こんにちは、世界放浪2輪旅中の管理人です。
首都ソフィアを去った後、ギリシアとの国境に向かって南下していきます。
ここまでのルート
Boyana Church; ボヤナ教会へ
まず、ソフィアの南西郊外にある古い修道院に寄って行こう。
森林と、瓦付の塀で囲まれた一画が、Boyana Church; ボヤナ教会 の敷地のようだ。
入口から教会まで、小路がつづいて
その先に Boyana Church; ボヤナ教会 が建っている。
教会を横から見ると、その構造がすごく特徴的なのが分かる。西側から東側にかけて 全然雰囲気の違う建物が連なってるように見えるのは、時代を越えて増築を繰り返した証なのだ。
一番東側はブルガリア第一帝国時代の10~11世紀に、
2階構造になってる中間部分は第二ブルガリア帝国の13世紀に、
そして西側の平屋部分はオスマン帝国期の19世紀に それぞれ建てられたもので、現在は世界遺産に登録されている。
一番古い部分は小さな聖堂で 当時の地元の修道士や貴族によって建てられたらしい。その後13世紀に ボヤナ地方を治めていた貴族 Sebastocrator Kaloyan; セヴァストクラトール・カロヤン とその妻Desislava;デシスラヴァによって 2階部分に家族礼拝堂を伴う形で中間セクションが増築された。この時期、1259年に内部に描かれたフレスコ画が現在も保存されていて、その完成度の高さから フィレンツェでルネサンスが始まるよりも以前の、ルネサンス先駆けの芸術とまでいわれている。
入場はけっこう厳しめに管理されていて、一度に入れる人数は5~10人程度、滞在時間は10~15分程度で 自由に内部をみたり写真を撮ったりすることはできない。
そんな中、なんとか ささっと撮った写真がこれで、内壁が760年以上も前の壁画で覆われているのがわかる。
ひとつひとつじっくり写真を撮れなかったのは残念だけど、貴重なフレスコ画保護のため仕方ない。ビザンツ美術からルネサンスへの橋渡し的な存在ともいわれているこの壁画こそがボヤナ教会を世界的に有名にしている由縁なのだ。
Rila Monastery; リラ修道院へ
ボヤナ教会を後にして 完全に首都圏から抜ける。
また、ブルガリアののどかな田舎道がつづく。
途中、南下するメインの道から東へとのびる Rilska; リルスカ川沿いの山道へと分岐して、
どんどん奥へと進んでいくと やがてRila National Park の領域内に入って行く。
小さな村や
きれいな紅葉を抜けて、
Rila Monastery; リラ修道院に到着した。
Rila Monastery; リラ修道院
修道院の南側の入口から敷地内へ。
ゲート天井の意匠と、
ゲート内のデザイン・・・・なんかイルミナティみたいなのがある。
門をくぐって敷地内に出ると、そこにはブルガリア最大にして最重要とされる修道院の全貌が姿をあらわす。
リラ修道院本体と、
別棟の Hrelja; フレリャの塔
そして四方を取り囲む、4階構造の列柱回廊が聳然と建っている。
現在でも修道士たちが暮らすこの居住スペースには、全部で約300の部屋がある。
ブルガリア復興様式で19世紀半ば頃に完成された。階と階を接続する木製の階段がすこぶるいい味をだしてる。
回廊を支える列柱の上部には色々なデザインがあしらわれてる。
居住翼に設置された特徴的なバルコニーや鐘、見た事のない生き物を象ったガーゴイル。
リラ修道院は、10世紀のブルガリア初の隠者といわれる Ivan of Rila; リラのイヴァン によって創建されたと考えられてるらしい。
14世紀になってから、当時の領主 Hrelja; フレリャによって現在の場所に再建されるけど、オスマン帝国支配以降破壊され、15世紀末に改めて再建されるも 1833年の火災で焼失。1834-62年にかけて ブルガリア復興運動の元 再び再建されたものが 現在見る事のできる姿だ。
教会の西側をコの字型に囲うポルチコの小ドーム下面とアーチは壁画で豪華に装飾されてる。
礼拝室への入口と、
内部の様子。今回もいろいろと制限が強く、解像度低めなこの写真1枚しか撮れなかった。
教会のすぐ北側に建つこの Hrelja; フレリャの塔は 敷地内で最も古い構造物で、1335年の教会再建時に同時に建てられたものが今でも残っている。修道士たちの保護・貴重品の保管・牢獄、あるいは精神障害者の隔離場所として使われていたと考えられている。
石造りだったためか、15世紀のオスマン帝国による破壊・1833年の火災 いずれの難も逃れ 唯一の中世建造物となっているのだ。
塔の上部には小さな礼拝室があって、そこには14世紀当時のフレスコ画が保存されてるらしいけど、管理人が訪れた際は一般入場は無いみたいだった。夏季とかだったら入れたのかな?
塔の西側にちょこんとくっついてるこの鐘楼は、1844年に増設されたもので、
1階部分にはお土産屋が。
イコンのレプリカなんかが沢山売られていた。このお土産屋自体がめっちゃ味わい深い・・・
北東側の門を出ると、
リルスカの更に小さな分岐を挟んで
蜂蜜や、その他謎のジャムなんかが売られていた。
今日はこのままリラ国立公園の深淵へと飲み込まれる予定なので、今のうちに腹ごしらえしとく。
帰り際、ブサ乗りのジモティ夫婦に激励をもらう。世界にも スズ菌感染者多数。
Rila National Park; リラ国立公園へ
さて、修道院の見学を終えて 来た道をそのまま東へと進んでいく。
冬前の澄んだ空気にのって、森の独特なにおいが鼻腔に届く。
そんなわけで、そろそろ秋も終わるなぁとか思いながらブルガリア原生林へと誘うシングルトラックの細い道を進んでいく。
バルカンの秋は、本当に紅葉がきれいだ。
途中、いいところで湧き水発見。そしてこの廃屋(?) の奥にあるトレールから、
未舗装路スタート。
たまに、落ち葉に埋もれた大き目の石に気をつけさえすれば かなりイージーな”フラットダート”がつづく。こりゃあいい!
もう10月の半ば、けっこう日も短くなってきた。
かなり深くまでやってきたかというところで、視界がパッと開けて高原のような場所に出る。
こんなに大量の荷物を積んでも 力強くダートを走破してくれる頼もしき相棒に乾杯。
高原地帯に出てから少し走ると、どうやらこのトレールのデッドエンドらしき場所に辿り着いた。
周辺を歩くと、更に奥につづく小さな道があるようだったけど、もう暗くなってきたし クマも怖いからこの辺で終いにしよう。
ちょうど暗くなる直前にテント設営完了。
ブルガリアの原生林に包まれて、就寝するのであった。
つづく