こんにちは、世界放浪2輪旅中の管理人です。
ギリシアからイタリアへ渡って、まずやってきた Alberobello; アルベロベッロ。
この「イタリアっぽさ」をぎゅうぎゅうに凝縮したような名前の街は、世界遺産にも登録されているかわいらしいトンガリ屋根のトゥルッリが今でも現存する街なのだ。早速、センターへ向かってみようと思います。
朝、Alberobello センターへ
朝、アルベロベッロ郊外のキャンプ場にて起床。
簡単に朝食を済ませて、撤収→ センターへ向かう。
最もアイコニックな Trulliz Zone とよばれるエリアに近づくにつれて、トゥルッリのトンガリ屋根が沢山出て来る。
修復されたてのようなきれいなものから、だいぶ年季の入った あるいはほとんど半分崩壊してるものまで、いろいろあるけど とにかくファンタジー感が半端ないぞ!早くもイタリアすごすぎる。
そしてやってきたTrulliz Zone, 車両は侵入できないので テネレを停めて徒歩で徘徊スタート☞
Alberobello Trulliz Zone
さすがの西欧世界遺産ということもあって、観光客も多い。
中東~中央アジアを旅していると、とても世界遺産とは思えないような寂れた場所も多かったけど、まぁこれが普通だよな。
Rimone Monti; リモーネ・モンティとよばれる 観光客向けに整備されたエリアを歩いていく。
ここいらはカフェやお土産屋も多くて、観光地として楽しめる雰囲気。
トンガリ屋根の頂点にあるモニュメントや、屋根の側面に白く描かれた紋様は、元々は魔除け的な意味があったらしい。
ディテールが、ディテールが違うんよな・・・やっぱり・・・
このトゥルッリ盆栽セットみたいなの欲し過ぎるだろ。
トゥルッリが建てられ始めた16-17世紀、ここサレント半島はナポリ王国の領域だったけど、当時のナポリ王国はスペイン王国に対して従属関係があったから、住居に応じて租税義務があった。この特徴的なトンガリ屋根のトゥルッリの由来のひとつに、そんな税から逃れるために 取り壊しがすぐ簡単にできるように ということがあったらしい。
実際、1644年のナポリ王国の徴税官の報告書に スペインからの監督に際して家屋解体が行われたことが記載されてるんだとか。
少し坂を上ってリモーネ・モンティから外れると、ちょっとローカルな住民の居住区域も広がっている。
未だに、このトゥルッリを実際の家屋として暮らしている人々がいるんだねぇ。
ちなみにアルベロベッロの姉妹都市のひとつには、日本の白川郷も入ってる。
街中の白壁に飾られていた古い写真。年代はわからないけど、雰囲気的に1940~60年代の写真かなぁ。
やっぱ写真っていいねぇ。
18世紀初頭のスペイン継承戦争の結果、ナポリ王国の従属する王朝は ハプスブルク朝から、最終的にフランスのブルボン朝に代わって、ルイ14世の孫だったフェリペがフェリペ5世スペイン王として スペイン・ブルボン朝がはじまる。
このフェリペ5世の息子であるカルロス3世が、ナポリ・ブルボン朝の初代国王となるわけだから、血統をたどればフランス人がナポリ王になったことになる。日本人の感覚からすると違和感マックスだけど、当時のヨーロッパではこんなようなことだらけだったわけだ。
そんな初代ナポリ・ブルボン国王のカルロス3世の更に息子であるフェルディナンド4世の治世だった1797年、長らくアルベロベッロに敷かれていた農奴性が解放される。これによって、Acquaviva d’Aragona; アックアヴィーヴァ・ダラゴーナ家による封建領主体制は崩れて、住民たちはようやく土地と家屋を「所有」する権利が認められたのだ。
200年以上前 こんな小さな南イタリアの村で起きたそんな出来事は、南イタリアにおける封建制の廃止にむけた大きな1歩だったといえる。
アルベロベッロ産の特性リキュールが並ぶ。バラやレモン、オレンジなど 色々なフレイバーがついたガラス瓶入りのお酒はお土産にピッタリ。
西ヨーロッパにきたらもう見られないと思ってた野良猫が全然いて嬉しい。
ちょっとだけセンターから北側にバイクで移動してやってきた、
双頭の鐘楼が特徴的な Church of Saints Cosmas and Damiano.
1885年の建築。
ついこの間まで見てたブルガリアやギリシアの正教会とは、ガラっと雰囲気の変わった ツインタワー・ファサードの新古典主義様式だ。
イタリアといえばカトリックのお膝元であることを思い出さされた。これからしばらくは、教会の雰囲気はこの調子だろう。
教会の名前の由来である二人の聖人の木像と、入口上部のパイプオルガン。
Trullo Sovrano という歴史博物館。
ってなわけで、おおげさでもなく”おとぎ話の世界” ”絵本の世界” から飛び出してきたようなトゥルッリの密集地帯 アルベロベッロの徘徊録でした。
Trulliz Zone から離れ、郊外に出ても 石灰岩のトンガリ屋根がまだまだつづく。
途中通りかかったアーモンドの畑。
春には桜みたいにアーモンドの花が咲くんだろうねぇ・・・
西日を浴びて輝くアーモンド畑の足元には、セイヨウダイコンの白い花がまるで絨毯のように敷き詰められていた。
つづく