【Islamic Republic of Iran episode9】テヘランでの日々~1. ゴレスタン宮殿とテヘラン・グランドバザール

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

イランの首都テヘランに到達したので、わずかながらこの大都市の魅力に迫ります。

テヘラン・メトロ

朝、この日はゴレスタン宮殿に向かう。

テヘランは地下鉄が発達しているので、せっかくなのでドバイやドーハの時みたいに地下鉄で行ってみることにした。

チケットを買う場所。クレジット端末が置いてあるから、各々がカードを通して出てきたレシートに印刷されてる2次元コードを改札にかざす という仕組みだった。まぁ日本のように列をつくって並ぶなんてことはないので、ぐいぐい行かないといつまで経っても買えない。

路線図。Teleghani という駅から Panzdah e Khordad という駅に向かう。

ホームの雰囲気とか、車輛の感じも日本のそれとほとんど同じ。

混み具合も。女性専用車両や優先席もある。ただ、たまに停電したり、謎のトラブルで強制的に下ろされたりする点は違う。

Golestan Palace

イランには世界遺産が多数あって、それらの入場もかなりしっかりと管理されている。多くの世界遺産は入場料が 1,000,000rial~1,500,000rial の間。ゴレスタン宮殿のような場所では更にadmission として1,000,000rial請求される。それでも、現在イランではインフレがひどく進行しているので、現レートで600円程度だ。サイトが広大で複数の施設が点在する場所では、写真のような器械でチケットを発行すると共に、どの施設への入場を希望するか選ぶ。何も事前情報がないとどれを選べばいいのか迷ってしまう。今回は一番メインの宮殿内のチケットのみ購入した。宮殿内に入らなくても、宮殿の外観は十分に満喫できる。

宮殿施設は広大な敷地が壁に囲まれていて、その中の複数の建物がカージャール朝時代の庁舎や住居として使われていた。カージャール朝は、現イスラム共和政府の前のパフラヴィ―朝、そしてその更に前の王朝にあたる。
美しい噴水路の先に見えるのが、元々ミュージアムとしてデザインされた Salam Hall.

イラン美術の傑出した美しさが敷地を囲む壁一面に見ることができる。

延々とつづく壁面のひとつひとつに、違った文様の装飾がされている。

Shams ol Emareh と呼ばれる建物は、シャー(王)の息子用の住居だったらしい。

ミュージアム内に入る時は、靴にビニールを被せるという徹底っぷり。

19世紀後半にかけて、カージャール朝に関する油絵が多数展示。

19世紀後半~20世紀初頭、使われていた宮殿内の調度品や外国からの贈り物など。
ほんの一部だけ紹介したい。

つづいてメインの宮殿内の様子。これ以上キラキラにできるんだろうかというほどマックスまで絢爛なホールの階段を上ると、

各部屋を見て回ることができるようになっていた。

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最も広いと思われるホールの奥には、

カージャール朝4代目シャーの、Nasser al Din Shah の人形が鎮座していた。40人の妻がいたという彼は、特にヨーロッパ旅行の後芸術への趣向を強めて、今テヘランの多くのミュージアムにあるコレクションも彼によって集められたらしい。

ホールの床面にもイランのアラベスク文様が広がる。

鏡の間や象牙の間など、

数えきれないほどの部屋が宮殿内にあって、そのひとつひとつがこの豪華さ。

ちょっとした通路の壁などにあるタイルワークにも注目だ。シリアのダマスカス、ユダヤ人地区にあった古い屋敷にイランから送られたというタイルとほとんど同じ柄だ。

 

各国から集められた食器類の中には、

日本の食器もあった。これは古伊万里なのかな。

イラン北部に来てから見かけるカラスはなんとも洒落たツートン・カラード。

宮殿内には伝統衣装を纏って写真を撮れる一画があって、イランからの観光客が伝統衣装を纏って写真を撮っていた。写真はスタッフ。

あまりにも施設が多岐にわたるので、かなりうわべだけすくったようなレポートになってしまうけど、時間があるならチケット全部買って1日中見て回ってもいいかもしれない。それでも大した金額になはならないと思う。

Tehran Grand Bazar

ゴレスタン宮殿のすぐ近くにはテヘラン最大のバザールがあるので、ついでに寄ってみた。

バザールの全体像をつかむのはほぼ不可能な巨大さだけど、

近づいていくとこの盛況で、思った向きに進むのも大変な賑わい。

大通り沿いの商店にならぶスパイスやナッツの数々。いつも思うんだけど、店じまいの時どうしてるんだろう。

路地へはいっていく。

テヘランのグランドバザールも、エリアごとに専門店が分かれている。ここはどうやら布や革の専門店が軒をつらねるエリアのようだ。

台車で一服。

更に進んでいくと、ここいらはテヘランバザールの中でも最も古い建物が密集しているエリアだという。

申し訳程度に着いた屋根から昼下がりの光が注ぎ込む。

いろいろと老朽化しまくってるけど、その下で商う人々の活気は衰えを知らないようだ。

もしもイスラーム革命が起きず、イランがどんどんとアメリカナイズされていったとしたら、どうなっていただろうか。

いい味だしてるねぇ・・・

革の素材だけではなくて、それらを加工する工具なども沢山あって楽しい。

ミシン専門店。

ここはおそらく染料の専門店。そして突如現れるバイオリン弾きのじっちゃん。彼とはこの後何度も遭遇した。

靴や靴ひもの店も多い。

鞄や革製品をつくる際の金具などもパーツごとに沢山ある。こりゃあ革職人さんとか来たら楽しいだろうなぁ。

中学の時美術室から借りパクした革加工の道具と同じだ。

世界堂でも見た事ないような道具が沢山あるぞ。

パチもんの匂いがプンプンする系の金具も・・・

ステッカー類。

巨大な荷物を積んだ台車が突っ込んでくるから、気をつけないとまじで轢かれる。

ん~こりゃあ1日中いられる。

いつの間にかアーケードの天井はしっかりとしたドームに変わっていた。

がんがん突っ込んでくる台車。

さて、イランといえばやっぱり絨毯でしょう。

これはまたペルシャ絨毯とは違った各地域の伝統織物。

たしか Camel Wool で織られていると言っていたようなないような。

そして「絨毯エリア」に吸い込まれていく。

ここの雰囲気もかなり最高だった。

上階の欄干にまで絨毯が吊るされて、まさに絨毯ワールド。

どこを見ても絨毯の嵐。

以前の記事でも書いた通り、各都市のシグネチャーがはいった City Carpet は緻密にデザインされ、規定された生産・売買ルートがあるため非常に繊細で細かなペルシャ美術を楽しめる反面、デザインにはやや規格性があって金額もかなり高額になる。一方、Nomadi Carpet とよばれる地域の職人によってランダムに生産されるものは、廉価であり、なおかつデザインもその時の職人のイマジネーション次第だという。

 

にしても、絨毯をみてこんなに美しいと感じたのは初めてだ。中央にコバルトブルーのシルクがあしらわれたこの絨毯は、見る角度によってキラキラと輝いて 本当に空でも飛び出しそう。

カーペット・パネルも数えきれないほど沢山ある。

バイクだから買えないよ、というと 店員さんが、これならシートの上に敷けるぞ と出してくれたウールのミニ絨毯。た、た、たしかにこんなのシートに敷いたらマジでいい感じだな・・・ と買いそうになってしまうが、こらえる。足つきが悪くなるだろ!足つきが悪くなるだろ!お前のバイクはテネレだぞ! と10回くらい自分に言い聞かせる。

無限にも思えるデザインの数々。いや、実際にこれこそ無限なのかも。

もしもいつかまた買いに来るなら、やっぱ個人的にはターコイズブルーが入った絨毯を探したいなぁ。

 

絨毯エリアを後にして、また違うところにやってきた。

まさに Ocea of People !

このコリドーはどちらかというと電化製品や香水といった日用品が密集していた。

途中、香水屋にあったこの実験器具みたいなフラスコが気になってみていると、

“Japon” という名前の香水があるぞ! といってこのバカでかい注射器みたいのをつかってプシュプシュと香水を吹きかけてきた。正直全く日本を感じる香りではなかった。

奥へ行くにつれ人はまばらになり閑とする。

この長いコリドーの奥には Emamzadeh Zeid のモスク・廟があって、

この周りには猫が沢山いたのでちょっとここで休憩することにした。猫モスクといいたいくらいテヘラン猫たちの集会場になっている。

内部は相変わらずシーア派モスクの様相と中央に安置されるZarih.

Azadi Tower

ゴレスタン宮殿、グランドバザールの近くから またまた地下鉄に乗って、今度はMeydan e Azadi という駅に向かう。

駅内には日本と同じように色々な売店があってそれもまたおもしろい。

やってきたのはテヘランを代表するランドマークのひとつ、Azati Tower. Azadi は自由という意味らしい。

画像で見るより巨大で、近くまで来るとかなりの迫力がある。

前パフラヴィ―朝、最後のシャー Mohammad Reza Pahlavi によって、ペルシャ帝国2,500年を記念して1971年に完成した。イランにおけるペルシャ帝国の建国とは、つまり紀元前6世紀のアケメネス朝の誕生を意味する。
東西南北に4つのアーチがある特徴的な形で、

ちょうど夕暮れ時は、アーチの下から西日を望むことができる。

北東方向には もうひとつテヘランのシンボルといえる Milad Tower も見えるので、一石二鳥だ。

イスファハン産の大理石ブロック8,000個で構成される一部には特徴的な彫刻があって、スーラがデザインされている。
60年代~70年代にかけて、主要産油・石油輸出国として富を得始めた国の近代化を象徴するモニュメントなのかもしれない。

てなわけで、写真多めのテヘラン周遊レポートその1でした。

おまけ

地下鉄の売店で買ったチョコパンがうまい。

つづく

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