こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
カザフスタンの大都市アルマティに到着し、まずはオイル交換やらなにやらをお願いするバイク屋探しをします。今まで中央アジアを走ってきて出会ってきたライダーが皆、「アルマティにはいいバイク屋があるよ」と言っていたので ちょっと期待です。
Moto Salon Yamaha
検索するとバイク屋は沢山でてきたけど、YAMAHAのディーラーらしき店が見つかったので訪れてみた。Moto Salon Yamaha. 概観で店の規模はけっこう大きそうなのが分かる。
店員さんに色々整備をお願いしたい旨話すと、裏口に案内された。すると 予想していたよりかなりデカいガレージが現れる。
ちょうどイスラエルからのライダー、Evy と Alon がKTMの1290 super adventure を整備で持ち込んでいるところだった。彼らとはアルマティ滞在中何度か一緒にバーに出かけたりさせてもらった。
Alon の前後リムは、ひどいリム打ちでバランスが崩れてしまっているようだ。まぁ皆、色々あるよね・・・。
手前のイケメンが今回世話になったメカニックのKurmet氏。
1日目 タンクとの格闘
高圧のホースを勝手に使ってよさそうだったので、まずは洗車。
メインの整備工場内。設備はかなり整っている。
整備中の車両。
エンジンオーバーホール?
とりあえず荷物の類を全て外して、工場内の一画に置かせてもらう。
今回やっておきたい整備は、
・前後タイヤ交換
・オイル交換
・フロントフェンダーの応急追加
・タンクの亀裂再修復
・クーラント補充
・ドライブチェン交換
と、けっこう盛りだくさんだ。タイヤの取り寄せまでに少し時間がかかるみたいなので、それまでファクトリー内でタンクの作業をさせてもらうことになった。
問題はタンクの亀裂の再発。
パミール走行後に、ドゥシャンベのバイク屋でけっこう徹底的に修繕したつもりだったけど、材料のガソリン耐性がイマイチだったみたいで既に剥離した隙間からわずかに漏洩が開始していた。
今回何ともラッキーだったのが、このアルマティのバイク屋でたまたま出会ったイスラエル人ライダーの2人が、ガソリン耐性のある良い材料を持っていたことだ。しかも「おれらは沢山あるし、Lyuの方が旅が長いから、好きなだけ使っていいよ」と言ってくれたのだ。
管理人は知らなかったのだけど、ドイツの WURTH; ウルト という会社のプラスティック用補修材で、実際にプラタンク補修の用途としても使われていてガソリン耐性も問題ないとのこと。専用のガンでベースとキャタリストを混和しながら注入できる操作性もいい。よくぞ、持っていてくれた・・・まじ感謝。
だが問題は、ドゥシャンベでガッチガチに塗布した古い材料を、まずは取り除かなければならないことだ。一部は剥離しているとはいえ、かなり分厚く材料を盛っているから、過不足なくこれを除去するのが容易じゃない。Evyもかなり手伝ってくれて、途中昼にコーヒー休憩などはさみ、
お前らここの従業員か? と言われそうなくらい入り浸って作業すること6時間くらいか、
ファクトリーのエアツールとか、まぁそれは色々な道具を借りて、
ようやく両側の古い材料を概ね全て取り除くことができた。
管理人のタンクを外す作業があまりにも早かったため、Evy と Alon に「タンク外すの何回目だよ笑??」と聞かれた。確かに、普通のユーザーはタンクの取り外しなんてそう何度も自分でやることはないもんなぁ・・・。
この日、古い材料を取り除いたタンクの問題部分に、まず第1層目の補修材を流して終了となった。その頃には工場ももう閉まるところで、ほとんど丸々営業時間入り浸らせてもらってしまった。
そして早くも前後のタイヤが工場に到着。明日、交換作業をしてもらうことになった。
フロントは Mitas Enduro Trail +
リアは Michelin Anakee Adventure
2日目 タイヤ交換、チェン交換など
翌日も、朝からMoto Salon Yamaha にお邪魔する。これが裏のガレージの入口。
この日ファクトリーに入ると、既にテネレは作業台の上に乗せられタイヤの交換が完了していた。
オイルは再びLiqui Moly. ただし Street Race ではなくて Off Road を使ってくれたみたいだ。
新しいタイヤっていいねぇ。Pirelli の Scorpion Trail 2 は実にヨルダンのアンマンで交換して以来30,000km 以上も粘ってくれた。しかも舗装路だけではなく、パミール含むかなりのダートも込みなので、もうすでに限界ぎりぎりだったと思う。
ドライブチェンは、日本から持ってきておいたものに交換。RKのゴールドチェン。チェンもヨルダンのアンマンで、たまたま在庫していたDID製のチェンが30,000km以上がんばってくれた。すでにシールがリンク部分からはみ出していたり、走り出しで ガタンッ、ガタンッ という謎の異音を発していたので、やはり交換時期だったと思う。
イラクで応急で付けてもらったフロントフェンダーは、ネジごと折れてしまっていたので、Kurmet が旋盤からネジを削り出してくれて、
KTMのフロントフェンダーを応急でつけてくれることになった。
Kurmet がそんな作業をしてくれている間、
管理人はタンクの方に第2~3層目のレイヤーを追加したり、他のパネルの破損の補修を行ったりしていた。
いつできたかもはや分からないリアパニアの破損なんかも見つけられてよかった。
ってなわけで、諸々の作業を終えて。フロントフェンダーの影響ですっかりKTMっぽくなったけど、これでまたしばらく気持ちよく走ることができる。
Kurmet と。工場内を色々と勝手に使わせてくれてありがとう。
つづく