こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
少しだけダラついたGoris の街を去って、再びアルメニアの北部へと戻っていきます。
ここまでのルート
Goris の伝統家屋
宿を出る時、宿のおばちゃんが ゴリスの伝統家屋があるから見学していきなさい と誘ってくれた。
1870 と看板にあるから、150年くらい前の家の状態が中に保存されてるんだろうか。
正直こんな家に住めたらいいなぁと思うくらいいい雰囲気で、机も一枚板で椅子とか棚も手作りが多い。
まさに日本でいうところの古民家ってとこだろうか、石造りの暖炉やウォッカの蒸留器は各家庭にあるのがデフォルトのようだ。
家主のおばぁちゃんのお母さんだったか、おばぁちゃんのおばぁちゃんだったか分からんけど、とにかくご先祖が手作りしたカーペット。
一見ウールのように見えたけど、シルク製。柄の印象は、ペルシャよりも中央アジアのバザールで見たものに近い。
そのカーペットをつくったご先祖かは定かじゃないけど、当時の伝統衣装を纏った女性たちや、
家主の家系に関係のある方々の御尊顔が並ぶ。管理人も将来どっかに定住するときは、今回の旅の写真を壁一面に並べた気色悪い部屋でも作ろうかなと思った。
ゴリスのニャン。
宿が一緒だったドイツ人旅行者のVivi.
彼女もドイツ語をオンラインで教えながら旅をしているようだった。これからイランへ向かうらしい。
グッバイ、ゴリス いい~街でした。
Old Goris
街を去る前に、郊外にある Old Goris を一応訪ねてみた。またしても Google map のトラップに落ちて、墓地のドン付きにきて身動きがとれなくなる。
霊前でテネレの重い車体を何度も切り返して一度下に戻って、そこから歩いてのぼってみる。
Old Khndzorest や Old Knot で見たのと同じような、トンガリ頭の岩窟が見えてくる。
細い道をどんどん丘の上にのぼっていく。
西側にゴリスの街が一望できる。
道なのか道じゃないのか分からない道的な道を辿っていく。
こんなところにまでハチュカルが無造作に佇んでいる。
岩の中に石造りの小さな家が、はて 埋まっている・・・?
こっちの家はまさに木に貫かれている。
アガマの類を何度も見かけるけど、すばしっこいこいつらの写真を撮るのは一苦労だ。
アルメニア中部を北上
給油してスタート。
アルメニアには放置された廃墟”的な”なにかが多い。
雪山へと、どこまでもつづくような一本道。
相棒であるバイクと、自分が信頼するギアを頼りに、未知の道と戦っていく、バイク旅はそんな作業の連続である。
Spandarian; スパンダリアン湖。
小さな貯水池で幹線道路からもすぐにアクセスできるけど、チョウゲンボウの繁殖地があるといわれるだけあって Remoted な場所に来た気分になれる。
とりあえず跳ねといた。
途中しばらくは一度走った道を反対側へ戻る。
Darb川沿いの道を西へと進む。
一度エレバンに戻ろうと思ったから、来た道をそのまま戻ってもよかったけど、基本走ってない道を走りたいもんよね。
途中から分岐を北に向かって、またセヴァン湖の南部へ向かうことにした。
つづら折りの山道を進んで、Gegharkunik県とVayots Dzor県の県境を成す峠を越えていく。
Orbelian Caravansarai
この峠のほぼ頂上には、以前 Noravank; ノラヴァンクの記事で登場したアルメニア貴族 オルベリアン家の王子によって1332年につくられたキャラバンサライが保存されていた。キャラバンサライというと、中東特有の構造物だと思っていたけど、旅人や旅人の連れた動物が休む場所という広義で解釈すれば 日本の宿場町にある宿なんかもキャラバンサライといっていいのかもしれない(?)
建物全体の東側には、玄関を兼ねる長方形の構造物があって、その南側の入口には特徴的な装飾がある。
アーチ上部の装飾はややムカルナスのようで、
その左には翼をもった謎の生き物と、右には牡牛のレリーフがある。
入口から入ったホール内部。
その西側に開いた小さな入口から、本舎に進む。
内部は東西に長く、3列の身廊に分かれている。
旅人が連れた動物たちは、このエリアと南北にある狭い身廊部分に置かれた餌場で休んだという。
天井部分にも少しだけムカルナス様の装飾。
身廊を隔てる重厚な柱がそれぞれ南北に7本ずつ並ぶ。
北側の身廊。一番奥には別の部屋があって、旅人はその部屋で休んだらしい。
かなり辺鄙な場所ではあるものの、それなりに有名な観光スポットなのか お土産売り仕様のLADAでおっちゃんが声をかけてきた。
個人的にはボンネットに並べられた石製のナイフがやっぱり気になった。
やっぱりSevanvank で見た青い石でできたナイフ、買っとけばよかったな・・・
買うもんはなかったけど、おっちゃんにステッカーを渡して車に貼ってもらった。
再び、Sevan湖へ
だいぶ日も落ちて来た。
向こうでは雨が降っている。
春~夏は、日が長いから16-7時くらいでもまだ焦らなくていい。
視界が悪くなるくらいまで暗くなる19時半くらいまでには、野営地を見つけたい。
途中、天国につづいてそうな側道をみつける。
崖の端まで進んでいくと、うっすらと虹がみえた。
標高はだいたい2,400m. かなり寒い。
プシュキニアの花が群生していた。
どんな観光ブックにも載っているわけがない、こういう寄り道が一番楽しい。
こんな落石に巻き込まれたらどうしようもないな。
本当に時間が止まったような小さな村。
西日が小川に映えて黄昏を知らせる。
名もなき小さな教会。
扉は開いていて、無人なのに中は香のにおいで満ちていた。
この時間帯にしかない特別な情緒。
もう暗くなりそうだってのに、懲りずに脇道に逸れる。
In To The Wild ごっこ、その2。
暗くなったころ、ようやく Martuniの街に着いた。
セヴァン湖沿いの開けた場所を発見、こんなに良い場所なのに誰もいないのが逆に不自然だったけど 問題はないと判断して、
設営、就寝。
水鳥の鳴き声を聞きつつ、深く眠りについたのだった。
おまけ
最近自炊のブームは、缶詰の炊き込みご飯。楽だし、缶詰変えるだけで味変できる。
つづく