どうもこんつくは、グレートエスケープ中の管理人です。
トルコでイスタンブールと肩を並べ最もツーリスティックな場所 カッパドキアへやってきました。
普通の観光客ばりに気球を楽しんだりしつつ 実はオフロード天国なカッパドキアをバイク旅ならではの楽しみ方で味わうのもいいもんです。
とりあえず気球に乗ってみる
暗闇渓谷で会ったスイス人ライダー Bastian から聞いたホステルにて。
ドミトリーには誰もいなく、早朝窓から昇って行く気球たちが見えた。
カッパドキアまで来たものの こういう観光地に来ると妙にやる気がなくなる症候群というか、特に何をする気も起きずダラダラしていたけど、後からやってきたインド人の Sanjit に誘われて、丘の上まで夕日を見にやって来た。
Sanjit はドローン撮影に夢中。写真の迫力じゃドローンにはかなわないよなぁ。
丘の上からは、360°Göreme の街が見渡せた。
夕日で街がオレンジ色に輝いている。
カッパドキアの街自体も、散策したらかなり楽しそうだったけど かなり観光地として整備されていてお土産屋とレストランが大半を占めてる印象。
だから、特にランドマークを周るわけでもなく、適当に中心地をぶらぶらするだけで十分だった。
当初、気球は下から見るだけで十分かなぁと思ってたんだけど 後からやってきたイタリア人の Sonia が最安値でブッキングできるからというので、Sanjit と一緒に予約してもらった。偶発的な便乗はまじでありがたい。
早朝、バンに乗って気球の離陸点に向かうと あちらこちらで既に気球が上昇し始めていた。
正直、これはもう下から見るだけでも十分スペクタクルだ。
Sanjit, Sonia と。
そういや Sanjit に写真をメールで送ってくれって頼まれてたんだった。めんどくてスルーしてたけど、、、送るか。3か月遅れで。
予想外に感動したのが、気球を倒れた状態から起こす瞬間だった。
強烈なバーナーと送風機を器用に使いこなして、絶妙なタイミングで気球を起立させる、
まさにプロフェッショナル。
気球に乗り込んで離陸すると、あっという間に上空へ。
朝日が昇る中、無数の気球が宙を舞う様は 本当に筆舌に尽くしがたい。写真でも動画でも この感動は保存できそうにないなぁと感じた。
たまに拍子抜けな観光地というのはあるものだけど、カッパドキアに関しては「これは世界中から人が集まるのも納得」の一言に尽きる。
高度は上空700m前後くらいまで昇る。
GöremeやUçhisarの街も、
周辺の奇岩群も 上空から見るとまた格別だった。
パイロットが4つのバーナーを使いこなして気球を絶妙にコントロールしつつ、徐々に高度を下げていく。
着陸の瞬間はみんな同じ方向を向いてバスケットにしがみつく。
無事着陸した時、乗客みんな拍手が沸き起こるのは なんか昔の飛行機の着陸の瞬間みたいだった。
実際に墜落死亡事故とかもあるっちゃぁあるみたいだけど、今回カッパドキアの気球ツアーに関してはかなり Well Organized されてるってことがよくわかった。
これが乗客20人以上を乗せたバスケット。
着陸後は無事帰還を祝うノンアルシャンパンまで用意されていた。
そんな脇で、手慣れた様子で巨大な気球のエンベローブを畳んでいくスタッフ。
一連のプロセスが全て滞りなく進められていく。
カッパドキアを走る
後日、ドミトリーを後にしてとりあえずカッパドキアの界隈をテネレで走ってみることしようかなぁとか考えながら昼メシを食べる場所を探していると、、、
ハーレーのパンアメリカが停まっているではないか・・・
ハーレーのADVモデルとはいえ、実際に乗ってる人を見たことがなかった。
どんなゴリゴリのおっさんが乗ってるのかと思いきや、
なんとライダーは若い女子2人だった😮
ドイツからのAffeと、デンマークからのChristy. アンタルヤでこのバカでかいマシンをレンタルして、トルコを旅しているらしい。
このクソ暑い中、上下赤白ツートンの革スーツでびしっときめてるところとかも、やっぱり西欧人のセンスを感じる。
巨大なVツインを轟かせ、さっそうと去っていった。かっけーな!
そんな2人を見送った後、テネレでダートへと突っ込んでいく。
特に事前調査もしてないから、どこを走るといいのかもよくわからんけど とりあえずどこ行ってもそれなりのオフロードが沢山ある。
カッパドキアといえば、まずは気球が思い浮かぶわけだけど 実は初期キリスト教徒たちが当時のローマ帝国からの迫害を逃れて作った洞窟教会がたくさんある。
奇岩群をくり抜くような形でつくられた洞窟教会は、未だに未発見のものもあるらしくて、その数なんと600~1,000になるという。21世紀の時代にも、未だ未発見の洞窟教会があるってのはロマンに満ちている。
時たま急に砂が深くなったりするのでおっかない。
奇岩に囲まれた細いダートを走って行くも、途中から無理な雰囲気になって引き返したり。
Tenere × 奇岩
車両に関する一切の細かいことを気にせずに、こうやって走ることができるのは、
自分の車両を自国登録のまま輸出したことの大きなメリットだと思う。
やっぱり複数の国境を跨ぐ場合は、バイバックとかレンタルよりも 圧倒的にアドバンテージがでかい。それは、出発する前よりも明確な自分の経験則として 述べることが出来る。
ダートの先の洞窟群。
洞窟の中に入ると、日差しから逃げられて休まる。
一見質素な洞窟住居にも、施された壁画を見つけるのが楽しい。
Çavuşın Kalesi; チャブシン城
正確な建造時期も誰によって建てられたのかも不明だけど、少なくとも12世紀以前に築かれた。
カッパドキアにはそんなような詳細不明の洞窟群が沢山ある。
軟質の火山岩は、洞窟を形成するのに適していたようで、7世紀以降も イスラーム勢力から逃れる手段として利用されていた。
Love Valley の界隈。”Fairy Chimneys” とよばれる独特な円筒系の奇岩群が一望できる。
Love Valley を挟む崖の一方を、南の方に進んでいくと。
先に Uçhısar の街と、その頂上のUçhısar Kalesi; ウチヒサル城がみえる。
なんか目が慣れてしまってるけど、よくよく見るとこれだけですごいファンタジー感だ。
崖上のダートを少し逸れた道に入って見ると、そこからの奇岩風景はまた格別だった。
約6,000万年前から、現在のGöremeの東にある Erciyes; エルジェス山や 南西にある Hasan; ハサン山 Melendiz; メレンディス山といった火山群が、数百万年前まで繰り返し噴火を繰り返す事で多量の凝灰岩と玄武岩の層が形成された。その後、自然浸食の影響でそれらの柔らかい層が削られて この独特の地形を形成したという。
どこでテントを張るかしばらく考えた末、結局 Love Valley の北側に戻って来た。
この特等席で、明日の朝の気球を待つことにしよう。
風の影響や天候次第で気球は飛ばない日もけっこうあるから、こればっかりは運次第だ。
簡単な夕飯を食べた後は、
写真の整理なんかをしつつ 暗くなっていく渓谷を眺めていた。
周りにキャンパーバンも何台か集まってきて、どうやらここはスポットとして間違ってないらしい。
Tenere × Balloon
そして朝、ギョレメの街が向こうに光っている中、だんだんと空が明るんでくる。
寝ている間は気づかなかったけど、Love Valley のすぐ上からも気球が離陸するようで まさに今浮かんとする気球たちもまた間近で見ることが出来た。
どんどんと気球たちが飛んでいく。
手を伸ばせば触れられそうなところを、光る巨大クラゲのように上昇していく気球。
2022年の春 はるばる日本からインド洋を渡って海を越えたテネレが、こうしてカッパドキアで気球とコラボしてるのは、
なんだか感慨深いものがあった。全ての瞬間がもう二度と訪れる事の無い瞬間だけど、やっぱりこういう写真が撮れると 特別感は強い。
十分カッパドキアの朝日と気球を堪能した後、テントを撤収してギョレメの街を去る。
探索すればキリがないほど奥深い奇岩群の渓谷だけど、この積載で行けるのは限りがある。また機会があれば、今度はバギーでもレンタルして走りまわるのもいいかもしれない。
つづく