【Republic of Tajikistan episode 11】恐怖の山下りから Iskandelkul; イスカンダルクー湖へ

こんにちは、グレートエスケープ中の管理です。

タジキスタン西部の山中にひそむ無垢な湖 Alauddin を去り、まずは来た道を戻らなければなりません。

ここまでのルート

恐怖の山下り

朝。相変わらず朝はいい天気。テントの生地ごしに差し込む朝日が瞼の表を照らすと、網膜が赤橙色を映す眩しさで目を覚ます。

実は昨日、夕飯の差し入れがある前にお米を水に浸けていた。朝メシに回そうと思ってそのまま一晩つけておいたが、さていかに。

うん、しっかり給水してうまく炊けたけど、おいしくない!やっぱ米が違うんだよなぁそもそも、日本の米を中央アジアで売ってくれ。

見た事ないようなクモとか、やたら綺麗なハエとかを見つつ撤収。あの悶絶ダートをまた戻ると思うと、やや気が重いが、まぁ気長にやってくしかない。もはやコケる前提で進めば少し気が楽。

深い川渡があるのが分かっているので、今回は事前にゲイターを装着しておく。今旅初の登場。

昨夜とその前日も、夜に雨が降ったせいで水カサが来た時より増えてる気がする。

ぬかるみも多くなっててガン萎えである。いくらガン萎えても誰も助けちゃくれないので、自力でなんとかするしかない。

 

この日は早めに雲が覆いだして曇天なのがまたなんともいえない。

崩れ落ちるのが、今日という日ではない事を願う。

特に深めの砂利道の下りが怖い。ブレーキかけても、ABSの作動する間隔でズリズリと滑り落ちていく。

はっきり言って部分的な難易度はパミールより全然上だと思う。

まじで勘弁して欲しいトラップ。

絶対コケるだろうな、と思ってた場所でおあつらえにコケた。ブレーキ効かないんだもん、まじで。砂利っていうか小石ゴロゴロだし。誰か通らねぇかなぁと思ってしばらく呆然とするも、誰も来そうにないので、荷物おろして引き起こす。

その後も川を渡り、ぬかるみを越え、

大きめの村が見えるところまで戻ってきた。

行きに通った赤土の家が見えたらもう安心。

フラットダートを抜けて、無事(?)ハイウェイに帰還。

一旦国道沿いで慣例のゴリラ休憩。

Iskandelkul へ

Gorilla 休憩の後、少し国道を南下した道を再び西方向へと逸れる。正直そんなにダート好きなわけじゃないんだが、最近は舗装路よりダートの方が多い。

ただ、こっちの道は Alauddin への道のような険しさは一切なく、全く無問題で進める正真正銘のフラットダートだった。日本では、林道やオフロードツーリングへの誘い文句として 「フラットだから大丈夫だよ!」という誘い文句が横行しているが、ベテラン勢のこの誘い文句は大概が「フラット詐欺」と言われ、実際行ってみるとガレガレの荒れ荒れで初心者はエラい目に遭うというのが常套である。

しばらく道をのぼっていくと、見えて来た、山間の湖が Iskandelkul; イスカンダルクー だ。

湖の周りを取り巻くように道路が走っているので、テントを張れる場所が無いか物色しながら走るが、、、、湖岸は大抵崖みたいになっていて、湖のすぐ傍までバイクを持って行って野営できそうな場所が見つからない。

 

そんな中、とある宿泊施設の作業員みたいな人達に、テント張れる場所がないか聞くと、その宿泊施設内の庭にテント張っていいよ ってことになった。まぁ聞いてみるもんだ。こうやって見るときれいなサイトに見えるけど、地面はそこら中ロバの糞だらけで、そのせいか夥しいハエが鬱陶しい。比較的綺麗な場所を探して、斧で辺りを掃除した場所にテントを張った。

件の宿泊施設には誰もいないのか、湖に突き出したバルコニーも独り占めできた。Alauddin が100%圏外だったのに対して、こっちはSIMのネットワークが繋がる。バルコニーにはハクセキレイが頻繁にやってきた。

湖の美しさや秘境感でいえば、Alauddin や、7th Lakes 、あるいは Kulikalon といった山中にひっそりと隠れた小さな湖の方が上で、イスカンダルクーはやや観光地化された印象を受けた。でも、人は少なく 穏やかでいい湖だ。

カノコガの一種と思われるけど、体節にある帯が黄色くなくて白い。メタリックブルーで綺麗だ。

ゲイター空しく功を奏せず 水浸しになったブーツを乾かす。

なんともちょうどよさそうな木のテーブルが近くに放棄されていたので、持ってきて作業机にする。色んな人から使用用途を怪しまれる小型の斧だけど、テントサイトの整地やペグ打ちのハンマーとして、はたまた野グ〇用の穴を掘ったりと、マルチに活躍している。

つづく

管理人の旅を支える道具たちはこちら↓↓↓