どうもこんつくは、グレートエスケープ中の管理人です。
シヴリヒサルの街を去って、南西約80km くらいの場所にある古代のモニュメントを訪れます。
Yazılı村のMidas Monument
一度エスケシェヒルの方へ戻る形で、途中から南に進路を変えて
以前訪れたセイトガジの更に30kmくらい南にあるYazılı; ヤズリ村という小さい村に向かう。
いまにも崩れるんじゃないかというようなやれた赤瓦をたたえた古い家屋が並ぶ中、村の奥の方へ進んでいくと、、、
垂直に切り立つ岩壁に彫られた巨大なレリーフが姿を現す。
神殿のファサードを象ったような外形と、
幾何学的な紋様、
そして上部には古フリギア文字による碑文が彫られている。この碑文から このモニュメントはMidas; ミダス王に捧げられたものと考えられていて、建造されたのは紀元前7世紀頃と、岩窟寺院で有名なナバテア人のペトラ(ヨルダン)やアル・ウラ(サウジアラビア)よりも遥かに古い。
ミダスモニュメントのすぐ隣には、Kırkgöz Kayalıkları ; クルクギョズ岩という岩窟をくり抜いてつくられた洞窟住居がある。
洞窟内部はアナトリア~コーカサスでみてきた洞窟住居と似たような構造で、時代はモニュメントより少し進んでヘレニズム期以降に、ビザンツ期まで墓や集落など様々な目的で使用されてきたらしい。
ミダスモニュメントの奥につづく小さな道を入って行くと、岩壁がずっとつづいていて
そこにはちらほらと洞窟が掘られていた。
岩盤の上から、ヤズリの村が一望できる。ここはもう行き止まりでこれ以上進めないようだ。
どこかにもっと南につづく道があるはずなんだけど、と徘徊していると
畑を突っ切って柵を乗り越えた場所に階段を発見。
丘の上へとつづいていく道を進んでいくと、
道中に発見できる Hyacinth Monument; ヒアシンスモニュメント
正方形で構成されたクロスが規則正しくならぶレリーフが特徴的だけど、この辺になると現地の看板含め著しく情報が少なくて詳細不明。
おそらく紀元前7~6世紀、フリギア人によってつくられたもの。
現地看板曰く、Hittite-Phrygian Processional Way Reliefs 、ヒッタイト人とフリギア人の行列の様子が掘られているらしいけど、
目を凝らしても何かの記号にしか見えない。ここは古代の街の玄関口にあたる場所だったらしい。
更に上って行くと茂みが消えて、広く開けた場所にでる。
そこにちょこんと、突如現れる 現地看板曰く The Alter with Epitaph と名付けられた祭壇は、フリギア人の地母神 キュベレーを祀るもので、祭壇側面にはフリギア文字の碑文と、キュベレーをあらわしたと考えられている偶像のレリーフが彫られていた。
丘の頂上付近から。
一度道を戻って、またミダスモニュメントの背面にある別の道を進んでいく。
面白い形の奇岩群に西日が差してきた。
しばらく歩いていると、岩盤の一部に急な階段が彫られている。
階段の下部は巨大な貯水槽になっていて、上部から供給される水がここに注いで貯まる仕組みになっている。
これもフリギア人によってつくられたというから、紀元前7~6世紀に遡る構造といえる。
更にどんどん歩いていくと、、、
Unfinished Monument; 未完成のモニュメント と名付けられたレリーフが現れる。
モニュメントは上から下にかけて彫られていたようで、下部は岩で覆われたままだ。
未完成のまま2,500年近く放置されたモニュメントの上部には、
均衡のとれた6花弁の紋章や、幾何学文様、植物を象ったようなレリーフが確認できる。
道は更に進んでいて、また丘の上に上って行くと、
頂上部分にはまだ発掘途中のような遺跡があった。
スクエア型の遺跡の一辺にある階段状の遺構は、さっき別の丘の頂上でみた祭壇によく似ている。
看板もなにも無く、詳細不明。
これは、Phrygian Rock Tomb.
その名の通り、フリギア人の古代の墓で、巨大な岩山の側面に無数の部屋が彫られている。
下部の一部に部屋があったから覗いてみると、
大きな石棺が2つ置かれていたけど、これも詳細不明。
こんなに素敵なモニュメントがあるのに、人がひとりもいないなぁと思ってバイクの元に戻っていたら、
どうやら結婚式の写真撮影で来ていたカップルと出会った。カメラマンが花嫁よりもがっつりと花婿の腕を掴んでるのがうける。
Çukurca 村へ
ヤズリの村を去って、
少し北側にある Çukurca; チュクルジャ村に向かう。
今日は野営だから、どこかマーケットで買い出しをしたいなぁ と探すも Google Map の通りに行くと村の終着点のような場所にきて迷う。家から出てきた村人にマーケットはないかと聞くと、
全然違う場所にかろうじて小さな商店が開いててくれた。
村のはずれにある小さな道を進んだところに、Gerdekkaya Anıtı; ゲルデッカヤ霊廟というモニュメントがある。
今日はもう暗いので、モニュメントを探検するのは明日にして、
とりあえず簡単な夕飯を食べたあと、今夜は古代のモニュメントに見守られながら 野営するのであた。
つづく