こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
バグダッドを拠点に、なるべく色んなところを巡りたいところですが、交通事情が想像以上にキツいのと、定期的に現れるチェックポイントに悩まされます。
今回は、バグダッドの北北西約130kmくらいの場所にある古都、Samarra を訪れた際の様子となります。
Samarra への道と イラクの給油事情
バグダッドで合流した Zsolt Erika 夫妻と連絡を取り合い、一緒にサマラの街へ向かうことになった。彼らはバグダッドをある程度見て回った後はヨルダンに戻るようだ。その間は一緒に行動しようと思う。
そんな道中も、やはりチェックポイントでいちいち止められる。
途中、橋の上から見えたマーケットの様子。
日本の蚤の市を思い出したけど、ここで売られているのは骨董品ではなくて 食べ物や日用品のようだった。
イラクの割りと整ったガソスタ。
イラクのガソリンスタンド、特に都市近郊ではバイクへの直接の給油が禁止されている。
なのでこんな感じのポリタンにガソリンを入れて、半分に切ったペットボトルをじょうごにして給油する。
まぁはっきり言って無駄な行程だよね。
ガソリンのオクタン価は不明。給油ホースやスタンドにも記載がない。ただディーゼルじゃないかだけは臭いで判断する。
価格は実測で IQD 500/ℓ= 約 44円/ℓ だったけど、給油量が超適当&値段もどんぶり勘定なので正確な金額は不明。
というか正確なリッターあたりの金額って概念がないんだろうか。「だいたい~ℓくらいだったから、だいたい~ディナール」みたいな請求のされ方しかない。
とあるチェックポイントにて。
サマラへの道は特に悪かった。
道路は野良犬の死体だらけで、舗装路もいきなり大きく波打ちだしたり、深い轍がでてきたり、謎の縦溝がつづいたりと、平穏には走れない上に交通量も多い。無暗に飛ばすヤツと大型トラックのはざまで、どの速度域で走ればいいか難しい。
季節もあってか、空気は極度に乾燥してる上に、超絶埃っぽい地面からの砂塵が舞い上がってくる。
たったの130kmながら、そんな道路とチェックポイントに苦戦して サマラの街に着く頃には既に日が傾き始めていた。
しかも最後のチェックポイントでまたやたらと待たされる。
Samarra の大モスクとMalwiya の螺旋ミナレット
最後のチェックポイントからサマラにある大モスクまでは謎の護衛がついた。この護衛待ちでかなりの時間をロスしたわけだけど、どうにも護衛が必要な道には思えなかった。
そしてサマラの象徴ともいえるマルウィーヤの螺旋ミナレットがみえてきた。
最初にこの塔を見た時は、完全にバベルの塔を連想したけれど、直接的な関連性は指摘されていない。
この特徴的なミナレットを含むMutawakkil; ムタワッキル・モスクがつくられたのは アッバース朝期の850年前後にかけて。イスラーム勃興から200年程度の時期なので、ウマイヤド・モスクなどと並んでもかなり古いモスクのひとつといえるんじゃないだろうか。
この螺旋部分は階段になっていて、上まで上ることができる。手すりもなんにもないんだけど、落下事故とか起きないのかな。高さは約53mもある。
派手な大型バイクで乗り付けてしまったもんだから、地元民が沢山集まってくる。
ただ、イラクやシリア、ヨルダンといったアラビア半島の根本では、色々な顔つきの人がいておもしろい。
古くはシュメールやアムル系に起源して、アラブ、アラム、ヘブライ、フェニキア はたまたペルシャやマケドニア、スラブなんかの多様な民族がミックスしていった末裔たちだ。
早々に見学を済ませて、明るいうちにあのクソ道路を元に戻りたいんだが・・・・
といいつつ、せっかく来たので頂上まで上ってみる。
螺旋階段の上からでないととても全貌をつかめないこの巨大なスクエアの城壁が、このモスクの本体だ。約 250m × 160m のこの敷地面積は世界最大ともいわれていて、城壁の高さは10.5m。写真でみて分かる通り、今ではもぬけの殻で、13世紀後半モンゴル勢力によって破壊されたまま外壁とミナレットだけが残っている。
高所恐怖症の人は確実にのぼれない雰囲気の螺旋階段と、頂上につづく階段をのぼって、
頂上からの眺め。
サマラはアッバース朝の時世に一度バグダッドから遷都した場所で、都としてかなり栄えた時期もあったようだけど、その後またバグダッドに都が戻されて以降は衰退の一途をたどったようだ。
ミナレット頂上の子供たち(ん、ひとりおっさん?)
GS × Zsolt Erika × Malwiya
Tenere × 管理人 × Malwiya
顔にイラク国旗のペイントをしてる。
3姉妹(?)
なんだか地元の観光客にわちゃわちゃされてせわしない訪問になってしまったけど、こんな唯一無二の写真を撮ることもできたし、まぁ来てよかった。
帰りは案の定真っ暗になってしまった。途中、寄った大型のグロッサリー。
イラクの暗道走行で一番怖いのは野良犬の飛び出しだった。今までのどの国も野良犬は沢山いたけど、どういうわけか轢死体がやたら多いし、実際管理人も間一髪という場面があった。
でかめの犬だと、バイクで轢いた場合こっちもタダでは済まない。
そんな感じで気を付けながら、Zsolt Erika とバグダッドへ戻るのであった。
おまけ
地元のヤングメンに付きまとわれながら螺旋階段を下りる管理人。Zsolt 撮。
つづく