【Hellenic Republic episode 14】Vikos; ヴィコス渓谷の自然と Papingo; パピンゴの村を経て フェリーでイタリアへ

こんにちは、世界放浪2輪旅中の管理人です。

イオアニアの観光を終えて、同じキャンプ場で連泊。
最後にギリシアの自然を存分に味わって、次のステージへと進んでいきます。

ここまでのルート

朝、Olaf との出会い

今日も同じキャンプ場で起床。朝は湖からの蒸散でガスってるけど そんな中水を浴びるカモたちが神秘的だった。

ところでこのキャンプ場ではフランス人ライダーの Olaf と出会った。
諸々の事情でギリシアに住んでるみたいで、スヴァルトピレンで各地を巡ってるみたいだ。

いつだって人のギアを見るのは楽しい。テントは Husky Outdoor というチェコ発のブランド。サイトを調べてみると、価格も手ごろで、コンパクトだし 短期のソロ用テントにはなかなかよさそうだ。

彼のギア類。

トルココーヒーのセットに、

収納用のメタルボックスがミリタリーでかっこいい。
WPCっていうメーカーのカービング用ナイフもいい味でてる。

工具はFacomのマルチキット。ホイール関連とプラグ関連の作業さえなければ、これで十分なんだよな・・・

それから自分の装備を振り返ると、改めてかなりの重装備だなぁと思う。

近くにいた古いDifender のキャンパーを見せてもらったり、Orafにギター貸したり、まったりと朝の時間が過ぎていく。

さて、、、この後 イオアニアからどうやってルートをとるか 実は依然未定だった。

ギリシアはアテネやペロポネソスなど、まだまだ見どころが尽きないわけだけど、シェンゲンのトータル消費を考えたら1国にそんなに長くとどまることはできない。
漠然と北上してアルバニアに行けばいいかぁ くらいのプラン感だったんだけど、この時すでに10月末。バルカンの山岳部は更に寒くなって、場所によっては雪が降り始めるかもしれない。下手に北上してしまうと、西ヨーロッパに回り込むためにアルプスを越えないといけないし、それを迂回しようとなるととんでもなく遠回りになる。迂回先のヨーロッパ諸国はどんどん天気悪くなって気温も低くなるだろうし、そもそもバルカン諸国を十分に楽しむだけ走り回ったとしたら、例えそれが可能でも 付け根辺りに到達するのは来年の1月~2月になってしまう・・・
みたいな話をOlafとしていると、
「フェリーでイタリアに行っちゃえばよくね?」と、さらっと言われる。
確かに、、、、その手があったか!全然フェリーは頭になかった。
だいたいこの旅は現地の人の助言によって度々軌道修正されてきた。
プランが明確じゃないのは、時に自由だけど 時にすごくストレスフルでもある。
10分ちょっとくらいか、考えを巡らせた後 よし、Oraf の提案にのろう!ということで 早速フェリーを調べて今夜のチケットをとった。
この辺の意思決定の早さはとても大事な時もある。

Vikos渓谷

フェリーが出発するのは、イオアニアからわずか西に80km程度の Igoumenitsa; イグメニツァという港町でしかも深夜。
十分時間があるから、Olaf と一緒に 北側に広がる Vikos; ヴィコスの渓谷地帯を走ることになった。

田舎道を北へと走っていくと、

だんだんテーブルマウンテンが連なるような独特な景観の渓谷地帯が見えて来る。

石造りの家が並ぶ山間の村。

赤茶の瓦に石積みの壁、スリットの入った木の窓枠に煙突・・・
こういう家がいいなぁ。

渓谷内を流れる Voidmatis; ヴォイドマティス川に架かる Aristis; アリスティスの石橋 1923年築。

このヴォイドマティス川は環境汚染の問題が極めて少なくて、「ヨーロッパで最もきれいな川のひとつ」とされているらしい。

最深部の高低差は1350mにも及ぶというVikos; ヴィコス渓谷。
険しい断崖で隔てられた谷底は 未だに手つかずの自然が残っていて、多くの希少生物が生息している。

しばらく北上していると、綺麗な石造りの建物が建ち並ぶ Megalo Papingo; メガロ・パピンゴという村にやってきた。

1852年 Church of St. Vlasios と、

1887年に増築された六角柱の鐘楼。

バイクを停めて、Olaf と村を歩き回ってみる。

ヴィコス渓谷の山々と、石造りの屋根、壁が相まって 何とも独特な雰囲気の村だ。
中世のまま時間が止まったような そういうイメージを具現化したようなヨーロッパ田舎の街並み。

村を出る前に、軽く食時を済ませて 更に奥へと進んでいく。

Papingo Rock Pool

Megalo Papingo; メガロ・パピンゴの村から少しだけ国道沿いに走ったところにやってきた。
ここには Rock Pools とよばれるちょっとした景勝地がある。

Tower of Astraka と呼ばれる石灰岩の造形が西日を浴びて聳える姿がすごくきれい。

舗装路から北側に伸びる小路を入って行くと、

Rogovo; ロゴヴォという小川が石灰岩を浸食したことでできた自然の造形が広がっている。

浸食された痕が階段状になって、底部分にいくつものプールができてる 独特な景観だ。

奥に行くと遊歩道は整備されてないので、両脇の石灰岩の小さな崖をピョンピョンと飛び越えて進んでいく。
真夏だったら泳ぐのも気持ちよさそうだなぁ。

けっこう奥まで行ってもまだまだ更につづいてそうだけど、ある程度のところで引き返す。

Mikro Papingo 奥の湧き水

Rock Pools からそのまま道沿いに進むと、更に小さい集落を過ぎて狭いダートへとつづいていく。

しばらく進んだ道の奥に 2階建てのブロック建物に保護された湧き水があった。

建物のプレートいわく、”Avragonia Fountain” ;アヴラゴニアの湧き水 ということらしい。

2階部分には何か壁画と、近くの巨木には鐘が吊り下がっていたから 礼拝堂も兼ねてるのかな?

本当は、この先に更に道は続いていて、森を抜けると Tower of Astraka の裏側の高台にまで出られそうだったけど、フェリーの時間もあるし ここで引き返す。

アストラかの断崖と、西日に照らされた テネレ。

ローカル色マックスな Mikro Papingo の村が眼下に広がる。

急勾配な石畳の坂道を下って、国道へと戻る。

ここで Olaf とはお別れだ。
もしかしたらフランスを通る時にまた会えるかもしれない、いつも通り お互い Safe Ride を言い合って別々の道に。

すっかり暗くなってきた。もうすぐ日が沈む。

途中からは92号線でひたすら西方向へ。

1時間ちょい走ったところで Igoumenitsa; イグメニツァのフェリー乗り場に到着。これでギリシアも終わりか・・・

事前にオンライン購入しておいたおかげで、チェックインとチケットの発行はスムーズにできた。
ギリシア→イタリアはシェンゲン協定内移動だから ほとんど何もチェックはなし。パスポートだけ軽く見られたっけかな。

しばらく岬で待っていると、Grimaldi Lines の巨大なフェリーがやってきた。
さて、いよいよ西ヨーロッパか!

つづく

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