【Republic of Bulgaria episode 10】重要文化財が密集する村 Arbanasi; アルバナシをたずねて

こんにちは、世界放浪2輪旅中の管理人です。

ヴェリコ・タルノヴォ滞在中、街で出会った人に 時間があるなら行ってみれば?と教えてもらった Arbanasi; アルバナシの村。中心からわずか数キロほど北に行った場所にあるので、ちゃちゃっとバイクで訪れてみた。

Arbanasi; アルバナシの村に点在する 平屋の教会たち

村に向かう途中、道脇にあった小さな洞穴。

“1882年 Myhny Mortsiによってつくられた” と書かれているようだけど詳細不明。

村の中心にのぼっていくつづら折りの道路の折り返し点にあった St.Nikolay the Miracleworker Monastery; 聖二コラ修道院。
第二ブルガリア帝国時代につくられた修道院だけど、その後オスマン帝国に破壊されて 現修道院は1680年に修復されたものや、その後に建てられたものらしい。

門をくぐって敷地内に入ってみると、思ったより奥行があって広大な修道院みたいだ。
たぶん修道士たちが住み込みで使っているであろう居住用の建物がいくつか見える。

蛇口の意匠がおもしろい。

さらに内門を中に入って行くと、

木造2階建ての綺麗な建物が周りの高台に建っている。ブルガリアでは修道院に泊まることもできるみたいだから、現在は宿泊用の部屋として機能してるような見た目だった。

教会入口。内部は撮影禁止・・・ まぁ、撮影禁止でも 極力なんとか1枚くらいは写真を撮るようにがんばるんだけど、今回は目を光らせてる修道士のおばぁちゃんがいて無理だった。

ほぼ村の中心付近にある Church of Nativity; キリスト聖誕教会。
村中を走るこの石の塀が アルバナシの村の大きな特徴だ。

訪問からほぼ1年経った現在、写真を見返すも内部の写真がない・・・
確か、ここは撮影禁止だったんじゃなくて 入場料をしぶって入らなかったんだっけかな、
だとしたらケチってないで入ればよかった。
スポットの旅行だったら出し惜しみはしないものの、超長期だとどうしても節約のために入場料を出し惜しみしてしまうことがある。
当然それも必要なことだけど、後から後悔することも多々。
あるいは、単純に既に10月ということで閉まっていただけだったかな・・・覚えてない。

いずれにせよ、10月以降は閑散期のスタートだから、大規模観光地以外で しかも現役で機能していない修道院や教会は閉館されてしまうことが多い。

教会前には小さな墓地と、いくつかの石碑が無造作におかれていた。なんか、アルメニアのハチュカルを思い出すなぁ。
内部のフレスコ画は秀逸で、アルバナシの村でも最古級といわれる16世紀のものが保存されている。
いつか・・・また、再訪(?)

 

アルバナシの村の起源に関しては確かな事は分かってないらしいけど、13世紀ごろ 第二ブルガリア帝国時代に近隣の貴族が移住してきたのがはじまり というのが最も有力な説みたいだ。17-18世紀には貿易で財を成した商人たちによって多くの家が建てられて手工業も発達し、その最盛期を迎えるものの、18世紀後半から19世紀はじめにかけて 略奪とペスト・コレラなどの影響で荒廃。裕福な貴族や商人は他の国に逃亡し その後かつての繁栄を取り戻すことはなかった。

St. Mary Church; 聖母教会。

この教会も先と同じく、オリジナルは第二ブルガリア帝国時代に建てられたものが オスマン帝国やクルド人による略奪行為により荒廃した後、17世紀になってから再建されたものや、その後増築された建物が今に伝わる。

門をくぐって中に入ると、やっぱり石造りの平屋構造の教会と墓地がある。

入口をはいると、

フレスコ画で覆い尽くされたアーチ状の空間と、

奥に続く礼拝室。礼拝室もやはり、アーチ状の天井から壁にかけてがフレスコ画で覆われてるのがわかる。

絢爛なイコノスタシス。周囲のフレスコ画は、素人目には新しく描かれたもののように見えたけど、、、詳細不明。

次にやってきたのは、St.George Museum Church; 聖ゲオルギウス教会。
現在の教会は1700-1709年ごろに再建されたもので、2012年に修復されている。

残念ながら扉は閉まっていて、やっぱり中は見ることができないか・・・ と諦めて引き返そうとしたとき、奥から管理者らしきおっちゃんがやってきて、鍵を開けてくれた。

鍵もこの雰囲気!なんつったってこの鍵に一番テンションあがっちゃうよね。
この辺の柔軟な感じが、東ヨーロッパの田舎って感じで良かった。

礼拝室前室のフレスコ画。
一部のフレスコ画は、教会が再建される以前 16世紀のものが残っているらしい。

ちょっとかなりおどろおどろしいけど、これは興味深い。たぶん、罪人かなにかが 地獄で悪魔に拷問を受けてる様子だろうか。

礼拝室は、やっぱり半筒形のヴォールトで、壁一面にフレスコ画が広がる。
この壁画たちは、どうやら修復を経てオリジナルが保存されているようだ(詳細不明)。

身廊両脇。

天井部分には天使に囲まれたジーザス。

祭壇部分。中央ニッチには聖母像もみられる。教会の説明には、イコノスタシスに1569年作のミカエルのフレスコ画がある と書いてあったけど、そもそも祭壇を隠すイコノスタシスはないし、ミカエルらしき絵も見当たらない。
とはいえ、偶然にも鍵を開けてもらえて これだけのフレスコ画を体験することができてラッキーだった。

というわけで、アルバナシの村の簡単なレポートでした。

つづく

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