【Georgia episode7】ジョージア北東部 秘境 Ardoti を目指す

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

Sayaが日本に帰ってしまったので、再びバイク旅に戻り ジョージアの周遊を再開します。

ここまでのルート

トビリシの残景

トビリシを去る前に、少しだけ街中を歩き回っておく。

  

トビリシの中心には、白と赤の垂れ帯が大量にたなびいて ジョージア国旗を掲げている。

なんだかトビリシは、色んな出会いやハプニング含めて、親しみのある街になりつつあった。

夜、ふらりと入ったバーで、現地のミュージシャンと始まるセッション。

アレックスには、バイクを預かってもらったお礼として バイクの乗り方を小一時間講義してあげた🤣
自転車旅からバイク旅へとアップデートされるのは、いつになるんだろうか。

Onward Motorcycle にて、Nate アゲイン

トビリシを去る前に、もうひとつ、以前街中で偶然会った Nate が棲み処としている Onward Motorcycle にやってきた。

Nate は、ほとんどアメコミのキャラみたいなやつだ。確かタメだったと思う。
いつ話かけても
Heeeyyyyy Yooooo My Man!!!! What’s Up Dude??!!!!
と、絵にかいたようなスーパーポジティブキャラ&南部訛で 半分は何言ってるか分からない。

ガレージに着いた時、扉が閉まっていたので しばらく外で勝手にラーメンをつくって誰かが戻ってくるのを待っていた。
ゆーしろーにもらったシングルバーナーが、こういう時に重宝する。自動点火装置は外して、よりシンプルにしている。
OD缶は、トビリシ市内のアウトドアショップで手に入れた。

結局 Nate は中にいたみたいで、ホイールベアリングの脱着作業に没頭していたようだった。
↑は、Onward Motorcycle の愛犬 Lady ちゃん。いつもヨチヨチ歩いては、コテっと 横になって眠っている。

Nate は、これからロシアを通過して中央アジアへ行く予定だ。ちょうど管理人が通ったのの逆を行く感じだろうか。
愛車は、BMWの G650 X-Challenge 2007年モデルで、かなり数の少ない珍しいバイクだ。前に来た時からずっと、オーバーホール作業がつづいている。こういう珍しいバイクの事を ” Unicorn Bike” と呼ぶらしい。一般的なスラングなのか、Nate 語録なのか不明

右パニア内側の、ツールボックスみたいなのは予備のフューエルタンク。水冷シングルのエンジンは54psを発揮するにも関わらず、車重はわずか150kgほどしかない。

少しGSにも通じるアシンメトリーなヘッドランプ、ハンドル回りのステンホース取り回しがメカメカしい。

確かOxford製のグリップヒーターは欧州Yamahaの正規オプションにもあったような。
フロントブレーキのフルードタンクには温度計が設置される細かさが、ドイツプロダクトらしい。

サードパーティのレバーもクール👍 シート下面の配置は テネレのそれと全く異なる。

BMW特有のチェンオイラー。
この時は、ドリブンスプロケットにベアリングをぶち込んでいた。

管理人は、いずこかで牛の糞が大量に混じった泥を踏んだようで そこはかとなく(あくまでもそこはかとなく)牧場臭を放っていたブーツを洗わせてもらった。

この日は、Onward Motorcycle のオーナーである Patrik がレンタルバイクの同行で不在だったけど、Nate に了解をもらってガレージに泊めてもらえることになった。お礼にペペロンチーノ特盛をつくる(というか量を間違えた)。なかなかうまかった。

バイクに囲まれた寝床。

クマとオオカミの保護施設 Zoological Center

翌朝、今度は Nate がつくってくれた 正真正銘 “American” スタイルの朝食を食べて、出発する。
Nate にも大感謝だ。

トビリシから北の郊外へと向かい、トビリシ国立公園の脇を走っていると、

途中左手に Zoological Center がある。
ここでは、野生に復帰することができないクマやオオカミの保護をしているらしい。

入口のブースには誰もおらず、猫が3匹寝ているのみ。はて。
とりあえずわしゃわしゃさせてもらった。

広いケージ内のオオカミ。

オオカミを見た直後に、脇の茂みから急にこいつが飛び出してきて、
「まじかよオオカミ野放しかよ!」と死ぬかと思ったら わんこだった。ややこしいわ!

いくつかのケージに分けられたクマ。たぶん、凶暴性によって分けられてるのかな。
野生のクマは、日本で1度だけ 群馬か山梨あたりを車で走っているときに見かけた。
こんなに間近で見るのははじめてだけど、こいつに野生で出くわしたら、もう諦めるか祈るかしかできることはないと改めて思い知った。
圧倒的な体躯に 雑食性食肉目特有の巨大な裂肉歯と犬歯、そして存外に長くて鋭い爪。
たまに北海道でヒグマと闘って追い払ったおじいちゃんの話とか聞くけど、あれはファンタジーか何かなのか?

2頭のオスが喧嘩をはじめると、その巨大な筋肉の塊がぶつかり合う音が響く。ナチュラルに恐ろしいと感じた。

Sioni 貯水池 と廃墟の教会

しばらく、まるで日本の山間部を走っているかのような雑木林に囲まれた道をゆく。

日差しが遮られて涼しい。

途中、右手にある湖の脇に 廃墟となった教会があるというので寄ってみる。

途中から無理っぽい道になるので、テネレを置いて歩いていく。最近このパターン多いな。

なかなか教会がみつからず、彷徨っていると いつの間にか丘の上にでて、図らずも綺麗なSioni Reservoir をみることができた。
こうやって、山間にひょこっと現れる小さめの湖が好きだ。

結局、途中で分岐を間違えたようで 少し戻って違う道を進むと

森の中から のそっと廃きょう会が現れた。

東側のファサード。

裏に回り込んでいくと、

反対側に小さな入口。

内部には崩落防止用と思われる木の骨組みが組まれていた。

祭壇部分。一体いつごろの教会なのか、全く情報がない。

北へ北へ 秘境への入口 Datvisjvari Pass へ

廃きょー会からダートを抜けて舗装路に戻る。木で挟まれた心地よい道。

右手に河原まで近づける支流が流れていたので、下ってみる。

もはやここでテント立てちゃいたい気分だったけど、しばらく川を眺めるだけにしておく。

三脚をたてて一人で満面の笑みを取り繕うおっさんを。

また、気持ちのいい一本道を北上していく。

この時期のジョージアは、ところどころ花が咲き乱れて、こんなような白い絨毯が敷かれている。

崩落、定期。

緩やかな起伏を上ったり下ったりして、

小さい教会に寄ってみたりして、

やがて Zhinvali Reservoir を西手に、更に北へと向かう軽快な道路へと変わっていく。

ちょうどV字型の Zhinvali Reservoir の東側に注ぐ川には、ところどころ吊り橋がかかって対岸に行けるようになっている。

だんだんと道幅は狭くなっていき、

羊たちによる通行規制を突破した後は、

未舗装区間に突入する。

どんどんと標高はあがっていき、秘境感は増していく。
実は、この地域より更に北東にある Omalo の村に行きたいと考えていたんだけど、トビリシにいるときに道の状況をリサーチしたところ、いまだショベルカーが道から雪を取り除いてるような状況だったから、諦めて変更したのだ。
でも、この道もなかなかにエキサイティングだ。

まれに出現する石積みの家。

崖下の残雪。

たまに、「よく分からない国の、よく分からない道に、そんなデカいバイクで1人で行って、こわくないの?」とか聞かれることがあるけど、はっきり言ってちょっと怖い。道の状況も行ってみないと分からないし、宿をとってるわけでもない。コーカサスはクマもでるし、野営すればオオカミに囲まれることもあり得る。バイクを倒してしまえば、1人では起こせないようなシチュエーションになることもあるし、崖外に踏み外せば 文字通りあの世へ直下行みたいな場所もある。

行ってみたい・見てみたいという願望と リスクを常に天秤にかける賢さは必要かもしれないけど、まずは前者を優先して突っ込んでみる勇気は必要かもしれない。

「控えめに言って最高」としか言いようがないくらいに、緑と雪のコントラストが美しい道が、その結果眼前に切り開かれるかもしれないのだから。

雪解け水によってぬかるんだ場所なんかもあってヒヤヒヤしたけど、

なんとか Datvisjvari Pass の頂上までやってきた。標高は2,689m.

峠頂上から、東方向を眺める。風が強いけど、意外とそこまで寒くはなかった。

峠の頂上といえば、日本的価値観じゃ茶屋のひとつでもあって欲しいところだけど、当然そんなものはなく、ポールが1本立っているだけだった。旅人たちがステッカーを貼るスポットというのは概ね決まっていて、管理人もポールにステッカーを貼っていった。

その後、更に峠を反対側に下っていくと 一気に平地の開けた場所をみつけたから、後で戻れるかかなり不安だったけど、道路から平地へと下りる。

先に確認すべきだったけど、ここは平地というか、湿地だった。まあなんとかスタックしないレベルだったけど、これが翌朝大変なことになるとは思ってもいない。夜は冷えそうだから、しっかりと斧でペグダウンして設営。

北側へと伸びる小さな清流の水面に、西日が反射して 1日の終わりが近いことを教えてくれる。

今日もおつかれ、テネレ。
早めにテントにはいり、あ~~疲れたぁと余韻に浸る暇もなく すぐに寝てしまった。

つづく

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