【Republic of Tajikistan episode 3】パミール高原への旅 ~まずは序か、パミールハイウェイの入口 Kholog; ホログを目指す

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

ドゥシャンベでの諸々の準備を終え、ついにパミールへと旅だちます。

ここまでのルート

出発

ゼーニャと一緒に、割と朝早めに出発する。この日は、まずタジキスタン側の道がアフガニスタンとの国境と接する街 Kalaikhum;カライクムを目指す。
✔道が悪く長時間にわたってひどい振動が車体に加わること
✔アフガニスタンとの国境付近は国境警備隊が常駐しており野営は難しいこと
など鑑みて、キャンプ道具の一切はグリーンハウスに預けて出発することになった。後にこれが大正解であったと思い知ることになる。

ドゥシャンベからカライクムへの道は、おおまかに北側と南側の2通りのルートがある。事前情報によると、北側は道が悪いが景色がよく、南側は少し長い分舗装状態がよいが、景色はそれほどではない との事。
まずは南側のルートを通って向かうことにした。この南側のルート、2018年にアメリカ人とスイス人、オランダ人のサイクリストがテロ襲撃されて亡くなった場所でもある。

Kalaikhum; カライクムへ

 

Nurek ; ヌレーク・ダムを上から眺望。

チェックポイントにて。

噂通り舗装状態は上々で、問題なく進んでいく。

途中から道の右手には川が見え始める。これがアフガニスタンとタジキスタンの国境を成す川で、一部はPanj; パンジ川と呼ばれる。

 

国境に接する道路を走っている間は、どちらかというとアフガニスタン側の景色の方が目によくはいってくる。こちらよりも更に酷道と呼べる細い道を、トラックやバイクが走っているのが見える。

そんな中アフガンの男2人乗りが走っているではないか、、、

しかし彼らの前には濁流の川が・・・ 男2人「えぇ、、、これ渡るの、、、」

男1「あっ!あそこに橋がある!」
男2「ちょ、置いてかないで!」

男1「押すなよ、押すなよっ、、、!」

男1,2「うん、やっぱ2人で支えて渡ろう」

なんてドラマが垣間見えたりする。

アフガニスタン側の農地も川をはさんでよく見える。

アフガニスタン側の集落。本当に電気もなにも無いであろうプリミティブな風景だ。

途中、なぜかタジキスタンの国境警備隊に荷物を数キロ先の駐屯所まで運んでくれと頼まれる。そんなことある笑??

崖に聳える黄金ドームのモスク。

無事国境ガードの荷物を届け、もうカライクムまですぐというところで、途中、Chorchaman Hills という宿泊施設に見学がてら入ってみる。管理人はあまり興味なかったけど、ゼーニャが興味津々だ。

箱根の彫刻の森美術館を思い出す像や、古代のフォートをモチーフにした装飾が川の両脇に連なる。

施設は広大で、川の上流方向にメインの宿泊施設が建っていた。

そしてこの日の目的地 カライクムに到着。

宿の門に貼られた旅人たちのステッカー。宿はゼーニャが確保してくれていた。ロシア語が話せるパートナーがいると、スタン・カントリーズの旅は100倍はかどる。

宿で見つけた気になるステッカー。これは、タジキスタンとアフガニスタンの国境における地域コミュニティの安全保障促進に関して日本とタジキスタンの間で交わされたパートナーシップに関するものだ。これに関して、日本は多額の無償支援を提供している。
よく「ばら撒き」と批判されるODA、確かにその実がどうやって利用されてるのかとか、諸々の利権がらみだとか、わからない事は沢山あるけど、タジキスタンーアフガニスタン国境の治安維持・向上に日本が貢献しているのであれば、これもまた 世界中のパミールを目指す旅人にとって多大な恩恵なのは間違いない。

到着してすぐに食べたボルシチ。管理人的には大満足のおいしさだったけど、ゼーニャ曰く「これは本当のボルシチじゃない」らしい。

カライクムの街の雰囲気と、

 

街行く人々。

パンジ川に注ぐ支流の両脇に食道のバルコニーなどがせり出す。

ここまでのルート

Khorog; ホログへ

カライクムから次の中継地点 Khorog;ホログ までの道の間には、現在タジキスタン政府が進める大きな公共事業に関わる工事の影響で通行止め区間が何か所かある。iOverlander アプリの情報や、グリーンハウスで出会った他の旅人の情報から通行止めとなる時間が分かっていたので、それを避けるため朝の4時に出発する。

ゼーニャのキャニスターを留めているストラップが緩んでブランブランしてたので、軽くするためにそれぞれ給油。顔が真っ黒。

工事区間は何か所もあって、どこが終わりなのかよく分からなかったけど、概ね通り抜けた後。看板から中国資本が窺える。

工事区間の終わりと思しき場所のチェックポイントにて。

カライクムからホログへの道は、急激にダート化し ほとんどがオフロード走行になる。乾燥も相まって砂ぼこりが凄まじい。

険しい道の雰囲気と、ダート、そして川の向こうはアフガニスタン、ってなわけで いよいよパミールに来たんだなって実感が湧いてくる。

ゼーニャも管理人も、排気量が同じようなもんなので、ペースも似たような感じなのがイイ👍

すごい場所を走ってる。そんな実感を噛みしめながら 迫っては去っていく絶景を脳裏に焼き付ける。
どんなに素晴らしい写真を撮っても、動画を残しても、その時に味わった感動は一度きりだ。人の体験というのは5感だけで語れるものではない。

この道のいいところは、ただひたすら辺境の道を行くだけではなく、この地で暮らす人々の村々が点在しているところだ。特に子供たちはみんな礼儀正しくて、みんな手を振って挨拶してくる。

途中、Rushan; ルシャンの街に着いた。ここからは、南下してホログへと向かう道の他に、ゴルノ・バダフシャン自治州のど真ん中を突っ切って東のMurghab; ムルガブ まで至る Bartang Valley; バルタン渓谷ルートも存在するけど、道が険しく、6月だとまだ道を横断する川の水位が高いらしい。

中央アジアで最もメジャーなエナジードリンク、GORILLA. 味はほとんどモンスターと同じ。

道中発見した白い砂漠な一帯。

いや、どんなポーズよ? それがカムチャッカ流なの?

こうやって好きな場所で好きなだけ止まって遊べるのも、バイク旅の究極的アドバンテージのひとつである。

後半は舗装路になるものの、穴だらけ 亀裂だらけでおよそ舗装路と呼べるような状況ではなかった。

ホログの街に到着。わずか240km程度の行程ながら、休憩やらを含めて10時間くらいかかっただろうか。
ホログは、西側からのパミールへアプローチする上で、パミールハイウェイの入口でもあり、ワハーン回廊への入口でもある。大都市ではないにしろ、かなり整った街だ。現金の確保などは、これより東側で難しくなるので ホログで済ませておくのがいいだろう。

夕暮れのホログの街。

ゼーニャと、乾杯。旅の相棒がいるのも、いいもんだ。

つづく

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