どうもこんつくは、グレートエスケープ中の管理人です。
コンヤ県のよく分からん道路脇で野営明け、この日はようやく地中海沿岸へと抜けていきます。
ここまでのルート
ウズベクの懐古?を通り過ぎて
朝、太陽が昇ると 急かされるようにテントを撤収する。
綺麗なパステルイエローの トルコ国鉄 Karaman; カラマン駅。
途中、Taşkent; タシュケントの街。
タシュケント、と聞くと ウズベキスタンの首都を思い浮かべるけど これは単なる偶然ではなく、トルコ民族がもともと中央アジアから移住してきたという民族的な背景に起因している。「タシュ」という音は石や岩を、「ケント」という音は街を意味していて、トゥルク語系で石の街を意味しているのだ。元々はPirlerkondu’dur; ピルレンコンドゥという名前だったらしいけど、それをわざわざ改名したんだとか。
ナイフが沢山並べられた刃物屋や、渋すぎる扉、
そしてこのごちゃついた街からミナレットの伸びる様が停まらざるを得ない感じだった。
ルームセルジューク朝 11代スルタン Alaeddin Keykubat; ケイクバート1世の像の元に湧く水。冷たくておいしい。
約800年前、ここを訪れたスルタンは 汗だくで喉が渇ききっていた。そこに、村の少女が松の葉と共に水を与えたという逸話が表わされている。
思わぬ面白い村を通過して、また南西方向を目指す。
果てしない赤土のダート
途中発見した、果てしなく伸びるオフロード。
思わぬ最高の道との出会いに、何度も三脚を取り出して自撮りをしてしまう。
一人旅の楽しく、悲しいところ笑
この道は一体どこまでつづいているのだろうか。
地図アプリを確認しても、圏外でいまいちよくわからない。オフラインマップをダウンロードしてるのに、この手の不調は良く起きる。
というか最近スマホのGPSが不調になることが多くなってきたんだけど、端末の問題なのか 変なとこ走り過ぎてる問題なのか わからん。
道のつづいてる方角的に、東方向へと戻ってしまいそうだったから、数十キロ行ったところで引き返して元の舗装路に戻って来た。
Hello again 地中海、レバノンぶりだね
さて、ここから地中海側へ抜ける道は トルコ中南部を東西に走るトロス山脈を縦断するような形になる。
山脈以北はどちらかというと大陸性気候の影響を受けて乾燥していて、しかもタシュケントの標高は約1,200mと高かったこともあって割りと涼しかったのに対して、山脈以南は一気に地中海性気候の影響が強くなる。
空気は急激に湿り気を帯びて、体感気温がみるみる上がって行く。
バイクで走りながら、気候帯の変化をここまで感じる事もなかなか少ない。
それからはひたすらに山下りがつづいて、海抜0mまで標高を下げることになる。
ここ最近、ロクなものを食べてなかったから 地中海側にでて突如現れた観光地のレストランでスパゲッティを頼んでしまった。
中近東のスパゲッティは、よほどちゃんとした店じゃないと大抵べちゃべちゃでまずい事が多かったけど、トルコ南西部の海岸沿いは、西欧からの観光客も多いからか 普通においしかった。
店主とバイク旅の話をしていたら、お茶をサービスしてくれた。トロス山脈の高原地帯で採れる花をつかっているみたいで、
トルコではYayla Çayı; ヤイラ・チャイと呼ばれる。一般的にはSideritis; シデリティス という植物の花をつかうハーブティーで、地中海沿岸各国ではポピュラーらしい。最初は透明だったお湯が、どんどん黄色くなっていく。味はいわゆるred tea に比べてどことなく東洋的で、なんだかとってもほっとした。暑いけど。
ってなわけで、いよいよ地中海に出た!
一度はレバノンで訪れた地中海に、鬼のような遠回りでまた戻って来たって具合だ。
しっかし予想以上にここいらは観光地。
まだまだオン・シーズンってこともあって とても簡単にそこらへんで野営できる雰囲気じゃない。
サンクトペテルブルクに来たら連絡してくれ、と連絡先を教えてくれたロシア人ライダー Yaroslav.
散々徘徊した末、メジャーなビーチから離れたコンクリートのデッキ部分になんとかテントを設営。
近くのビーチにあったシャワーは、どうやらビーチに入場料を払った人限定のようだったけど、見回りの青年がイラン人ということで、知ってるペルシャ語を片っ端から並べたら 「内緒だぞ」と言ってシャワー室に入れてくれた。
なんでも役に立つ。知識は人を助ける …事もある。
それにしても、地中海沿岸の暑さはまたクレイジーだ。
シリア国境付近の暑さもやばかったけど、それにさらに湿気が加わって気持ち悪さMAXなのであった。
おまけ
この日は、管理人が成田空港からドバイへと出国してからちょうど丸2年の日だった。
そして相棒 テネレ700が納車されてからは丸々4年が経っていた。
確かに何もかもが変わったようで、案外何も変わっていない。バイクも乗ってる人も。
つづく