【Sultanate of Oman episode13】南の桃源郷 Salalah サラーラまで 1,200kmの旅路

こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。

ラッセルハッドでウミガメと出会い、ここからチンタラ走行の清算をすべく最南部の街 Salalah サラーラを目指します。

Ras Al Hadd → Pink Lagoon

走行距離がかなり長いので、朝早めに出発する。

しばらくは南米のパンパを連想するような草原地帯がつづく。

ホルムズ海峡から離れ、半島のインド洋側に遠のくほど、海が荒々しくなっていく気がする。

途中、ガソスタで会ったオマーンのGSライダー。
彼とはこの後、サラーラで再開することになる。

海が川のようになって地形に入り組んでいる、なんとも不思議な地形。

とにかく風がやばい。

風向きは南西から北東で、ばっちり完全に向かい風。
この時期は完全にモンスーンとかぶっているのだ。15ktとかなってるけど、ぜったいもっと強い。

ほとんど経験したことがないような強風で、ヘルメットごと頭が持っていかれるんではないかというような強さ。

オリックスか! と思ったらロバだった。

向かい風はまだいいものの、道がうねるとこれが横殴りの強風になる。
まっすぐ進むのもままならないような強風で、気を抜くと反対車線ないし側道へ躍り出てしまう。

内陸に入れば少し風はましになるらしいけど、内陸の道は帰りに通るのでサラーラへの往路は海岸線を走りたい。

時たま通過する、海岸沿いの小さな村。

景色もそれなりに変化して、まごうことなき砂漠から

荒涼とした岩山地帯まで。

砂漠地帯では強風に煽られた砂も悩ましい。
ヘルメットのシールドは潮風+砂ですぐに曇っていくし、対向車が通るとまるで散弾銃のように全身に砂が打ち付けられる。

もはやこれは苦行だろ と言いたくなる砂と風の仕打ち。

とある村のイケメン予備軍。

そんな苦行に耐え忍んで、

Pink Lagoon (メキシコのそれとは全然違う) のある海岸まで走ってきた。

これはなんでこんな色になるのか、調べてもよくわからないのだけど、色の程度も季節や雨の程度によって変わるらしい。

同じくビーチにいたオマーン人の家族が、ブドウとコーヒーとデーツをくれた。

アラビア半島より、西の端へ沈んでいく夕日。

今日はここでテントを張った。

Route1

約685km.
暴力的な砂と風のなか、よく走ったと思う。

Pink Lagoon → Salalah

翌朝、今度は昨日夕日が沈んだのと正反対から朝日が昇る。
まぁ当たり前なんだけど、地平線がこうまで広いと、地球の自転を実感できる。

トップケースの中にいつぞや買ったカップ麺が入っていたので、お湯を沸かしてそれを食べる。
今回の旅では各国のガソリンでストームブレイカーがどこまで機能するかの検証もしたいと考えていたんだった。

砂塵の量が鼻毛と気道繊毛の自浄機能上限を超えてるので、バンダナなどは必須だと思う。

相変わらず風がやばい。
あまりにもやばいので、途中から内陸に入る。

途中休憩中に出会った Jayanth が、氷の工場をみてみるかい?というのでみてみることにした。

巨大なコンプレッサーは冷媒のアンモニアガスを圧縮し、このクネクネしたパイプ内で液化していくらしい。

アンモニアが気化する際の吸熱を利用して水が冷やされ氷ができる。

この工場で作られた氷は、主に地元の漁師船などに積まれるという。
粉砕機と、氷を積むトラック。

その後もこんなような道が、延々とつづく。

もうサラーラまで少しというところ。

原油輸送用のパイプラインが道路脇に設置されている。

サラーラはその北側を山岳によって砂漠地帯と隔てられていて、この時期(8月)はインド洋モンスーンの影響でその山岳地帯は濃霧で覆われる。気候帯も砂漠気候ではなくほとんど熱帯気候となっている。
だんだんと視界が危うくなり、ひどい時は10m先も視認できないほどの濃霧だった。

山頂付近だろうか、検問があった。
特にドキュメントの提出などはなし。

更に南へと進み、だんだん霧が薄れると、そこは今までの荒涼とした平原や延々とつづく砂漠とは、言葉通り別世界だった。

これが中東の景色とは信じられるだろうか。

Route2

約460km.

またしばしサラーラに滞在しつつ、この緑の楽園をバイクで巡ってみようと思う。

おまけ

悠々と道路を横断するラクダたち。
彼らは必ずオーナーがいて、万が一轢いてしまうようなことがあれば凄まじい罰金などが待っているらしい。

つづく

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