こんにちは、世界放浪2輪旅を目指す管理人です。
キャンプや野営時に欠かせない道具のひとつ、ナイフ。
ぼくは簡単な料理用、焚き付け用、汎用 といくつか用意し、使い分けています。
今回は、汎用としてかれこれ15年ほど愛用しているナイフの切れ味を復活させるため シャープニングを行ったので、その様子を紹介します。
関兼常 アウトドアナイフ
今回研ぐのは15年くらい前に百貨店のナイフコーナーで購入した「関兼常」のアウトドアナイフ。大きさも手ごろで、頑丈なため 様々な用途で酷使してきました。
こちらが愛用のナイフ。現行カタログにはもう載っていないようです。
粗野な雰囲気がなんとも気兼ねなく使えて、とても重宝しています。
ナイフを研ぐ道具は?
ナイフを研ぐための道具は、ずばり砥石です。
砥石には
・天然砥石
・油砥石
・荒砥・・・~#300 くらい
・中砥・・・#400~#1500くらい
・仕上げ砥・・・#3000~くらい
など、製造法や砥ぎに使う液体の種類・粗さなどで種類がわかれます。
プロの料理人や砥ぎ師でもなければ、人工の砥石が均質で扱いやすいでしょう。
また、普通に家庭での使用を考えると、キッチンのシンクなどでも砥げるように水を砥ぎ汁とする水砥石がおすすめです。
粗さに関しては全て揃えておくのに越したことはありませんが、普通にメインテナンスとして使うのであれば「中砥だけでも十分」です。
荒砥は刃こぼれなどがあり、大きく砥ぎ直しが必要な時、仕上げ砥はめちゃめちゃ切れ味を鋭くするとき といったニュアンスなので、日々のナイフや包丁のメンテ用としては中砥の中で粗目~細か目を3本ほど揃えておくのがおすすめです。ぼくは上の写真のように、#800 #1000 #1200 の3本を使っています。
砥ぐ前の状態
砥ぐ前に、砥ぐ前の切れ味を確認しておきましょう。
全然紙に刃が入っていってませんね。
かといって、目立った刃こぼれがあるわけでもありません。キャンプでの使用により刃が徐々に潰れ、切れ味が落ちてしまっています。
砥ごう!
というわけでまずは#800から砥いで行ってみましょう。
砥ぐ前に、水砥石は必ず5分ほど水に浸して水を吸収させておきます。水をかけても吸収しなくなるまで浸すのが目安です。
砥石は、でかいヤスリみたいなもんです。そのままシンクの上で作業したら当然下が傷だらけになります。濡れた布巾など敷いて、傷防止&滑り止めにします。
本当は研ぎ桶などがあると便利ですが、これで十分です。
これはぼくのやり方ですが、まずは刃が自分側を向くように持ち、砥石に対して写真のような角度を保ちます。どっちからでもいいのですが、柄側から先端まで、均等に砥いでいきます。砥いでいる部分を意識するように指を添えるのがポイントです。
また、一か所だけで砥ぐと、その部分だけ砥石がすり減って凹んでいってしまうので、なるべく砥石の全面を使うよう、長いストロークで砥いでいきます。
非常に大事なのが刃と砥石表面の角度を一定に保つことです。角度を寝かせ過ぎても刃はつきませんし、立たせ過ぎると潰れてしまいます。添えている左手の指先で刃の厚みを感じながら角度を保ちましょう。
これにより、砥いでいるのとは反対側のほうに、刃の「マクレ」がきてきます↓
この「マクレ」を指で確認しながら砥ぎをすすめ、ひっかかりの無い部分はそこだけまた砥ぎを追加しながら 刃の柄側から先端まで均等にマクレのひっかかりができるよう砥ぎます。
しっかりと砥げていると、砥石の表面が黒くなりかすかに金属のにおいがしますが、これが砥ぎ汁です。この砥ぎ汁も刃をきれいにつけていくために必要なものなので、やたらと水で流さないほうがよいです。シンクの中で蛇口を開けたままにせず、手で水をかけながら砥いでいるのはこのためです。
「マクレ」のひっかかりが刃の全長に渡ってできたら、今度は刃を逆向きにして、同じように砥いでいきます。イメージは、先ほどつくられた「マクレ」を削り落とし、反対側に「カエス」ような感じです。
そうして、また砥いでいるのとは逆側に「マクレ」をつくっていきます。こちら側にも柄側→先端にかけて均等な「マクレ」ができたら、砥石を1段階細かくします。
このようにして
#800 で片側にマクレつくり
#800 で反対側にマクレをかえす
#1000 で反対側にマクレをかえす
#1000 で反対側にマクレをかえす
#1200 で反対側にマクレをかえす
#1200 で仕上げる
といった感じで砥ぎを進めていきます。
「マクレ」は非常に微細なバリのようなものなので、注意深く探ります。最後、仕上げ砥ぎをする際は、両側から指で刃を撫で、「マクレ」がなくなるように整えていきます。
これがまさに「刃をつける」という作業です。
本当に切れ味をよくするのであれば、これを更に仕上げ砥#3000程度でも行うとよいでしょう。しかし、タフにつかうアウトドアナイフのようなものには不要かと個人的には思います。
砥いだ結果・・・
では、砥いだ成果をみてみましょう。
素晴らしい切れ味が蘇りました。
これでまた、キャンプで活躍してもらえますね!!
まとめ
ポイントをまとめると
・砥石と刃の角度を一定に保つ
・なるべく砥石の全面をまんべんなく使う
・無駄に強い力をかけない
・砥ぎ汁は無暗に流さない
・刃の柄側→先端均等に「マクレ」ができるようにする
・その「マクレ」を反対側にカエシながら番手を進めていく
とこんなところでしょうか。
鋼のナイフや包丁はこのように砥いでメンテすることで長く愛用することができます。使い捨てが当たり前の世の中、包丁なども安価なものを切れなくなったら買い替え買い替えで使う方も多いと思いますが、安価な刃物は砥ぎに対応していないものも多いですし、砥いでも切れ味が戻りづらいです。
砥石を何本か買い、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
ナイフや包丁との付き合い方が変わるかもしれません