【Sultanate of Oman episode15】イエメンとの国境の街 Sarfait へ

こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。

サラーラから更に西へ160km ほど行くと、地図上で確認できる最もイエメンに近い街 Sarfayt ( Sarfait ) にたどり着きます。

Sarfait へ向かう

この日も Abdula と共に走った。

Salalah から Sarfait へ向かう道は山岳地帯を抜けるワインディングつづきで、景色も超がつく絶景つづき、全てのバイク乗りにおすすめしたいけど、残念ながらアクセスがとても悪い。

景観スポットに少し立ち寄っても、この日は深い霧に包まれて全く何も見えない状況だった。

やはりイエメンとの国境に近づくからなのか、何か所か検問がある。
リアル機関銃をぶら下げてるので、ちょっと強張るよね。

途中、Abdula が海岸方向のスポットに行くというのだが・・・
だんだん道の様子がおかしくなっていく。

案の定過ぎる。
路面がヌルヌル滑って起こすの大変だった。

海岸線まで出るのは諦めて(地元の4WDも途中で引き返していた)、元の道に戻る。

どっかできれいに洗いたいなぁ・・・

相変わらず、緑の絨毯と濃霧が織り成す景色を眺めながら進んでいく。

雲なのか霧の塊なのかよくわからないけど、強風に煽られて生き物のように動く。

道路脇でおしくらまんじゅうの牛たち、なにやってんだろう?

そして Sarfait の村に着いた。

そこから、更にイエメンとの国境に近づいていくと、突然大雨が降ってきた。
動画の 23:00 くらい、もはや嵐。

まるで
これ以上は近づくな
と警告を受けている感じすらある。

雨ではしゃぐAbdula ,
いや あんまそういう気分にはなれないな。

もうここは国境検問まで数キロの地点。雨が弱まってのでとりあえず先に進んでみるが、

更に手前の検問にて、氾濫が強く通り抜けは無理ということで、これにて引き返すことに。
この先は、7年もの間終わりの見えない内戦がつづくイエメン。
当然、いかなる陸路からの国境越えもできない。
日本ではほぼ報道されることのない、「世界最悪の人道危機」がいまもつづいている。

雨はやんで、青空がみえる。

海沿いの道をまじえつつ、サラーラへ戻る方向へ走る。

途中、柵で覆われた大樹。これはバオバブの古木なのだけど、なぜここにバオバブの巨樹があるのかはよくわからない。

メインの岩山道に出るまでは、まるで日本の田舎道を走っているような感覚すらある。
長野県の国道です
といわれても違和感ない。

来る時は真っ白でほとんど海なんか見えなかったけど、インド洋がくっきり見えるようになってきた。

途中、またAbdula のお祈りタイム。
みなさんも、イスラム教徒とツーリングするときはタイムテーブルにサラート(礼拝)を組み込む必要があるのをお忘れなく。

待っている間、そこいらの牛などを撮って時間を潰す。

まるで南米のようにもみえる。

少し暗くなってきた。
夜中の山道確定。

ドライビングランプは、本当~につけておいてよかった。

途中から、来た時の道に戻る。

完全に日が沈む前の、薄ら明るいような暗いような、

そんな中 自分のテネレで今確かにアラビア半島南端部を走っている、

改めてその喜びが湧き上がってくるのを感じつつ、

夕日に染まる空をミラーに見ながらサララの山岳地帯を走るのは、特別な体験と言わざるを得なかった。

Abdula とは丸3日一緒に走っただろうか、
何の恩着せもなく、ただ色々な場所に引っ張って行ってくれた、ありがとう Abdula !

サララが近づき 街灯の燈が数珠のように行く先に連なっているのであった。

おまけ

Salalah に訪れるのであれば、是非 The Museum of The Frankincese Land にも足を運ぶとよいかもしれない。

入館料:2 OMR(=約720円)
Covid関連:なし

館の正面部分には沢山の乳香の木が並び、中庭の中央にも大きな乳香の木が植えられている。

展示の規模はそこまで大きくないものの、海運史・貿易史・自然史・文化遷移など 精巧なミニチュアと共にこじんまりとまとめられていて、見ていて楽しいと思う。

ミュージアムの外は広大な公園のようになっていて、自由に散策できる。
ベンチなども綺麗に整備されているので、しばらく散歩したりAl Baleed 遺跡まで足を運んでもいいかもしれない。

つづく

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