こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
ビシュケクでは、だいぶ長いこと滞在してしまいました。プチ沈没といってよかったでしょう。
ちょっと苦い思い出もできたビシュケクでの日々の1/3くらいを振り返ります。
ゲストハウスに集う旅人たち
今まで通ってきた国では、日本人はおろか 欧米からの旅行者にもあまり会わなかったけど 中央アジアに入ってからはタジキスタンのパミールやキルギスの大自然をエンジョイしに各国からの旅行者と会う機会が増えて来た。
特に夏季休暇に時期が重なって来たこともあり、ここビシュケクでもキルギス北東部を旅するための拠点として色んな旅人が集う。
いったい何人の旅人と会ったかは分からないけど、管理人同様 あるいはもっと以前からすでに沈没している人も数人いて、特にオーストラリアからの Josh と、トルコからの Ismail とはよく一緒にいた。
イスマイルは、よく自分が作った料理を分けてくれた。そんな時は洗い物をしてお礼とする。
中央アジア万歳の PET入りビール。飲みやすくて、皆で飲むと一瞬で空になる。すると、どこからともなく イスマイルが新しいのを持ってくる。
ビシュケクの日本人ゲストハウスは旅人の間では有名なようで、今まで全然会わなかった我が祖国の旅人とも沢山出会うことができた。
わずか数日ながら、特に玄さんとは仲良くなった。彼も東南アジアやインドから旅をはじめ、現在リミット未定で周遊中だ。
玄さんをバイクの後ろに乗せて、近くのスーパーマーケットに買い出しに行く。玄さんは本格的なレストランで長らくシェフの経験があり、料理をしてくれるというから胸が高鳴る。
完成したレモン&和だし風味の海鮮パスタ。うますぎて泣くかと思った。てか泣いた。いやまぁ泣いてないけどうまかったなぁ。
ドゥシャンベに比べてバイカーはあまり来ないけど、沈没してると 数名のバイカーとも会った。かっこいいじっちゃん、Stefanはフランスから All the Way でここまでやってきたという。
アフリカツインのリアサスペンションに問題があるようで、フランスからの部品到着待ちだ。これは長くなるな、と本人も覚悟の模様。
スクリーンに挟まれたシンバのぬいぐるみがかわいい。ゴールドリムと、赤いスポーク・スプールがかっこいい。
こちらはイギリスからやってきた Eddie.
いやいやいやこのトライアンフかっこよすぎだろ! The British!
かなりの拘り具合で、ビシュケクのどこかのワークショップを借りてモディファイを進めているようだ。こういう車両を見る時、本気で「恐れ入るぜ」と思う。
日本からの荷物受け取り
ビシュケクに到着するよりだいぶ以前から、日本の友人 K氏に、必要物資はないかと聞かれて発送を頼んでいた。
どうやら宿までは届けてくれなかったようで、郵便局に取りに行かなくてはならない。宿に届いた伝票をもって 国際便の届く郵便局にやってきた。
郵便局にかかっていた大きな世界地図。これいいなぁ。微妙にメルカトルじゃなくてロシアとかの面積が小さめなのもいい。
全く持ってプロセスが分からなかったけど、伝票をみせつつ翻訳アプリを使って無事荷物をゲット。
中身はというと、傷だらけになって視界不良になっていたシェードの替えグラスと、各地で配って無くなりかけていたステッカーだ。
今思えば、お茶漬けとか同梱してもらえばよかった。
K氏、荷物の用意から発送まで、本当にありがとうございました。
和だし探しの旅
玄さん情報で、どこぞのバザールに日本の調味料があるという実しやかな噂を得たので、またも玄さんをテネレの後ろに乗っけて、
やってきたバザール。ビシュケクにも複数のバザールがあって、特にオシュ・バザールが規模が大きくて有名だけど、ここはもう少し中心寄りの小さなバザール。
ん、食いもんがねぇ。
ここじゃないのか。
目的のものじゃなけいけど、興味津々。
旧ソを彷彿とする建物もそこかしこにあるのが、中央アジアスタンカントリーズの楽しみの一つでもある。
お、食料がでてきた。
キルギスのハチミツは安くてうまい。山岳部では養蜂が盛んなのだ。そして相変わらずこんなに消費できんのか、と思ってしまう巨大なスイカが大量に積まれてる。
最近「斧」と「額賀」が同義語として語彙登録されたゆーしを思い出す。管理人の中では斧といえばリンカーンなのだ。
米のばら売りで、一番ジャポニカ米に近いヤツ! とお願いして1kg 購入。
いつも、ローカルの空気が息づくバザール。
中国食材では、おばちゃんに頼んでしょうがの切れ端をタダで分けてもらう。
自分が料理をするっていう視点で見て回ると、バザールは数倍おもしろいんだろうなぁ。ラパウザでバイトしてるときは、全部出来たソースを分量測って火にかけるだけだったからなぁ。
目的の日本の調味料だけど、全然みつからねーからもう諦めようかと玄さんと話していたとき、地元のロシア人がそれらしき店の名前を教えてくれた。それを頼りに、店を探すと メインのスクエアの裏側に隠れた店の中のさらに奥の棚の裏に秘宝「だしの素」が隠されていたではないか。
箱入りでちょっと多かったけど、まあせっかく見つけた秘宝なので迷わず購入。最高の戦利品だ。
諸々もの探し
イヤホン
とあるショッピングモールの電気屋コーナー。しれっとギターが置いてあるのが謎。探しに来たのはイヤホンだ。イランでプレゼントにもらったワイヤレスイヤホンは原因不明の暴発を起こしたためトラッシュ行となってしまった。
ビシュケクには大型のモールがいくつもあるけど、どれもとても清潔で美しい。ドミトリーで泊まる際は音を出さないようにするためイヤホンがけっこう大事なのだ。ワイヤレスいいけど、Bluetooth の接続がめんどいからワイヤータイプを探す。
モバイルショップの集中するコーナーでゲット。
チェンオイル
ビシュケクで手広く展開するスーパーマーケット GLOBUS.
くどいようだけど、新しい国に入国した後は、その国の大型スーパーマーケットに行くのがけっこう楽しみだ。
よく分からんものがよく分からんラベルを貼られて大量に陳列されてる様子をみるだけで楽しい。
国民の95%がムスリムながら、酒類は豊富。
ビールも沢山種類があって面白い。
ここでの戦利品は、なくなったチェーンオイルの代用潤滑油と、今まで見た中で最も秀逸なデザインのエナジードリンク。
あと歯ブラシと歯磨き粉。
ドライビングランプの装着修正
ビシュケクにいる間に解決しておきたい問題がこのドライビングランプ。色々と変遷を繰り返し現在こんな感じで取り付けられているんだけど、これをちゃんとした装着に修正したかった。
とりあえず一回全部バラしてどうするのがいいか考える。で、必要と思しきネジなんかを頭の中でリストアップして、
やってきたのはこれまた違うバザール。宿の女将さんに、ネジ売ってそうなとこを聞いたら、ここだと言われた。
うん、なんかありそうな雰囲気は漂いまくってる。
肝心の目的を一瞬忘れいらんものを買わないように気をつけないといかん。
工具やネジが所せましと並ぶ一画で、勝手に「ネジおじさん」と名付けたおっさんが、管理人がサンプルで持参したネジを参照していいかんじのを持ってきてくれた。
てなわけで戦利品は修正用のボルト・ワッシャ・ナットに紙やすりとタジキスタンで世話になったAK-FIX.
イラクで付けてもらってからなんとか持ってくれているフロントフェンダーもそろそろ限界を迎えつつありそうだ。バザールでそこらへんに落ちてたワイヤーを拝借しておいてよかった。
AK-FIX とワイヤーを使ってなんとか修繕する。
問題のランプブラケットは、少しネジの加工が必要だったんだけど、幸運にも宿の目の前に住んでるおっさんが元板金屋ということで、頼んだら快くいい感じにボルトを加工してくれた。
そしてほぼ100%想定していた通りにドライビングランプの装着方法を修正することができた。気持ちいい。
ギターの弦
サウジアラビアでクラッシュした際に大破したヤイリのミニギター。
その後
「お前いつのまに新しいギターゲットしてん?」
と聞かれることが何度かあったけど、確かにそこには一切言及してなかった。
まぁギターに関してはまたギターの記事で書くとして、なにはともあれ今は新調したトラベル・ギターと一緒に旅をしている。
購入時から張られていた弦はそろそろヤバそうだったから、弦を買いに来た。
いつものごとく適当に徘徊しながらとあるモールの最上階に来ると、なかなかちゃんとした楽器屋を発見。
あるある。キリル文字ラベルの、ロシア製弦なんかが陳列されているのを期待したけど。ギターの弦ともなると、神保町のそれと大して銘柄は変わらんのね。
ライトスケールの真鍮弦をゲット。
クリーニングの悲劇
ビシュケクでやっておきたかったのがクリーニング。ジャケットはサウジアラビアで洗濯して以来、クシタニのエクスプローラージーンズにいたっては最後いつ洗濯したかも定かではない。もはや汚れているというより、汚れの中に服があるといっても過言ではない。
またも宿で教えてもらったクリーニング店に依頼。1週間かかるというのは不思議だけど、どうせしばらくは滞在するのでおとなしく待つも、、、、
1週間後に取り入ってビックリである。なんとエクスプローラージーンズが穴だらけで返ってきたのだ。ビックリというより、この時の感情は絶望に近い。
1億歩譲って穴があいたのは仕方ないとして、こんだけ明らかな穴大量にあけといて、何も言わずにしれっと返却してくるところに人間性を疑うわ。高額だからとかそういう事じゃなく、この1年一緒に旅をしてきた相棒なのに。でも、さすがにこの状態では旅を続行できない・・・
勿論クレームするも、ロシア語を話せないし、担当者も不明、そもそも日本円で6万以上するものをキルギスの小さなクリーニング店に要求することもできない。ほとんど泣き寝入りせざるを得なかった。
そこで、藁にもすがる思いで 日本のメーカーであるクシタニに事情を説明・新品の商品提供ないし 状況を鑑みて特別価格での提供が可能ではないか ダメ元で聞いてみると・・・・
社長から直々に返信が・・・・
これぞ神対応。感激して泣きそうだった、てか泣いた。
いやまぁ泣いてないけど、とにかく助かった。結果オーライといったらあれだけど、エクスプローラージーンズの新品が手に入るというのは、もうずっとこれと一緒に旅をしてきた管理人からすると超絶に頼もしいのだ。
それくらいにエクスプローラージーンズは素晴らしいジーンズである。
1年以上海外を旅しているという実績があるのもあるかもしれないけど、これだけ高額なものを1つ返事で即現地に送ってくださる会社の胆力とアドベンチャーを応援するという真の姿勢に、改めて惚れ直した。帰国してからも愛用します。ほんとに。
クシタニから発送の連絡がってわずか5~6日後だっただろうか、リアのサスペンション待ちで毎日郵便局を訪れていたステファンが、
” Ryuhei ! Is this your package??” とにっこりしなが箱を抱えている。
早い!もう届いたのか!
中をあけて更にビックリ。
夏用のメッシュジャケットやTシャツ、グローブにオフロードジャージなども同梱していただいたようだ・・・
もう何と感謝を述べたらいいのかわからん。本当に強い気持ちを表現するのに、言葉はいつも足りない。
ただし、本当に申し訳ないことながら、全てを持ち運ぶのは積載上不可能だったので、送っていただいたものの中から今後の旅で使用するものを選別して、残りの衣類と、ちょうど不要だなぁと思っていたもの、そして穴だらけになった旧エクスプローラージーンズを日本に送った。穴だらけのジーンズは、もはや実使用に耐え得ない状態だけど、どうしても捨てることができなかった。
ビシュケクの郵便局では、こんな感じで、その場で係のお姉さんが荷物に合わせて袋を縫ってくれる。梱包後は古風にも封蝋が押されるのがおもしろい。
無事、日本に届いてくれますように。
ロシア・トランジットビザの取得
中央アジアの周遊も終盤に差し掛かっている。この後はカザフスタンから、再び西へ向かって、コーカサス地方へ行く予定だけど、そこでひとつの問題がある。
①カスピ海を渡してバイクをアゼルバイジャンに輸送して、自分は空路でバクーへ飛ぶ
②アゼルバイジャンをパスして、カスピ海の上を通ってジョージアへ入国する
①に関しては、未だにアゼルバイジャンが陸路での入国を一切認めていないことに起因する。陸路での出国は可能だけど、これだとバイクの輸送費+自分の飛行機代でだいぶ費用がかさむ。
②に関しては、シンプルに陸路を行くだけだけど、カザフスタンとジョージアの間でロシアを通過しなければならない。ロシアのビザは基本的に本国からの申請じゃないと取得できないけど、トランジットであれば国外からでも取得が可能だという。
てなわけで、管理人は②に決めて、ビシュケクにいる間にロシアのトランジットビザを取ってしまおうと考えていた。
ここがビシュケクのロシア大使館。
何も調べずにいきなり突っ込んだところ、ゲートの横にあるこの掲示を指さして、オンライン予約が必要だよ と言われた。
https://kyrgyz.mid.ru/ru/ ⇐このサイトで、必要情報を入力。所定のフォームと、必要な書類を揃える。
宿のプリンターはここ数年間稼働していないとのことだったので、とある地下道にある印刷屋にやってきた。各書類の印刷とコピーをお願いしたら、”Welcome to Kyrgyzstan!” といって無料でやってくれた。
超適当な旅程表と、申請フォームのプリントアウト、諸々のコピーなんかを揃えて再び突っ込むと、
「いや、申請の予約が必要だから」
と言われる。
えぇ・・・ 知らんかったよ・・・申請フォームと同じフローにリンクしてよ・・・
親切な係のロシア人のおっちゃんが、その場で携帯を操作してくれて予約画面に飛ばしてくれたので、その場で申請日を予約。
そしてようやく予約日に大使館内に入って申請を完了。どうやらトランジットなら無事に取得できそうだ。
2,400 ソム = 4,000円弱 を納入して、更に待つこと5日間。
4度目の正直で、ようやくロシアのトランジットビザを取得。越境日が超適当なのが不安だけど、まぁ陸路の場合はその辺大目に見てくれるでしょう。じゃなかったらヤバい。
おまけ
ビシュケクでの麺類ライフ。
冷やし中華に牛肉麺。どれもうまい~。
つづく