こんにちは、世界放浪2輪旅中の管理人です。
バルカン山脈 トロヤン峠近くのとある場所で野営明けの朝、
この未舗装路を少し奥まで探索した後、おそらく”廃墟界隈”で世界一有名といっても過言ではない 廃墟の王 に会いに行きます。
バルカン・トレイル
朝、一帯はかなり深い霧で覆われていた。
テントのフライを開けた瞬間天気が悪い時の萎え具合は出発した頃からさして変わらない。
風も強くて、谷の向こうから湧き上がってくる霧が物凄い勢いでテントに吹き付ける。
しばらく待ってると、幸い霧が晴れ始めたので 撤収して未舗装路の更に奥へ進んでいってみる。
これ以上ないくらいフラットなダート、
バルカン山脈の尾根を行くような最高の道。
ゆっくり走ってると、雲もどんどん晴れて行った。
トレイルを東にずっと走っていくと、やがて道は行き止まりになって こんな感じの家が建っている場所で終わりになる。地図上は宿泊施設みたいだけど、営業してるようには見えなかった。ってなわけで、ここから引き返して元きた舗装路へと戻ることにする。
Buzludzha Monument
一度トロヤン峠を南側へと下る形で、東へと走るメインの道路に戻る。
&給油。
当時のレートで RON95 2.42 Lv/ℓ(リッター約202円).
詳細は不明だけど、
社会主義を彷彿とするでかめなモニュメントが散見される。
Kazanlak; カザンラクの街付近から北へと折り返して Shipka; シプカ峠方向へと昇っていく。
途中、Shipka; シプカの街。
シプカの街の丘の上に建つ、Shipka Memorial Church.
ロシア様式のブルガリア正教会で、1885-1902年にかけてつくられた。
鐘楼の高さは53mもあって、鐘楼ドームの複雑なデコレーションや、カラフルな外壁、礼拝室側の黄金ドームが相まって 今まで見て来たやや質素なブルガリア正教会とは全く異質な見た目だ。
露土戦争で亡くなったロシア軍兵士やブルガリア義勇兵の遺骨も納骨されている。
教会内。黄金に輝くイコノスタシスとフレスコ画で覆われた柱・アーチが絢爛な雰囲気を放っていた。
ブルガリア共産党の創設者 Dimitar Blagoev の巨大な像のところから、山をのぼっていく小さな峠道へ。
天気は再び曇天。かろうじて雨は降ってるような降ってないような。
紅葉の落ち葉がきれいな細い道を頂上までのぼったところに、
通称 “廃墟の王”(勝手に言ってるだけ) Buzludzha monument; ブズルジャ・モニュメントが聳え建っている。標高は1,431m.
もう完全にUFOだろ。
できれば晴天の下見られたらと思ってたけど、このどんよりした暗雲の下で見るのも これはこれでRPGのラスボスステージみたいな雰囲気でなかなかよかった。黒幕のアジト感がやばい。
先の像でみた、Dimitar Blagoev; ディミタル・ブラゴエフ率いる社会主義者グループの密会所的な役割を担っていたようで、見た目と実際の機能がばっちりフィットしてる。1974-1981年にかけて建てられた。
1989年の共産主義体制崩壊とともに、維持管理は放棄されて 以後ひたすら廃墟の王への道を歩んできたというわけだ。
内部にはコバルトガラスでつくられた巨大なモザイク画があるらしいけど、残念ながら特別な許可がないと中に入ることはできない。
落成当時の内部の様子は圧巻の美しさなので、興味がある方は是非「Buzludzha monument inside back in time」とかで画像検索してみてね。
深い霧の中に伸びるモニュメントのタワー。
こんな漫画に登場するようなアジト、完成した時は関係者おじさん達めっちゃわくわくしただろうなぁ。
廃墟好きであれば、ブルガリアにおいて絶対にはずせないマスターピースを訪れることができた。
Torch Monument 前にて、テネレに拳を突き合わす。
天気は良くならず、
霧に覆われた狭い山道を、北側へと下っていく。
この日は、バイクオーバーランダーの間ではまぁまぁ有名らしい Moto Camp Bulgaria というキャンプサイトへ向かう。
その名の通り、バイク旅行者に特化したキャンプサイトみたいで 確かエディルネで会ったEddy が教えてくれたんだったような。
事前にオーナーの Ivo に連絡をして、そろそろ交換しなきゃならないエンジンオイルを用意しておいてもらっているのだ。
ほぼ日が暮れる頃、Sevlievo の街に到着した。
ライオンの像が印象的な Rositsa 川にかかる橋を渡って、
Idilevo という小さな村にあるキャンプサイトにチャックイン。
敷地の一画にすぐテントを張って、明日以降いろいろとプランを練る事にした。
つづく