
②より多くのガソリンを積める(タンクがでかい)
これは①とあわせれば「無補給走行距離が長い」ということになります。道があればほとんどガソリンスタンドに困ることはないみたいだけど、もし無補給区間を走るとなったら、重要な項目ですね。
③パーツアベイラビリティが高い
海外でバイクが壊れたら?それこそパーツ交換が必要な故障など、レアな車両や特殊なモデルだったりするとパーツそのものが手に入らなかったり流用できなかったりします。なるべく汎用的なモデルにすることで世界各国での修理ハードルが下がるのは確かでしょう。
④構造が単純
壊れた時に必ずしも近くにバイク屋があるとは限りません。サイアクの場合砂漠や荒野のど真ん中で動かなくなるということも想定はされます。もちろん、手がつけられなかったら誰かが通るのを待って助けてもらうしかないのですが、例えば単純な問題であれば自分で解決するのも大事。ただ、あまりにも構造が複雑だと、やはり自分で手をつけられる範囲も狭くなってしまいますし、エンジンの気筒数などで言えば、より少ないほうが単純。電子制御システムなども構造を複雑にしているもののひとつといえるでしょう。
⑤積載能力が高い
長期の旅になれば、それこそ 衣食住をバイクに積む ことになります。テントにシェラフに冬用の服にバーナーに・・・ 世界ツーリングの荷物はめっちゃ沢山あります。これらを安定して積み込むことのできるシステムが純正で供給されていたりすると、非常に積載のブラッシュアップが捗ります。
⑥オン・オフ両走行性がある(デュアルパーパス的な)
本末転倒な話をしてしまえば、各地域ごとに適したバイクを乗り換えてしまえば、それが一番効率がいいのかもしれませんし、レンタルバイクや現地での購入・売却を繰り返し旅をしている人もいます。ただ、やはり「自分のバイク」で旅をつづけることに拘りたいのです。当然世界中には様々なコンディションの道路があって、アスファルト、林道、砂漠、沼地、荒れ地、・・・・ 、ガッチガチのオンロードバイクや、逆にガッチガチのオフロードバイクに偏るのは微妙。舗装路でも悪路でも、どりらにもほどよく対応できるのが理想的といえます。
⑦取り回しがしやすく乗りやすい
バイクは乗るだけではなく、時には手で押して移動しなければならないことも。こうした時取り回しも当然簡単なほうがいい。また、足つき といって、停車時バイクに跨った状態でどれくらい足が地面に接地するかというのも大事ですね。長く付き合えば慣れるかもしればいけど、小さなストレスが蓄積する可能性もあります。ストレスは少ない方がいいでしょう。
⑧軽い
取り回しと被りますが、軽ければ軽いほど取り回しはしやすいですし、船に搬入するときや、時には車に積むとき、そして一番多いのは転倒から引き起こす時 軽ければ軽いほど楽です。「軽さは正義」はまさにその通りで、悪路での不意な挙動を抑え込むにも有利です。
⑧車体価格が安い・人気がない
これは「盗難」に対する考えで、やはり人気モデルや高く売れるようなバイクは標的にされやすいです。なるべく人気がなくて、盗んでもしょうがないようなモデルは、盗難にあう確率も減ります。また、車体価格が高いと、通関手続きを簡略化するカルネの補償金も比例して高くなってしまうのかな?

う~~ん、挙げてみると結構色々あるもんだ・・・
さて、これを全て満たす世界ツーリングのために生まれてきたようなバイクはあるだろうか、、、、
結論からいうと ない

そう、ないんですね。こんな条件を全て満たすバイクはない。たとえば、ガソリンの積載量が多いとなったらビッグタンクってことで、ビッグタンクを備えるのはアドベンチャーモデルやデュアルパーパスと呼ばれる大型車両がメイン。となれば当然車重は重くなり、取り回しも大変。このように、両立可能な項目もあれば、トレードオフな関係の項目もあるわけです。従って、これら全てを満たすような夢の車両は無いといっていいでしょう。
そんな中でも、以下に 今まで頭に浮かんだ候補バイクたちを挙げてみようと思います。

ホンダ スーパーカブ ハンターカブ 系

言わずと知れた世界の名車 カブ

2019年 モーターサイクルショーにて ホンダ CT125
https://advrider.com/f/threads/winter-motorcycle-riding-pics.622892/page-72 

出前の爺さんが乗ってるイメージの強いカブですが、実はすさまじい燃費と世界中での普及率を誇ります。従ってパーツアベイラビリティも高く、しかも構造も単純。ハンターカブなどでは積載性もかなりあり、荷物もけっこう積めそうです。車体も軽いため取り回しも足つきも良好。車体価格も安い と、かなりの項目をクリア。しかし、やはり排気量が小さいため、長距離の走破性能や、悪路の走行性に不安はあります。エンジンのパワーは基本非力なので、どうしても行けない場所がでてきそう。

低排気量オフ車 系

https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/serow/touring/ より ヤマハ ツーリングセロー
http://www.picautos.com/imgs/13569-honda-xr-250-baja/2/#gal_post_13569_honda-xr-250-baja-02.jpg より ホンダ XR250 Baja

多くの先輩ライダー達が、低排気量オフ車を選択しています。ヤマハのセローやレイド、それにホンダのバハやCRF250、スズキのジェベルなどが代表例でしょうか。
いずれも250㏄前後のクラスで、この排気量のオフ車はとにかくタフです。もともとはオフロードをガンガン走るために作られているわけですから、作りも堅牢で単純なものが多いです。泥などの汚れにも強く、各所が詰まったりしないような工夫もされています。そして車重は多くが130~150kg程度で、倒れた時の引き起こしがしやすい。燃費は車種によりますが概して良い反面、タンクはあまり大きくないため、無補給区間を行く場合は予備のガソリンが必要になりそうです。あとは、やはりシングル(単気筒)なため、振動が大きく、あんまり速くは走れません。悪路を行く際には最高の相棒でしょうが、広大な一本道などではエンジンをひぃひぃ言わせながら大型トラックに追い越されることになりそうです。悪路を避けるためシート高は高めで足つきもそこまで良くはありません。

ミドル排気量のオフ車 系

https://bikeandphoto.ru/ より たぶんホンダ XR650
http://advdreaming.com/index.php/2017/04/12/aaron-mitchell/ より  スズキ DRZ400

これは、先の「低排気量オフ車径」のエンジンが強力になったバージョンといって差し支えない?タンクはやや大きくなるため連続走行距離は増え、舗装路での高速巡行も問題なくこなせます。車高が高く足つきが悪いのは同じで、その代わり悪路の走破性は抜群でしょう。車重も160~180kg前後といったところで、十分引き起こしができるレベルです。車格もそれなり大きいので取り回しなどに難がでてきますが、そのかわり車体の左右などに積載の余地が沢山あります。パニアなどを利用すれば、かなりの荷物を積むことができるかもしれません。

低排気量アドベンチャー 系

https://besthqwallpapers.com/de/motorr%C3%A4der/suzuki-v-strom-250-abs-2019-vorderansicht-neue-motorr%C3%A4der-schwarz-gelb-v-strom-250-116014 より スズキ V-strom 250
https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/versys-x250/ より  カワサキ Versys250
https://www.royalenfield.com/in/en/motorcycles/himalayan/ より Royal Enfield Himalayan

最近非常に人気が高く、メーカーとしての販売実績もよいというアドベンチャーモデル。アドベンチャーモデルというだけあって、旅をするバイクとして備えるべき特徴を沢山もっています。舗装・未舗装 両方を走ることを前提につくられており、傾向としては オン寄りの性能ながらオフもある程度楽しめる というニュアンスでの設計が多いでしょうか。パニアやエンジンガードなどのオプションも純正・サードパーティから多数用意されており、旅用にカスタマイズすることも楽しみのひとつとして定着しています。そんなアドベンチャーモデルの中でも低排気量クラスは、比較的車重が軽く取り回しがしやすい。だいたい180kg前後なので、荷物を積んだままでもなんとか引き起こしはできそうですね。燃料タンクも16~18Lくらいの容量があるので、走行距離も問題なし。エンジンにはやや非力感があるかもしれませんが、2気筒のモデルが多く、不快な振動などはシングルに比してかなり少ない印象だと思います。

ミドルクラスアドベンチャー 系

https://www.triumphmotorcycles.jp/bikes/adventure/tiger-800 より トライアンフ Tiger 800
https://www.kawasaki.co.uk/en/products/Dual_Purpose/2019/2019_Versys_650_Grand_Tourer/overview?Uid=08FDCgwLClsLWQtcXl0OXFBQXFEOWg1bXw5YUFAMXAwNW1k より カワサキ Versys650
https://www.advpulse.com/adv-news/tenere-700-accessory-packs/  より ヤマハ Tenere 700

先ほどのアドベンチャーモデルの中でも700~800㏄といった排気量を誇るモデルたち。当然、アドベンチャーバイクとしての素養を多く備えているため、悪路の走破能力に加え舗装路での高速巡行も快適に行えるでしょう。タンクも18L前後といった容量で,無補給走行距離も伸びます。そして何より魅力的なのはこの風貌!まさにアドベンチャーバイク。旅の相棒として頼もしい顔つきに、大柄な車格。こんなバイクに荷物を積み込めば、まさに旅感満載なことは必須です。ただ、このクラスになるとやはり車重はかなり重くなってきます。車種によりバラつきがあるものの、だいたい200kgオーバーになるのではないでしょうか。実際問題、取り回しや引き起こしなどにどうしても力が必要になってくるのは否めません。正直そういった意味では体格を選んでくるバイクかと思います。また、現行車種であればこのクラスは各メーカーのセカンドグレードだったり、場合によってはデュアルパーパスのフラッグシップに近いモデルとなってきます。当然ABSやトラコン、その他複雑なライディングモードなどの電子制御が盛り込まれている場合が多く、これは勿論良いことなのだけど、視点を変えれば不必要に複雑になってしまっていると捉えることもできます。

ビッグアドベンチャー 系

https://i.pinimg.com/originals/02/98/42/0298425ce74fe608f410d38fa5536275.jpg より ホンダ CRF AfricaTwin
https://cumali.ga/bmw-gs-fans-bmwgsfans-%E2%80%A2-instagram-fotos-und-videos/ より BMW GSシリーズ
https://www.instagram.com/p/BxVuh7OHlVA/?igshid=19e0von9l265b より ヤマハ SuperTenere 1200
https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/versys1000se/ より カワサキ Versys 1000
https://www.topspeed.com/motorcycles/motorcycle-reviews/yamaha/2019-yamaha-tracer-900-tracer-900-gt-ar179362.html より ヤマハ tracer 900
https://www.suzuki2wheels.be/fr/modeles/adventure/suzuki-v-strom-1000-xt-xtreme より スズキ V-strom 1000

これぞアドベンチャーバイクの王者、といわんばかりの車格と風貌。もはやガンダムの領域。デュアルパーパスとしての舗装・未舗装問わない走行性能、十分な積載スペースやそれを可能にするオプションの数々、ビッグタンクは場合により20Lを超え、無補給航続距離は500kmを超えることも。リッタークラスの排気量ともなれば、高速での安定性も抜群でストレスも少ないでしょう。大陸での大距離移動にこれほど適したバイクはないといっていいかもしれません。ただし、当然いいことばかりではなく、各メーカーのフラッグシップにあたるリッタークラスアドベンチャーモデルは、ABS・トラクションコントロール・電子サスペンション・DCT・各種ライディングモードが盛大に盛り込まれている場合が多く、快適性や安全なライディングをサポートする一方、素人には全くお手上げの複雑怪奇な電子制御となっています。壊れなければいいものの、もし何かあったら、、、。また、車重は250kg前後となり取り回しは非常に重くなります。フル積載で転倒したらまず荷物をある程度外さないと引き起こしは困難でしょう。ましてや沼地や足場の悪い場所でこんなバイクが転倒した時の事を考えるとゾっとします。どちらかと言えば舗装が多く、悪路でも見通しのよい大型の道を行くのに適しているといえるかもしれません。

管理人のバイクは

世界ツーリングの相棒候補達をみてきたが、管理人が今乗っているバイクといえば・・・

ゴリゴリの90年代レーサーレプリカ、ホンダ CBR400RR NC29。
このバイクは本当に乗りやすくて、低速トルクは貧弱だけど、速いし、2つ目ライトがカワイイし、大好きだけど、世界ツーリングには全く向いていません。

荷物は積もうと思えばけっこう積めるのですが、悪路を走ることはできませんし、長距離にはポジションがきつ過ぎる。
そもそもがサーキットで楽しむようなバイクだしね😊

今のところは・・・・

さて、様々なアドベンチャーバイク候補達をみてみましたが、あなたならどんなチョイスをしますか?
全てにおいて最高のバイクがあればいいのだけど、先述の通りそんなバイクは存在しません。自分の旅がどんな旅なのか、どんなルートなのかを考えて、妥協するところは妥協しないといけない。
そんなこんなでどうしようかと悩んでいる中、こいつなんじゃないかと心をとらえているのが、ミドルアドベンチャークラスにあたる

2020年モデルの YAMAHA Tenere 700

2019年モーターサイクルショーにて

実は、家の真裏にホンダドリーム店があるため、これも何かのご縁だ、とかいってアフリカツインにする気満々だったのですが、車重や自分のライテク、取り回しのことやアフリカの悪路に行く事も考えると、ちょっと扱いきれない気がしてきたのです。
もう少し排気量を抑え、高速巡行も可能で、できれば振動を抑えられるように2気筒、かつ車重は200kg前後に・・・・
とか悩んでいる管理人の目の前に、東京モーターサイクルショー(2019)でヤマハの新型テネレが現れたのです。

Tenere 700 スペック

約700cc の、まさにミドルクラスアドベンチャー。
車重はガソリン満タンで204kg、タンクも16L。実際跨ってみて、足つきはアフリカツインの方がよかったのですが、まぁ許容範囲。おそらくパニア用のフレームなど純正のオプションも多数ラインナップされることでしょう。2気筒エンジンはMT-07由来で、単気筒のような不快な振動や加速の悪さなどもなさそう。
先輩ライダーであり、よき相談相手であるメタボンさん(メタボンの地球ZIGZAG→https://metabon1975.com/)のレビューでは、旧型のXT660シリーズ(海外向けモデル)は単気筒で加速性やミッションのレシオに難ありとのこと。新型テネレではこのような点があまねく改善されているということらしい。

そしてこの Tenere700 、なにが良いって今ドキ現行モデルにしては珍しく電子制御がABSしかついていないのだ。
各種ドライブモードはおろか、トラコンもついていません。

マシンを極力シンプルにし、純粋なアドベンチャーモデルに仕上げる

という開発陣の哲学と、優れたエンジン特性だけで煩雑な電子制御をカバーしてしまえるというエンジニアリングな自信が、ひしと感じられる潔さですね と分かったようなことを言ってみる。
正直、これは確かに魅力的です。アフリカツインに比べて価格が安いのも大きな魅力といえます。ただ、いくつかのインプレにあるように、スタンディングポジションでの安定性を求められることでシッティングだとややハンドルが遠いような事が書かれているのが気になります。これは試乗してみて確かめる必要がありそうですね。

まとめ

世界中のあらゆる場所を駆け巡る という過酷な条件をもとに、いくつかのバイクをカテゴリ別にみてみました。
それぞれに特性があり、全てに長けたバイクというのは無いなかで、自分なりには「ミドルアドベンチャークラス」が最適なのでは という結論に帰着しつつあります。
そしてそんな中 今年発売されるヤマハの新型テネレ・・・

2019東京モーターサイクルショーにて

また、実際に試乗などしたら記事にしようかと思います~👍

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