こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。
UAE最北の首長国の主都 ラスアルハイマを徘徊します。
雨の影響で遠くまで雲がかかり、ところどころに水たまりができている。
降水量が著しく少ない地域では概して排水のインフラが乏しいことが多い。
オマーン半島でここまで雲が空を覆うのも珍しいんじゃなかろうか、雨上がり後の 雲と夕日の織り成す独特の感じは日本で感じるそれとほとんど同じ。
ラスアルハイマ、最も中心に近い場所は 交通量と街の明かりがけっこうあった。
RAK Fish Market へ
翌日、街の徘徊スタート。
ラスアルハイマの都市構造は少しアブダビに似ていて、アブダビはペルシャ湾に突き出す島々が橋で繋がっていたのに対し、こちらは沿岸部に湾が食い込むような形で都市が存在している。
なので、街中を走るとそこいらで入り組んだ湾やそれを渡す橋を見ることになる。
RAK Bridge の東側よりラスアルハイマ湾と対岸。
対岸に見えるのは地図的には発電所のよう。
Ras Al Khaimah の頭文字をとって、RAKというのが一般呼称のようで、街中にはRAK~ という看板や文字列が沢山ある。
ラスアルハイマは古代よりその地政学的な位置から港湾都市として栄えた街。
今でも漁業が盛んというので、地元のフィッシュマーケットに来てみた。
見るだけだけど入ってもいい?
と聞くと いいよいいよ~ といい加減な返事。
しかし、ご覧の通りほとんどの台が空っぽだった。
時間が遅かったのか・・・ にしても綺麗すぎるからいままで魚が載っていたとも思えない。
漁業の最盛期はオマーン湾に冷たい海流が注ぐ冬なので、今はオフシーズンなのかもしれない。
唯一1台だけ魚が沢山載ってる台があったので、魚好きのT氏から現地調査の依頼があったので、早速魚たちの写真を撮らせてもらった。
漁港と湾の奥にはちらほら高層ビルが、そしてさらにその奥にはオマーンとの国境にそびえる山岳地帯が見える。
なんとも懐の深い街。
いままで雲一つない快晴ばかりだったけども、ところどころに碧雲たちこめる空が街の雰囲気を一層いい感じにする。
National Museum へ
ラスアルハイマ市内のナショナルミュージアム。
先述の通り、ラスアルハイマはUAE内でも最も歴史の古い街で、先のアルアインなどが内陸にてオアシスの都市として栄えた それよりも更に前、記述によれば紀元前5000年か、それよりも前にまで文化の痕跡を辿るという。今から7000年も前のことである。もはや悠久すぎて想像もつかない。
いわゆるメソポタミア文明として有名なウルやウルクよりも、更に前のイラク南部文明 ウバイドとの交易があったという。
入場料は5Dhsとられた。今のレートで180円くらい。
PCR陰性証明やワクチンパスの提示はなし。
このミュージアムに使われている建物自体は、1809年~1819年の間に建てられたもので、1920年頃から1964年までの間 ここラスアルハイマ首長国の歴代首長Quasimi家の住居として使われていたという(実際には更に初期のFortがあったらしいけど、1621年にポルトガルに、1820年にイギリスによって破壊されたたしい。)
建材の主成分はやはり石灰(炭酸カルシウム)。
少なくとも当時は、近海からとれるサンゴがその成分の由来だったという。
羽を休めるインドハッカ。
ミュージアム内には沢山の展示があるのだけども、考古学コーナーと武器コーナーが楽しい。
考古学コーナーは 青銅器時代→鉄器時代→~~ と時代を追って展示されているので、とても分かりやすい。
その時期に合わせて出土品が展示されている。
武器コーナーはライフルや旧型のリボルバー、イスラム刀や伝統的なハンジャルなど 男子ならワクワクする武器がズラリと並んでる。
中でも管理人が気に入ったのが
コルト社製の Colt Navy 1851 だ。
ただ、このColt Navy はグリップ背面からフレーム、クレーン、そしてバレルの先端にまでびっしりと彫金が施されている。
同モデルは大量に生産されたモデルだけど、ここまで美しい彫刻のされたものは画像検索をしてもそう多くはない。
シリンダーの写真をよくみると、帆船がみられる。これがテキサス海軍をあしらったもので “Navy” の名の所以でもある。
ちなみに桜田門外の変で井伊直弼が暗殺された際に使われたのが、同モデルの日本コピー品らしい。
見終わった後は、アラビアコーヒーをご馳走してくれた。
味はぁ~ う~~ん、 まぁネスカフェの方がうまいかな。
無名のモスクと港町
廃墟? 中心部には立派なビルもありながら、少し中心から外れればこういった廃墟なのか何のかよくわからない建造物がやたらと多い。
Old Town とよばれる一角の、さらに外れ。
湾の入り口まで来てみた。
RAKビーチ。
ここはさえぎる物なくペルシャ湾が見渡せる。
途中発見した無名のモスク。
白亜の壁に、ドームのなんとも言えないグレーブルーのような色が なんとなく西洋の教会を思わせる色合い。
青い空とのコントラストがほんとにきれい。
こんなにきれいなミナレットにも、しっかりとアザーンを流すためのスピーカーはついてる。
この街はなんか独特だ。空が気持ちよく青い下に、店店のカラフルが賑やかで、その遠くには人を寄せつけないようなJebel Jais の山肌が見える。
もうひとつモスク。
こちらは Sheikh Sultan bin Saqr Mosque.
うってかわって純中東派といった雰囲気のモスク。
魚眼広角で撮ってみた。
Corniche al Qawasim
入り組んだ湾には小島も浮かんでいるので、ところどころは大きな川のようにも見える。
そんな湾の脇には きれいに整備されたコルニッシュがやはりあった。地元のややお金のある側の人たちは 夕暮れ時のコルニッシュをジョギングなどしているのだった。
実はラスアルハイマにはRAK CERAMICS という世界最大のセラミックブランドが本社を構えている。
前記事で触れた通り、海の街のように見えるラスアルハイマは南北に広く、東部~南部にかけてはほとんどが山岳地帯。ここに良質な陶土が多く、それを用いた石材や陶材が産業を支えているのだ。
職業柄、セラミックと聞くとどうしても訪れてみたくなってしまうのだが、、、、
ナビを追ってたどり着いたのはなぜかボロ屋敷みたいなところだったので、行くのを諦めた。
おまけ
ラスアルハイマで置いてあったホットソース。
つづく