こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。
オマーン南部 ドファール地方の中心都市 Salalah サラーラまでやってきました。
Salalah 徘徊
サララの北にある山を越えると、植生や気候が大きく変わり、今までの荒野や砂漠とは全く異なる豊かな緑をみることができる。
生まれて間もない子ラクダたち。
ラクダ飼いの青年。
ラクダのミルクを路上販売してる。
日本人はおなかを壊す可能性大らしい。せっかくだから飲んでみたけど、大丈夫だった。
海沿いは、かなり荒れ模様のインド洋と、海が陸を浸食し、そこに絶壁がそびえるような景観が沢山ある。
サラーラ、正直スポットが多すぎてどれを優先的に見ていけばいいのやら・・・
と思っていたところ、この前ガソスタで会ったGSのAbdula が一緒に走ろうということで、Abdulaに色々と連れてってもらうことにした。
Jabal Shamhan
ほとんどは片側1車線の山道、時折視界が濃霧で遮れる。
霧でもやがかった緑の絨毯に低木が延々とつづく景色などは 緑を見慣れた日本人にも少し異様な雰囲気がある。
今の時期は Khareef シーズンで、オマーンのみならずサウジやUAEからも避暑ツーリストが多いため、交通量は多い。
雲の上にでた。
ここは Jabal Shamhan の展望所。
ほぼ目線の高さに雲がある。
ほどよく雲がはけてくれて、きれいに景色を見ることができた。
全く何も見えないこともあるらしい。
ここら辺の山岳地帯にはアラビアヒョウがごくわずかに生息しているという。
とはいえまず人前に姿を現すような事はない。
かわいいサイズのヒョウたちはいた。
高山植物といっていいのだろうか、
Jabal Shamhan の最高地点は約2,100m ということだから、ここは 1,900mとかそのくらいなのかな。
鮮やかなカバマダラ。
泥だらけになって強制撤収させられる子供。
展望所の屋台で売っていた果物。何なのかよくわからない。味もそんなにおいしくはない。
Wadi Shaabon
中東とは思えない謎景色を楽しみながら走る。
雲の上にでたり、濃霧に包まれたりを繰り返す。
Wadi Shaabon は Jabal Shamhan の中腹くらいに位置するスポットで、
鬱蒼とした木々のなか、湧き水が川となって流れていく様子をみることができる。
もしかしたら、日本人にとってはありきたりな光景なのかもしれないけど、緑があってその間を水が流れているというだけで、この国ではそれが貴重な観光資源になるのかもしれない。
それほどに、オマーン人と日本人で、サラーラの景色を見た時の感じ方は大きく違うだろうなぁと思う。
水辺には野鳥も多い。ホオジロの一種。
カエルの一種。
もしかしたらアラビア半島固有種のオマーンヒキガエルかも?
Mirbat へ
さぞGSを乗りこなしているのかと思っていたAbdula だが、予想に反しなかなかにコケまくる笑
管理人が Wadi Shaabon を見回ってる間ずっと修復作業していた模様。
でも2人だとこういう場所走るのには心強い。
ヤギの大横断。
Salalah より東に70kmほどの場所、Mirbat という港町。
Mirbat Castle は残念ながらもう閉館していた。
Mirbat の海岸、
波はやっぱり荒荒しく、波をかぶる岩面は藻類で覆われていた。
Mirbat の街には、一部廃墟のような場所が街中に混在している。
廃墟といって普通に民家だったら失礼な話なんだけど、
壁の色とドアの色の感じとか、いいね。
最も印象的だった、廃マーケット跡。
何年くらい前に機能していたマーケットなのか、Abdula に聞いてみたけど、だいたい150年くらいだと思う、とのこと。
そしてAbdulaは近くのモスクに、「お祈り行ってくる!」と言い残して消えていった。
これは、” Mirbat Customs ” とあるので、昔の通関に使われていた建物。
後に記載する Sumhuram を代表に、サラーラ界隈のアラビア半島南端部の港は、古くから乳香貿易の玄関口だったのだ。
Darbat Waterfall
ダルバットの滝はもしかしたらサラーラで最も訪れて後悔のないスポットのひとつかもしれない。
まるでトルコ石を敷き詰めたかのような鮮やかなブルーがとても印象的。
なぜこんな色なのか、調べてもよく分からないのだけど Abdula 曰く水底にある石の影響だという。
木造船も行き交う。
屋台にて、チェコパイみたいのを焼いてくれた。
メインの道とは別のところを上っていくAbdula, こっからまた別角度で大元の滝が見られるらしい。
丘の頂上にやってくると、大元の太い滝が見えた。やっぱり水の溜まっているところだけ不自然に青い。
Sumhuram の遺跡(Khor Rori)
ちょうどダルバットの滝からつづく川の河口付近には、Sumhuram という古代都市の遺跡がある。
畳石の道路がつづく敷地内に入る前にはゲートがあり、入場料が必要なようだったが、Abdula が2人分払ってくれたようで、金額不明。
遺跡は直接内部に入って歩き回ってOK.
オマーン南部のドファール地方は、古代から乳香の原産地。
東アフリカやインド、その他あらゆる地域へ輸出される乳香の出荷を担う港湾都市があったのだが、Sumhuram もそのうちのひとつで、「乳香の土地」という名目で世界遺産にも登録されている。
遺跡の高台から見える風景。
Sumhuram が貿易港として機能していたのは、ちょうど紀元前後をはさんで600~800年くらいのことという記載もあるけど、ざっくり今から1600年~2200年前くらいの時代感覚なんだと思う。勿論、イスラムの曙よりも昔のことになる。
敷地内にはミュージアムも併設されていて、内部では遺跡での出土品を数多くみることができる。
Ayn Tobruk
サラーラを走っていると度々みかける屋台の長蛇。
ラクダ、チキン、牛肉、ヤギ 色々な種類の肉と、煮込みや網焼きなど調理法も色々あるようだ。
Abdulaと2人分、後で食べる用に購入。
ここは Ayn Tobruk.
そこまで観光地化するほどか?と思ってしまうのは、先述の通り緑や小川を見慣れた日本人的な認知なのかもしれないけど、こんなようなスポットはサラーラに沢山ある。Ayn Tobruk の場合、この滝の上流部分が、
こんなスペースになっていた。
ファラジのような水路に水が大量に流れて、大人も子供もみんなおおはしゃぎの様子。
Abdula が
入れよ入れよ とニヤニヤしてくるので、
いや、じゃあお前が入れよ
とニヤニヤし返す。
だいたいそんなに気温高くない。
このトンネルみたいなところから大量の水が湧いている。今年は特に水の量が多いんだと。
Ain Athum
Ain Athum も、数多くあるサラーラの滝の中で特筆してよいのでは と思える滝だった。
Abdulaが、
でも日本ってこんなのがそこらじゅうにあるんでしょ?
とか言うもんなんで、
いやいやいや、確かに滝とか森とかそこらじゅうにあるけど、こんな色が鮮やかで美しい滝はそんなに多くはないと思う、
と大して日本の滝に詳しいわけでもないのに適当な事を言ってしまった。
家族連れ目当てのお店も沢山あって、これは凧か。デザインはビビッドカラーな猛禽類。
サラーラの東側から山越えでサラーラへ戻ろうとするも、日が沈みかかる。
まぁもう今日はこのへんにしとくかと、完全に走る事を放棄してその場に居合わせた人の誘いにのって沈んでいく太陽を見る。
紅茶の淹れ方、ではなくバイクの話をしている。
彼もライダーなのだ。
靴も脱げ靴も脱げ、
ということでブーツも脱がされ、座椅子まで借りちゃって 紅茶うまいし、完全くつろぎモードにはいってしまったが、
さっきまで下界一望だったのがあっという間に雲と霧で真っ白になってしまった。
この霧の中夜の山道はマジ勘弁なので、海岸沿いの幹線道路に戻ることにした。
おまけ
Salalah の Sultan Qaboos Mosque.
アブダビやソハール、マスカットでグランドモスクを見てきたのでもはやモスク慣れしてしまっているけど、十分に荘厳で美しいモスクがサラーラにもある。
つづく