こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
カラコルの街に滞在している間に行ったトレッキングのレポートです。
そもそも、あんまりトレッキングとか興味ないんですが、また「せっかくだし」というしょうもない理由でチャレンジするものの・・・
Ala Kul トレッキング
カラコルの宿はアラコル湖へのトレッキングをこれから計画ないし既に終えた旅人達の拠点になっている。
既に終えた旅人からの情報によると、湖までの道のりは特に後半”very very steep” とのこと。色々ルートはあるものの、Karakol 渓谷側から上って、Altyn-Arashan 側へ下りていく というルートを取ることにした。
併設コーヒーショップに書き込んだリクルートには結局連絡がなかったものの、たまたま同時期に到着したイギリス人女性の Rogie と一緒に行くことになった。
1st day
第1日目。街の中心からカラコル渓谷のスタート地点まではタクシーで向かう。そこからはひたすら歩き。まず最初に目指す橋までは約16km の道のりだ。
当然本格的なトレッキング用のバックパックなんて持ってきてないから、Mosko Moto のダッフルをバックパック化して背負うんだが、、、当然それ用じゃないからかなり重いし、体にもフィットしないから肩にくる。
天気はまぁだいたいこんな感じで、途中雨が降ったり止んだりを繰り返す。概ねフラットだけど、割りと急な上りもあって、鈍った脚にこたえる。
だけど本格的な上りはこっからだ。最初のチェックポイントである橋を渡って東側にどんどん標高を上げることになる。
ちなみに、この橋まではジープなどに乗ってくる事もできるから、極力労力を削減したい場合はそんな手段もある。
獲得標高は約3km の道のりで450m. これがトレッキングとかを趣味でする人からしたらどうなのかよくわからんけど、とりあえずまじできつかった。荷物のせいにしたいところだけど、完全に脚がなまってんだよな、、、 Rogie は涼し気な顔でぐいぐい上ってく・・・チーン
ともあれ、この日は最初の目的地であるユルトキャンプに割りと早く到着した。明日の道のりは更にきついけど、、、大丈夫か おれ。
気温は夕方に10℃下回るくらいだっただろうか、寒いから 続々と集まるトレッカー達全員一つのテントの中に集まって皆であったまる。スペイン、イスラエル、イギリス、カナダ、オランダ そして管理人(日本)と、各国からアラコルを目指して旅人が集うのだ。
この日は終始ガスってて、景色はまぁ残念なかんじだった。
ユルトキャンプの裏側にあった小さな湖。
夜はさらに冷え込む。不要かなぁと思ってた寝袋をもってきてよかった。余分な布団を何重にも重ねて、Rogie とほとんどくっつくようにして眠った笑
2nd day
2日目の朝、ユルトからでると辺りは地面の雑草まで霜で凍ってる。一体何度なんだろうか。
宿泊費を安くするために朝食抜きにした管理人とRogie は、いち早く出発する。アラコルトレッキングの本番は今日だ。
幸運なことに、出発してしばらくすると、昨日のガスった天気が嘘のように天気が快晴に向かう。
まずはアラコル湖が姿を見せる最初の峠まで、2.5km 獲得標高600m の道のりを上っていく。そしてまじできつい。こんなのトレッキングとかハイキングとか呼んじゃだめ!登山素人の管理人からしてみればもはや本格的な登山だよこれは。
だんだんと地面は雪に覆われて、スニーカー越しに浸水してくる。他のトレッカーはみんな本格的なシューズ履いてたけど、「こんなはずじゃなかった」管理人はひたすら耐える。正直言って、こりゃあ体力に自信の無い人は来られないと思った。せめて昔自転車やってた名残(?)があったのと、高山病になりづらい体質のおかげで何とかなった。
最初の峠が近いことを知らせる滝が見えて来た。が、ここで道を間違えて迷う。「いや絶対これじゃないよね?」とRogie と疑心ながら進むも、「いや、やっぱ絶対これは間違ってる」となって少し戻る。ただでさえきちーのにこのクソ勾配の坂を戻ってまた登るという状況に撃沈。看板などはなくて、積み上げられた石だけが頼りなんだが、、、迷い人が続出しないのが不思議だわ。
ともあれ、途中で道を修正してさらに登ると、ついに湖が姿を現した。
Rogie. 偏見かもしれないけど、ほんとタフだよ・・・欧米の女性は。
標高は最初のポイントで3,500m. ここで少しだけ休憩して、
さらに湖の北側を沿うように進んでいく。もう完全に雪山登山やないかい!と心の中で3,500回くらい叫んでた。
まぁしかし景色は最高だ。こんな景色は、登山が趣味にない自分は初めての経験といっていい。カミソリのように鋭利で澄んだ空気が、肺を満たして、とても脳裏に焼き付けられないパノラマが自分の周囲全てに広がっている。
さらに 2.5km 獲得標高 400mの道のりを登って、最も湖が美しく見える2つめの峠を目指す。
もうマジできつい。自分の脚はこんなにも鈍ってしまっていたのか・・・という絶望と、いや、この道がきつ過ぎるだけだろ、、、という自己弁護を交互に繰り返しながら少しずつ歩みを進めて、
ようやくたどり着いた、本トレッキングの最高到達地点 標高3,900m の峠からアラコル湖を見下ろす。場合によってはここまで苦労して登ってもガスって天気がクソなことも多いというから、本当に幸運だった。
藍より青い空と、冠雪の雪に囲まれたその碧面は 本当に美しかった。
この過酷な環境にも逞しく咲く花がある。
Rogie すげー、 自分 がんばった。
しかし、今日の行程はこれで終わりじゃない。ここから更に10km 下って、Arashan の村を目指す。
このもはや道とは呼べない超急な雪坂を下っていく。
え?まじ? これ下るの?と5度見くらいするが、どうやら冗談ではないようだ。
下りだから大丈夫と思うことなかれ、すでに死にかけてるハムストリングスに加え今度は大腿四頭筋と膝がやばいことになる。
とまぁなんとか深刻な滑落はせずに雪の無いパスに辿りついて、やや心が穏やかになる。
ちなみに、この雪を下った場所にはキャンプがあって、やはり行程を楽にしたい場合は馬に乗ってアラシャンまで行くこともできる。が、Rogie は「全然歩きでいいわよね?」的な感じだったので、「そ、そ、そ、そうだね」と苦笑いして歩く。
とはいえ、ここまで道から雪がなくなれば、これはトレッキングといっていいでしょう。さっきまでいた峠が、すでに遥か向こうに。
途中、また道を間違えて、よく分からん丘の上に出てしまうものの、軌道を修正して、
アラシャン川沿いに北上。
アルティン・アラシャンの村に着いた。これで2日目は終了だ。内心ほっとする。2日目の行程は約10時間。
村には大き目のゲストハウスが3つあったけど、安いシェアルームはどこも一杯ってなわけで、また近くのユルトに泊まることに。
ユルトの天井は、まさにキルギスの国旗の模様。
今回のユルトにはストーブが付いてたから、夜火をいれてもらう。
かなり湿ったスニーカーを乾かそうと、こんな感じでストーブの上に置いてたら、誤って紐とタブの一部を焦がしてしまった・・・
自分のは自業自得だけど、Rogie のスニーカーまで焦がしてしまった。
「全く問題ないから気にしないで!」と言ってくれたけど、まじですまねぇ。普通に履けるレベルでよかった。
3rd day
3日目も朝から快晴。ほんとに、今回のトレッキングでは肝心なところで天気に恵まれた。
この日の行程は約19km. ようやく景色を楽しみながら、穏やかに緩やかな下りを下っていく「トレッキング」を楽しんだ。ただ、既に1~2日目の疲労がかなり溜まっている&筋肉痛で楽ではない。
だいたい5時間くらいだろうか、Aku-Su という村の手前にある舗装路に出たところで、今回のトレッキングは終了。
小さなバス停でマルシュートカ(中央アジアの乗り合いバス)を待って、カラコルの街へ戻った。
ちなみにアラシャンからアクスーの街までもジープなどで往来することができるので、実質歩きの行程を最小限にしたい場合は、橋~1つ目の峠~アラコル湖~2つ目の峠を下ったキャンプまでの間に限定することもできる。
戻ってからも天気がよかったので、ダウン系を干して、他のインナー類は宿に頼んで洗濯してもらった。
てなわけで、アラコル湖、まさに天上の湖で天気に恵まれたのもあって最高の景色を経験することができたけど、正直これはシロウトが普通のトレッキングをイメージして突っ込むと痛い目に遭うこと間違いないルートだと思った。
Fairytale Canyon
またとある別の日、Rogie が Fairytale Canyon に行くけど一緒に来る?と誘ってくれたので、一緒に行くことにした。
というのも、Fairytale Canyon があることは知っていたんだけど、カラコルに来る道中トレッキング用に入る道が見つからずスルーしてしまっていたのだ。
てなわけで、またバイクは宿に置いたまま 乗り合いバスでこの前来た道を戻る形で西へ向かう。
だいたい2時間くらいで到着した場所に、トレッキングの入口があった。「なんで来た時見逃した??」と思うくらい明らかな感じだったけど、まぁ道を見逃した時ってのはそんなもんだ。
トレッキングの拠点になってるパーキングエリアまではフラットダートで、バイクでも全く問題なく行けそうだった。そこからは渓谷にあるいくつかのポイントを見て回る感じになる。
まず最初から最深部にあるパノラマポイントを目指した。またも何度か道に迷いながら、丘のリッジにあるパスを辿っていく。
頂上付近から、北側 イシククル方面を望んだ眺め。正直あまり期待していなかったからか、全然期待以上で 来てよかったと思えた。独特の層を成した地層と、複雑に入り組んだ渓谷が織り成す景色は、小規模ながら独特で一見の価値ありといえる。
この独特の風景には伝説があって、かつてまだイシククルに湖がなかった頃、この地で栄えていた街の少女に7つの頭をもつドラゴンが恋をしたんだとか。求婚を断られたドラゴンは狼狽して街の井戸に呪いをかけて、満月の夜に井戸の水が氾濫を起こすようにしたところ、ある夜、井戸に蓋をするのを忘れてしまった結果、街は井戸から湧き出した水に飲まれてしまったんだとか。それを目の当たりにしてショックを受けたドラゴンは、その場で石化してこの渓谷をつくったんだという。
まぁドラゴンが実在したかどうかはおいといて、イシククルの湖底に多数の遺跡が発見されていることからも、あながち100%が作り話ではないのでは?と思えるところにロマンがあっていい。
それに、この妙に起伏したごつごつしたリッジは、確かにドラゴンの背骨のようにも見える。
丘のパスを挟んで南側を見ると、全く同じ場所とは思えないほどに景色が異なるのも、妙なかんじだし。
さて、他のポイントも色々とみつつ、もうひとつ特徴的な場所に向かう。
これも、なんでこんな形になったんだ?と思える妙な2枚の壁にはさまれたような形をしていて面白い。
急な坂を上ったり下りたりしながら進んでいく。坂を慎重に下るRogie. 滑落事故とか起きないんだろうか?日本だったら間違いなく手すりだの階段だらけになるか、あるいは立ち入り禁止になるような感じ。
概ね最終地点まで行った場所から。
やや日が傾いて、ゴツゴツと隆起した岩に更なる表情を与える。
渓谷で出会った生き物たち。
フェアリーテイルキャニオンでのトレッキングを終えて、メインの道路に戻る。ちょうどイシククルの湖岸に出られる場所だったので、そのまま下着姿で存分に泳いで汗を流すのであった。
カラコル滞在中、一緒に行動を共にしたRogie. 強く美しいイギリス人女性だった。
つづく