【Russian Federation episode 2】旧スターリングラードの街をみて~人類史上最も凄惨といわれた戦地の面影は

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

サラトフの街を去り、南に向かいます。すぐ北にはカザンの街や、更に数百キロ足を伸ばせばモスクワにも行けそうですが、何しろトランジットオンリーで通過都市を事前に申告してるから 下手な事はしない方がいいと思い素直にただただ南下していくことにしました。

ここまでのルート

Saratov がちょっと名残惜しい

サラトフの街は思っていたより綺麗で、もう一泊してもいいかなぁとか思ったけど、それはそれでまたヒマに苛まれるし、トランジットの期限もあるし、ちょっと名残惜しいくらいがちょうどいいってな感じで走りだす。

街に無数にある、

廃墟のような廃墟じゃないような。
でも好きだなぁこの雰囲気。綺麗かどうかは知らんけど、どっかの国みたいにすぐ取り壊して無味乾燥なマンションが建つより。

鮮やかな緑のトンガリドームが美しい教会。
サラトフの街を少しだけ走って、次の街 Volgograd; ヴォルゴグラードを目指す。

Volgograd; ヴォルゴグラード へ

ロシアで初給油。以前ロシアを走ったメタボンさん情報だと、先払い方式って聞いてたからちょっと嫌だなぁと思ってたけど、普通に後払いで今まで通り給油できた。勿論、現在は諸々のメディアが伝える通り、Visa も Mastercard もなんにも使えない。

サラトフからヴォルゴグラードまでは380kmくらい。
特に騒ぐような景色は無いまま、ひたすら距離をかせいでいく。西カザフを走ったせいか、500km以下は「すぐそこ」な感覚が否めないけど、実際走ってると毎度「ん、やっぱ長げぇな・・・」とか思うもんだ。

途中、やたらトラックが大量に停まってる場所に、食堂が沢山あったから一時停止すると、近くの店からおばちゃんが手招きしてるんで釣られて休憩。ボルシチとサラダでだいたい600円くらい。

ママエフ・クルガンの母なる祖国像

ヴォルゴグラードの街に着いてしばらく街の中を走っていると、、、

剣を天にかざす巨大な女性の像が見えて来る。一瞬ドラクロワの自由の女神を連想する。
「ママエフ・クルガン」とよばれる小高い丘の頂上に立つ像を間近で見るために階段を上っていく。

少し上の方まで上ると、市内を走るトラムや街の一画を一望できる。

各所には対ドイツ戦の一部始終を切り取ったであろう彫刻がある。

日本人の感覚では 第2次世界大戦といえば大東亜戦争だけど、スターリングラード攻防戦を含む独ソ戦では少なく見積もって3000万人という信じられないような犠牲者の数を出した人類史上最も凄惨とよばれる戦いが繰り広げられた。3000万人って、信じられないを通り越して 常軌を逸してるも通り越して、本当に考えられない数じゃないだろうか。

イデオロギーの対立はかくも人命を紙屑のようにしてしまう。

正義の裏にも、その正義と対立する他方の正義の裏にも、夭折する息子の死に暮れる母親の怨嗟が垂れる。

イスラエルの旅人とも沢山会ったし、アラビア半島ではパレスチナ出身のやつらに沢山世話になった。キャピタリズムが 戦火と死体の後ろで この時代にこじつけたイデオロギーを隠れ蓑に蠢くのをただ見ることしかできないんよ。「みんないいやつだった」なんて言ったって何の慰めにもならない。

地理的に重要だったママエフ・クルガンはドイツ軍とソ連軍による激しい奪還を繰り返され、スターリングラード攻防戦の中心となった。それから80年以上経った現在、丘の頂上には剣の先端まで80mを越える「母なる祖国像」が立っている。1967年の製作当時は世界一の立像だったらしい。

なかなかすげぇ表情してる。

ママエフ・クルガンの敷地内に建つ教会。

Volgograd の街

巨大な像を後にして、旧スターリングラードの街を適当に徘徊してみる。

市内を走る路線バス。

 

Alexander Nevsky Cathedral.
赤レンガの外壁にちょうど夕日が差して、それと同時に中からは鐘の音が響いてきた。なんとなく広島の原爆ドームを彷彿とさせるなぁと思ったけど、実はヴォルゴグラードと広島市は非常な戦火に見舞われた都市として姉妹都市となっている。そこは連合国も枢軸国も関係ないんかいと思ったけど、まぁ教会のデザインは関係ない(1918年建設)。

中央駅。

南東に向かって夕暮れの街を横切っていくと、

みえてきた、ヴォルガ川。

川沿いには、美しい公園や遊歩道 レストランが並んでいる。

ロシアに来てから、若者の雰囲気は一気に若者になってきた笑
みんなガッツリ服装も決まってるし、やっぱり見た目が、、、男も女も美しい。こういうこと言うと下手したらracism よばわりされるのかもしれないけど、スラブ民族って、なんて美しい人たちなんだろう。

無造作な積み荷が気になる停泊船。

川沿いの広場ではクラシックの生合唱がはじまる。

暗くなって街灯に灯がつき、川沿いの道はまた美しさを増す。
300kmも西に行けばウクライナとの国境なわけだけど、とても前線にそこまで近い街には思えない。

一画では大音量で音楽が流れ、道までライトアップされた電飾下に客席が並べられている。

これは怖くて入れねぇ。

夜になってライトアップされる教会や駅も、また違う表情で👍

ってなわけで、人類史上最も凄惨といわれた激戦地は、今ではすっかりと美しい街なわけでした。

おまけ

今ではすっかり回復した ロシア・ルーブル。ATMはまじで全く使えんので、カザフスタンにいる間に十分なルーブルをゲットしておいた。

つづく

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