【Republic of Lebanon episode 2】ベイルートの街の現在 “中東のパリ”は健在か

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

ベイルートで借りたアパートになつっこい猫が住みついていて、 既に元取った気でいるんですが、まずはレバノンの首都の様子を見に行ってみます。
かつて「中東のパリ」と呼ばれた街は、長い内戦とその後の復興、そして経済破綻の後どんな表情をしているんでしょうか。

Beirut Riding

レバノン入国前の天気予報では滞在中ずっと雨という最悪な予報だったけど、幸い晴れてくれた。

ここはベイルートの中でもやや東側に位置する地区。

 

街中にはキリスト教由来の像が散在している。
レバノンにおけるキリスト教はマロン派という一派に分類される。古代にはフェニキア人の大拠点として栄え、アッシリアやペルシャその後のヘレニズム化、ローマの後はイスラムと、各勢力の割拠に翻弄された現レバノン地域は、宗教においても複雑な勢力図を抱えている。
そんな中レバノンの山岳地帯でひっそりと生き延びてきたことから独自の一派を形成したのかもしれない。
レバノンではこのマロン派から大統領が選抜される不文律の慣習となっていて、委任統治時代のフランスとのつながりもあって国内で大きな影響力をもっている。

UAEからずっとシュワルマを食べてるけど、国や地域でシュワルマの具とか味付けも少しずつ違う。ここのシュワルマは中にポテトをすり潰して入れてるみたいで、特にうまかった。

商店などは普通に営業していて、物も豊富にある印象。

レバノンにきて、普通のスーパーで普通に酒が売られているようになった。
ムスリムの多い地区ではまた違うのかもしれない。

精肉コーナーのにいちゃん。ついに豚肉もでてきた。

地中海海岸方向へと行ってみる。

途中、カラフルな建物なので写真を撮ってたら、一体何の写真を撮ってるんだ?と訝しむ人に取り囲まれる。

海岸線まで出てきた。

Pigeon Rock.
なんで Pigeon なのかは?

南側には高層ビル群が海岸線につづく。内戦時にはこういったホテルが武装化した民兵組織の拠点にもなったらしい。

 

首相府などが置かれている中心地付近へやってきた。

Mohammed Al Amin Mosque.

ドームの美しいブルーと、ややオレンジがかった壁面が特徴的なこのモスクは、ベイルートに無数にあるモスクの中でもひときわ美しく、レバノンで最大だ。

開設されたのは2008年と新しいけど、雰囲気はオスマン帝国調で、とても迫力に満ちていた。

礼拝室には入場料なしで入ることができる。

入口がサウジアラビアの様に明確に男女別で分けられていないのも印象的だった。

そんなアル・アミン・モスクのすぐわきには、St.Geoge Maronite Catedoral がある。

司教座とモスクが肩を並べる、レバノンらしい風景にでくわした。

ローマ期の遺跡も街中に突然現れたりする。

モスク前の殉教者広場。

負の遺産的な感じで残されてるのかな、爆発事故の後のままと思われる何かしらの建造物。

これも、未だその時のままのビル。

デコトラ in Beirut.

パブリックアート。

I ♡ Beirut のモニュメント前にて。

欧州洋の建物が多く、街の雰囲気も確かにヨーロッパにいるような一画。

ちょっと路地を探索してみる。

石畳と石造りの建物群は、まさにヨーロッパの街並み。

この日はこれと同じ衣装に身を包んだ黒人女性を沢山みかけたんだけど、はて なんなんだろうか。

ハイブランドが立ち並ぶ一画。銀座のなんとか通り的な雰囲気だろうか。

ここに来ている人は、一部の裕福な層なのかもしれない。

さて、そんなザーギン in Beirut を抜け、埠頭にやってきた。

海に向かって延々とつづくこの場所は、地元民の憩いの場所となってるようで、

レンタルサイクルで爆走する子供たちや、ローラースケートを楽しむ若者、歩いてるだけで心が和む場所だった。

彼女たちはいつか日本に行ってみたいという。

埠頭の先端までやってきた。

釣りに興じるおっさんたち。

気持ちのいい夕暮れちょい手前の地中海。

リグのようなのが見えるけど違うか、レバノンは東地中海沿岸に豊富な天然ガス田を保有していて、しばしばイスラエルとその所有権で争っている。

少なくとも、ベイルート市内を走って回る分には、「国民の3/4が困窮にあえぎ、強盗が日常化して完全に破綻している国」には見えない。
現地の人に話を聞いたところ、レバノン・ポンドの暴落に際し、国内ではUSDによる給与の支払いに移行している会社も少なくないという。それと共にブラックマーケットでの両替商も発達していて、結果そこまで大きな問題なく暮らせているよ とのことであった。

その外貨がどこから仕入れられているのかはよくわからないけど、凄惨な内戦を生き抜いた人たちは強く、デフォルト程度であればうまく適応して強かに生きているんだなぁという印象を受けた。

もっとも、少し走り回ったぐらいじゃその国の上澄みの上澄みしかわかったもんではないんだけど。

スルソーク宮殿前と、

St.Nicholas Greek Orthodox Church; 聖ニコラス・ギリシャ正教会。

バイクで自由に走りながらカメラをぶら下げて知らない街を走るというのは、何て楽しんだろうか。
この機動力、この自由さ、バイク旅の良さを改めて咀嚼する Beirut Riding だった。

おまけ

レバノンでの果たしてちゃんと給油できるだろうか? と来る前は心配していたけど、問題なく燃料も市場に豊富にある様子。
実測値は RON95 36,000 LBP/ℓ= 約107円/ℓ.
他の中東諸国と比べると、ちょうど真ん中くらいといった値段だろうか。

つづく

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